夕暮れの町で、夏の涼を感じる
東京の歴史ある建造物を移築し、復元・保存・展示している『江戸東京たてもの園』。
8月3日(土)・4日(日)の両日は、いつもより開園時間を延長し、夏の夕べの過ごし方を体感できるイベントを開催する。
レトロな町並みが再現されている東ゾーンの下町中通りでは、復元建造物の商店3軒がこの2日間だけ特別に開店する。「小寺醤油店」(昭和8年〈1933〉築、港区白金より移築) では飲み物を、「武居三省堂」(昭和2年〈1927〉築、千代田区神田須田町より移築)では昔の文房具を、「花市生花店」(昭和2年〈1927〉築、千代田区神田淡路町より移築)では切り花を扱っているので、ぜひのぞいてみたい。
さらに、伝統的な日本の民家が建ち並ぶ西ゾーンでは「綱島家(農家)」(江戸時代中期築、世田谷区岡本より移築)の裏庭で縁台将棋が楽しめるのをはじめ、東ゾーンの「植村邸」(昭和2年〈1927〉築、中央区新富より移築)、「川野商店」(大正15年〈1926〉築、江戸川区南小岩より移築)では伝統工芸の実演も。東京の伝統工芸「つりしのぶ」「江戸硝子」の実演と販売が行われ、大人も興味をそそられそうだ。
担当者の持主実さんは、「園内に提灯や照明を灯し、普段は見られない夜のたてもの園を楽しんでいただける貴重な機会となっております。西ゾーンでは落語の怪談噺や縁台将棋といった夏の風物詩を味わえるほか、地元の連による阿波おどりも披露されます。歴史的建造物と夏の風情を感じられる催しを多数開催しますので、キッチンカーや屋台でのお食事を楽しみながら、夏の宵を『たてもの園』で過ごしてください」と語ってくれた。
神輿や阿波おどりで沸く園は、夏祭りさながら
夕暮れに登場するこども神輿も見どころのひとつ。担ぎ手は当日募集するのでその場で参加ができるのがうれしい。また、エントランス広場から地元連による阿波おどりが披露され、迫力ある舞を間近で見ることができる。
「かたぬき」や「射的」ができる「ちびっ子縁日」や子供たちに大人気の懐かしい駄菓子屋も登場し、親子で楽しめること間違いなしだ。
真似したい、伝統的な日本の「涼」を体感できる工夫の数々
暑い夏を乗り切ろうとさまざまな工夫で「涼」を取り入れてきた昔の人々。今の時代にも参考になりそうな工夫が、園のそこかしこにあるので参考にしたい。 例えば、「西川家別邸」(大正11年〈1922〉築、昭島市中神町より移築)では、建物の風通しのよさを生かして、風鈴の音を楽しめる。
ほかにも、緑のカーテンで出迎えてくれるグリーンゲートやミストシャワーなども設置されている。タイムトリップ感覚も味わえる夏の夕涼みで、心地よい風を感じられそうだ。
開催概要
「夜間特別開園 たてもの園 下町夕涼み」
開催期間:2024年8月3日(土)・4日(日)
開催時間:16:00~20:30(開園は9:30~、入園は~20:00) ※荒天時中止
会場:江戸東京たてもの園(東京都小金井市桜町3-7-1 都立小金井公園内)
アクセス:JR中央線武蔵小金井駅からバス5分 、JR中央線東小金井駅からバス6分
入場料:一般400円、65歳以上200円、中学生・高校生(都外)200円
※中学生(都内在住または在学)・小学生・未就学児童は無料
※障害者手帳をお持ちの人と付き添い2名まで無料。
【問い合わせ先】
江戸東京たてもの園☏042-388-3300
公式HP https://www.tatemonoen.jp/event/page/2024_yusuzumi.php
取材・文=前田真紀 画像提供=江戸東京たてもの園