薬味と調味料でタイの風を感じる朝『mango tree kitchen PAD THAI』
自社製生米麺がもちもちのタイ焼きそば=パッタイ専門店だが、朝だけ味わえるのがタイ雑炊。鶏と豚の合わせスープで炊いたジャスミンライスのシンプル雑炊はそれだけで十分に滋味深い。そこにパクチー、ネギ、ドライガーリック、ピーナッツをのせれば途端に多彩な香味と食感でにぎやかに。ナンプラー、ドライチリ、酢で味変するのがタイ屋台流。甘・辛・苦が風のごとく口中を吹き抜ける。
『mango tree kitchen PAD THAI』店舗詳細
魚と小鉢を選んで日本の朝を実感!『田中田式海鮮食堂 魚忠』
豊洲市場仕入れの魚を揃えるのは、博多の高級居酒屋『田中田(たなかだ)』弟分。朝食は本マグロ丼もあるが、気分次第で献立が組める朝定食がいい。選べる主菜は、日替わり焼き魚、刺し身の胡麻醤油漬け、本マグロの中落ちの3種を用意。なかでも人気は厳選された紅鮭で、身の旨味がひと味違う。納豆、とろろなど、4種から選ぶ小鉢のほかに、玉子焼き、明太子が脇を固め、ごはんが進みまくる。
『田中田式海鮮食堂 魚忠』店舗詳細
松阪牛の旨味引き立つ漆黒のカレー『東洋軒 東京ステーション』
西洋料理黎明期の明治22年(1889)開業。陶芸家・実業家の川喜田半泥子(はんでいし)に愛され、「黒いカレーを」との要望から昭和初期に編み出したのが名物のブラックカレーだ。上質な松阪牛脂と小麦粉、秘伝のスパイスなどを炒めて焙煎し、完成までに約1カ月かけたルーは真っ黒。口に運べばまろやかで、深みのある味わいだ。また、もちもち食感の甘みあるパンで包んだカレーパンは手みやげにもいい。
『東洋軒 東京ステーション』店舗詳細
※時間帯によりメニュー切り換えあり。備考欄参照。/定休日:無
フルーツの香味が口中できらめく『京橋千疋屋 東京駅一番街店』
フルーツモーニングは老舗専門店ならばこそ。なかでも人気は、ワッフルセットだ。ラズベリーソースをまとったワッフルに、旬果実があしらわれ、甘さ控えめの生クリームとともに口の中へ。香りが華やかにはじけ、甘酸っぱさがみずみずしく舌の上に広がる。ドリンクは、ローズヒップとハイビスカスを基本とした日替わりフルーツティーを。蜂蜜をたらせば、よりふくよかでリッチな心地へ昇天。
『京橋千疋屋 東京駅一番街店』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=加藤熊三
『散歩の達人』2021年5月号より