柔らかな曲線と極上の音響『ARC』
2023年春、鳥越神社の目の前に忽然(こつぜん)と現れたスタイリッシュな空間は地元の人々を驚かせた。店主の西岡晴彦さんは実に多才で、鳥居を模してアーチ(ARC=湾曲)させたカウンターや真空管のオーディオアンプ、メニューカードのイラストも自作。そのクラフト感に魅せられて、神社へのお参りとセットで訪れる人も多い。店内の至るところに取り入れられた曲線を愛でつつ、臨場感抜群のジャズの響きに浸りたい。
『ARC』店舗詳細
友人の部屋でくつろぐように『トロワ』
大通りから一本入った住宅地の奥に明かりを灯すカフェは、通りに看板を出していない。それでも訪れる人が絶えないのは、小倉夫妻の柔らかい笑顔のもてなしが記憶に残るから。おすすめの品はレモンのハチミツ漬けがたっぷり入った紅茶やスイーツ。「カフェで自分自身を整えるのがライフスタイルになっていた」というご主人の思いが通じたかのように、一人でゆったりとくつろぐ客も多い。
『トロワ』店舗詳細
あふれる緑とアンティーク。『feb’s coffee&scone Blucca店』
「植物を眺めながらコーヒーが飲めたら最高!」という思いから生まれたコラボカフェ。思惑は見事に当たり、浅草本店のフラワーショップ『アンヴェール』の緑がアンティークのインテリアと調和し、この上ない居心地良さ。焼き上がったスコーンのバターの香りが漂いさらに多幸感に包まれる。サックリ、ふんわり食感のスコーンはプレーンのほか、シュトレンスコーンなど独創的なシーズナルも揃う。
『feb’s coffee&scone Blucca店』店舗詳細
メルボルン流のコーヒー文化『LUCENT COFFEE』
店内にテーブルはなく、L字型のベンチに腰かけてコーヒー片手に思い思いの時間を過ごす。店主の中田夫妻が勤めていたオーストラリア・メルボルンのカフェではよく見かける光景というが、それが東京の下町にもするりと溶けこむ。「豆本来の風味、産地の違いを楽しんでほしい」と浅煎り、シングルオリジンにこだわった。華やかなアロマと甘さ、果実味、続く余韻が豆の底力を実感させてくれる。
『LUCENT COFFEE』店舗詳細
『喫茶 半月』の気品ある内装に心が華やぐ
南青山にあった伝説の名店「大坊珈琲店」へのリスペクトが込められた内装は、アンティーク家具中心の和洋折衷スタイルが絶妙で、つい長居したくなってしまう。隣の『半月焙煎研究所』で焙煎したてのコーヒーには喫茶の王道スイーツ、シュークリームやロールケーキを。そっとナイフを入れると、童心に帰ってしまいそう。休日にはエスプレッソにお酒を合わせたカクテルを楽しむ人も多い。
『喫茶 半月』店舗詳細
3匹のいぬとねこに会いに『marble 蔵前』
壁の一面がそのまま窓になったような店内は明るい陽ざしに包まれ、溌剌(はつらつ)とした空気に満ちている。名物のいぬクッキーは店主の愛犬、柴犬のマーブルをかたどったもの。今ではブルドッグとビション・フリーゼも加わり、3匹はスイーツの上でポーズをとったり、お土産にと引っ張りだこ。意外にも、男性の一人客も多く、お皿の上でねこプリンを揺らすほほえましい姿も『marble』の日常になっている。
『marble 蔵前』店舗詳細
蔵前の『en』カフェで平日限定モーニング
新潟県に本社を構えるプラスチック製品メーカーが運営するカフェ『en』は、蔵前駅から徒歩2分の好立地。おすすめは平日限定モーニングの、ベーコンとチーズのエッグハニートースト。ライ麦トーストにマスタードマヨネーズとハチミツが絶妙に組み合わさり、奥行きのある味わいが楽しめる。カフェラテにはアメリカのBrooklyn Roasting Companyのコーヒー豆が使用され、風味豊かな一杯に。モーニング以外にも、ホームメイドのスイーツやドリンクが豊富に揃っており、季節限定のケーキやパフェも豊富。広々としたカフェスペースでゆったりと贅沢な時間を過ごしたい。
『en』店舗詳細
焙煎したてのスペシャルティコーヒーが味わえる!蔵前のライブ感あふれるカフェ『コフィノワ』
都営地下鉄大江戸線・浅草線の蔵前駅から歩いてすぐにある『コフィノワ』。ゆったりした空間と親しみやすい接客、月替わりで13、14種類から選べるバラエティーに富んだスペシャルティコーヒーが魅力。オープンして8年目、コーヒーに関する専門資格を所持するオーナーの高橋史郎さんがセレクトした、焙煎したての豆で淹れるコーヒーを味わうことができる。豆の種類や抽出方法は、好みに応じてスタッフが提案し、丁寧に抽出してくれる。自家製カスタードプリン500円、自家製バスクチーズケーキ680円など、オーナーのフランス料理の調理経験を生かしたスイーツも満足度が高い。
『コフィノワ』店舗詳細
おしゃれな革小物をショッピングしながらドーナツも楽しめるカフェ『axisss tokyo』
都営大江戸線・浅草線蔵前駅から徒歩5分、おいしい手作りドーナツを味わえるお店がここ『axisss tokyo』だ。
ピザ風のお食事系ドーナツから定番のシュガードーナツまで、その日の気分に合わせて好みのドーナツを楽しめる。素材選びからこだわった自然由来の味わいのドーナツたちは後味も軽く、何個でも食べられてしまいそう。キッズドリンクメニューもあり、子ども連れにも人気の店だ。
店頭にはバリスタが常駐しており、本格コーヒーと一緒に食べるドーナツは絶品。
『axisss tokyo』は革小物製品メーカーが運営しており、店内ではプライベートブランドのキーケースや三つ折り財布などの革小物も販売されている。ユーモアの効いた車のポーチはタイヤが回るようになっており、かわいいだけでなく、長年の技術力を感じる。
世代も性別も人種も関係なく、この場所を軸にコミュニティが生まれていくような、すべての人々にとって開かれた空間でありたいという願いが『axisss tokyo』という店名に込められている。
蔵前の新たな憩いの場だ。
『axisss tokyo』店舗詳細
工房が併設したお洒落カフェ『ETiAM KURAMAE』
上質な素材と職人の手仕事が織りなすバッグや小物で人気のバッグブランド〈ETiAM〉のフラッグシップストア。店内のテーブルや椅子などはすべて本格的なアンティーク家具で、落ち着いたお洒落な空間でゆっくりと過ごすことができる。コーヒーは、季節や気候に合わせた独自焙煎。注文を受けてから1杯ずつ豆を引き、丁寧にハンドドリップで提供される。定番のチョコレートクッキーは、同じく蔵前に本店を構える「ダンデライオン・チョコレート」がたっぷり入った贅沢な味わい。果実感溢れるフルーツソースとレモンの効いたもっちりテイストが絶妙なチーズケーキもおすすめだ。
『ETiAM KURAMAE』店舗詳細
/営業時間:11:00〜18:30LO
/定休日:無/アクセス:地下鉄蔵前駅から徒歩約1分
人々を優しく受け入れる癒やしの小部屋『CAMERA』
雑貨屋さん?コーヒー屋さん?気になってついつい足を踏み入れたくなる『CAMERA』。ここは半分オリジナルのレザーブランドショップ、半分はカフェという構成。
素朴だけど染み入る味のスコーンや焼き菓子、ドリンクを楽しみながら、素敵で機能性も抜群のオリジナルレザーグッズが眺められる。
『CAMERA』というのは、ラテン語で部屋という意味。
自分の部屋のようにくつろいでほしい、という思いで名付けられた『CAMERA』は、その名の通りのびのびくつろげる。
『CAMERA』店舗詳細
「かわいい」をつめこんだパン屋さん『チガヤ蔵前店』
「あくまでベーカリーで、メインはパン」というだけあり、提供されるパンは全部ここで焼いていて、パンに合う飲み物もここで一から作っている。「かわいい」に囲まれながら、手作りパンをラテにひたして食べれば何はなくともうきうき。
『チガヤ蔵前店』は、足を踏み入れた瞬間からかわいさに包まれて、いい気分でお店を出られる、そんな場所だ。
『チガヤ蔵前店』店舗詳細
/定休日:無/アクセス:地下鉄蔵前駅から徒歩8分
日常を特別にするカヌレ専門店『クラマエカヌレ』
焼き立てカヌレの専門店『クラマエカヌレ』は、1日2000個以上のカヌレを売り上げる人気店『ギンザコリドーカヌレ』の姉妹店。1階はテイクアウトカウンターで、その隣には犬を連れて食事ができるイートインスペース。
通常は冷ましてから提供されるカヌレだが、『クラマエカヌレ』では焼き立てのカリカリ&トロトロ食感にこだわり、日に数度店内の工房で焼成して出来立てが並べられる。
2階のカフェでは、1階のクラマエカヌレの素材をすべて最高級品にグレードアップしたグランカヌレを最高の世界感の中で楽しめる。陶器のようにつややかでカリカリに硬く焼かれた表面と、中身の濃厚なモチモチ感のハーモニーは未体験のおいしさだ。
『クラマエカヌレ』店舗詳細
最高の材料で作られたお菓子をベストな状態で提供する『クレール ドゥ リュンヌ本店』
蔵前駅にほど近い国際通り沿いのパティスリー『クレール ドゥ リュンヌ本店』。カフェスペースが併設されていて、テイクアウト用のケーキや焼き菓子などをドリンクと共にいただくことができる。店内限定スイーツも用意されていて、オーナーシェフが洋風わらび餅と称するわらび餅は、いちご、グリオット、あんず、マンゴーからチョイスできる。一口食べれば新食感のおいしさに舌鼓を打つこと間違いなし。
『クレール ドゥ リュンヌ 本店』店舗詳細
取材・文=平野かおり、菊地翔子・佐野友美・村田幸音・北口美愛・かつの こゆき 撮影=高野尚人、菊地翔子・佐野友美・村田幸音・北口美愛・かつの こゆき