さりげなく、それでいて心に残る素朴な味

今回の注文はパンプキンスコーン500円とピンクミルクスムージー800円。
今回の注文はパンプキンスコーン500円とピンクミルクスムージー800円。

フードメニューはスコーンやパウンドケーキ、クッキーなど焼き菓子が中心。キーマカレーやスパムおにぎりなども注文できるので、お腹が空いているときも安心だ。

パンプキンスコーンはほのかにパンプキンが香り、ずっしりと密度がある。小麦の風味が感じられる素朴な味でほっと心が落ち着く。かみごたえ抜群で、かむたびにじんわりとうま味が広がる。パンプキンシードの食感や塩気がアクセントになって飽きがこない。

パンプキンのスコーンは軽い朝食や昼食のかわりになるほどお腹が満たされる。
パンプキンのスコーンは軽い朝食や昼食のかわりになるほどお腹が満たされる。

ピンクミルクスムージーはイチゴ、バナナ、ミルクとハチミツをミックスしたスムージー。甘すぎず重すぎずフルーツたちがほどよく自己主張していてスコーンとの相性はぴったり。

わくわくさせてくれるショーケース。
わくわくさせてくれるショーケース。

スコーンもスムージーもシンプルな味わいで毎日でも食べたくなる、日常にすんなりと入ってくるような心に残る味だ。「国内産の小麦粉やバター、きび砂糖を使って、シンプルで飾り気のない、だけど優しくて、どの年代の人達にも受け入れられるようなお菓子にしたいと思って作っています」と店主の田村美和子さんは笑顔で話す。

『CAMERA』店内。
『CAMERA』店内。

田村さんの願い通り、軽やかな雰囲気の店内はスコーンを頬張る人々の笑顔でみちている。

「店名の『CAMERA』というのは、ラテン語で部屋という意味なんです。ここでは自分の部屋のようにくつろいでほしい、という思いでそう名付けました」と田村さんは言う。

お腹が満たされたら革製品を楽しもう

レザーグッズエリア。
レザーグッズエリア。

『CAMERA』はレザーグッズショップとしての顔も持つ。

キーホルダーやバッグ、お財布やアクセサリーなど、シンプルかつエレガンスでちょっとかわいい、思わず手に取りたくなるような革製品が所狭しと陳列されている。どれもデザインと機能性を兼ね備えた、使い込みたくなる製品だ。

この店で扱っているレザーブランドは田村さんの配偶者が手掛けているものだが、田村さん自身も以前は皮革産業に関わっていたという。

レザーグッズエリア。
レザーグッズエリア。

「以前は革メーカーで働いていて、企画、営業、生産管理といった業務を担っていました。だけど実際に革に触れるという機会はなく、実際に作るのは職人さんで、なんとなくものづくりって何なんだろうなっていう思いが出てきたんです」

そういった思いと、配偶者のブランドを販売する店をオープンさせたいという気持ち、それに伴い趣味だった焼き菓子づくりを一から学びなおしてちゃんと作ってみようという目標が一つになって『CAMERA』は生まれた。

オリジナルのレザーグッズ。
オリジナルのレザーグッズ。

「蔵前を選んだ理由は、出身が浅草橋なのでこのあたりは土地勘があるし、台東区は皮革産業が昔から盛んだったからですね。ここで新しい街づくりの一員となれたらという思いでやっています」と田村さんは目を輝かせる。

『CAMERA』でほっと一息ついて素敵なお気に入りを見つけよう

店内。
店内。

『CAMERA』に入ると、まるで親しい友達の部屋に来たようなあたたかい気持ちになれる。気張らずリラックスして素朴な焼き菓子をほおばれば、日々の忙しさの疲れがすっと癒えるだろう。それは雰囲気のせいだけではなく田村さんのポジティブな明るさも作用しているのかもしれない。

優しい味と雰囲気に癒されたいときは『CAMERA』で一息ついて、コーヒー片手に革製品や雑貨を眺めてお気に入りを見つけよう。おいしい食べ物とドリンクを楽しみながらかわいい雑貨に囲まれる至福のときがここにある。

住所:東京都台東区蔵前4‐21‐8/営業時間:11:00-17:00/定休日:月/アクセス:地下鉄浅草線・大江戸線蔵前駅から徒歩5分

取材・文・撮影=かつの こゆき