【行きつけにしたい大人バー】
柏のオーセンティックバーのパイオニア『Bar Plat』
店名は〝小さな場所 を意味する英語と、“ぷ らっと立ち寄って”という思いを込めて命名。 「かしわウイスキーフォーラム」を主催する松本克敏さんがオーナーバーテンダーを務める。「2000年の開業当時、氷屋の貫目単位で購入した氷を使い、丸氷で供するバーはここだけでした」と松本さん。開店後も銀座の名バーへ通って研鑽を積み、地元のバーテンダーと勉強会を開いてきた。カウンターには、仕事を終えたバーテンダーが立ち寄ることも。
ホテルバーのスタイルをつらぬく『Bar TACT』
白いバーコートをまとうマスター・佐々木猛さんは、新宿「ハイアットリージェンシー東京」のバーで経験を重ねて独立。ローカウンターにローチェアをゆったり配し、店内はさながらホテルのメインバーの趣。バーには珍しく専属のシェフがおり、しっかり手をかけた料理を提供する。スコットランドの伝統料理・ハギス 1320円や、ディナーコース5000円~まで守備。ワインも充実しており、お客のわがままに対応してくれる。
華麗なバーテンディングで魅せる『Bar calma』
地元のレストランバーで 10年以上の経験を積んだ後、自身の店を開店した飯嶋裕樹さん。2008年には日本バーテンダー協会による千葉カクテルコンペティションで総合グランプリに輝き、数々の賞を獲得してきた。その実力をうかがわせる、軽やかな手さばきにうっとり。「穏やかに」を店名に込め、バックバー(酒棚)の一角には自身で生けた枝ものを欠かさない。つかの間、一際多彩なオリジナルカクテルでいい夢を見られる。
心地よさを追求した設 (しつら)えで親密さが増す『Bar TEZUKA』
ふかふかの肘掛けに、革張りのソファ席。「柏のバーでは一番お客様の年齢層が高いかもしれません」というマスター ・手塚貴裕さん。くつろげる設えと、丁寧で安心感のある接客が、飲み慣れた客をも引きつける。カクテルにだって一家言あり。独立前から共にカウンターに立つバーテンダーと、20年以上にわたって切磋琢磨してきた。ゆったりした雰囲気に反し、カクテルは一筋の緊張感をたたえた絶妙なバランス。その妙技も魅力。
【人情味あふれる柏の居酒屋】
ついつい足が向く懐の深さ『焼とり つかさ』
45年以上前に開業し、焼鳥屋にのれん替えして25年以上。3代目の長 一江(おさ かずえ)さんと共に店を支える店長 片岡琢さんは、「昔ながらの雰囲気を大切にしつつ、若いスタッフの良さも生かしていきたい」と、店内には元気な声が飛び交い、活気にあふれている。そこに、老舗の安定感がいい塩梅に漂っていて、代々通うお客さんも多い。焼鳥から刺し身、またとんかつ屋時代の料理もと幅広く、どんな状況でも重宝しそう。
『焼とり つかさ』店舗詳細
大将の人柄と絶品創作串にほろり『焼鳥 立花』
紺地に白抜き文字の暖簾(のれん)をくぐると、大将・安藤譲(ゆずる)さんが「いらっしゃい!」とよく通る声で迎えてくれる。カウンターのネタケースには、巨大な豚バラなど串ものが氷上の銀トレイに並び、どれを頼むかつい迷う。「電気だけで冷やすと、肉が乾くから氷も併用してるんだよ」。本ワサビをおろすササミなど正統派の串もいいが、タクアン巻きほか創作串もうまい。ジューシーな豚バラでコリコリとした漬物を包んであり、特に焼酎の酒肴に最高!
『焼鳥 立花』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=井島加恵、鈴木健太、沼 由美子 撮影=猪俣慎吾、オカダタカオ、丸毛 透