『喫茶スターリバー』ごはんがモリモリ進むほっこり定食[大宮]
素っ気ない店構えから一変。店内に入れば、古時計やランプが彩り、アーチ窓も郷愁を誘う。「古道具好きの義兄からいただいたものなんです。落ち着くって言われます」と、順子ママ。駅から離れた場所ながら、ランチを求める常連は少なくない。定番の生姜焼き、チャーハンも捨てがたいが、ポークソテーの濃い口ながらやさしい和風ソースが白めしに好相性。一義さんが丹精込めるサクとろコロッケはあったら必須!
『喫茶スターリバー』店舗詳細
店主のこだわりが細部に宿る『ALTERNATIVE LOUNGE』[大宮]
こじゃれたソファに特注の木製テーブル、インダストリアル風の照明。そして、壁に掛かったレコード……店内に流れる落ち着きのあるロックやエレクトロニカ系のBGMは、店主・松下さんの選曲だ。「好きなものを好きなように取り入れられるのがカフェ。そういう自由なスタイルのお店をやりたかったんです」。ボリューム感にこだわったという料理と店内の雰囲気に合わせたツウ好みの音楽が、あくせく働く人々の心を癒やす。
『ALTERNATIVE LOUNGE』店舗詳細
『カフェ・ナポリ』めくるめく王道の味にときめく[大宮公園]
「1日に2回来る方が多いですよ」と、2代目の黒臼美奈子さんが話すとおり、地域猫の世話仲間も含め、常連客が入れ替わり立ち替わり。目当ては豊富な軽食だ。焼き玉子のサンドイッチも評判だが、「かわいいから」と、ゆで卵を散らしたナポリタンの姿には胸が躍る。しかも、しっかり炒めたケチャップのコクとまろやかさといったら。「普通の喫茶店よ」と笑うが、町喫茶王道の味と風情に脱帽だ。
『カフェ・ナポリ』店舗詳細
心地よさに包まれるオアシス『BlueBirdCafe & AtelierBlueBird』[大宮公園]
トネリコのトンネルを潜って扉を開ければ、暖炉の温かみにホッ。画家 ・櫻庭亜希子さんの作品を展示するアトリエ喫茶だったが、「訪れた人がエネルギーチャージできる場に」と、2018年にフードも用意。無農薬・有機栽培食材を用いたランチ目当てが多いが、パンケーキも外せない。放牧牛バター、きび砂糖などを用い、ふわもちの軽い食感で、ワインでさっと煮た果実の弾ける香りにも心躍る。
『BlueBirdCafe & AtelierBlueBird』店舗詳細
温泉×カフェ=至福の時間『おふろ café utatane』[鉄道博物館]
休日は日がな一日、屋内でのんびり過ごしていたい……そんな欲求を満たしてくれる夢のような空間が、ここにある。既存の入浴施設のお風呂をそのまま活かしてカフェのようなくつろぎスペースを併設したという驚きの空間だ。「いかにゆったり滞在してもらうかがポイント」と担当者は語る。「自由に使えるハンモックや雑誌・コミック、無料で飲めるコーヒーが当店の名物。地域の人々に愛されているのは、長居しやすい空間づくりでしょうね」。
『おふろ café utatane』店舗詳細
店長こだわりの装飾品が美しい『純喫茶 ジュリアン』[東大宮]
バロック音楽が流れる店内は、昔ながらの純喫茶。壁面には店主・飯塚睦子さんの手によるデコパージュなど、手作り感のある装飾品が並ぶ。コーヒーは飯塚さんがネルドリップ方式で淹れ、食事メニューもナポリタンやドライカレーなど、かかせぬ定番メニューも用意。1972年の開業以来、多趣味な店主との交流を楽しむ常連客たちの憩いの場として、静かに時を刻んでいる。店の一隅にあるテレビゲーム卓が、さらに時代を感じさせてくれる。
『純喫茶 ジュリアン』店舗詳細
温もりを手に、自然を愛でるひととき『カフェ&ギャラリー温々』[大宮]
陶芸作家だったオーナーが、実家の納屋を作家目線のギャラリーにと構想。駅から離れた地ゆえ、ごはんやお茶も出すことに。今では、近隣農家の野菜や米を中心に使うメニューが人気だ。作品展を望むテーブルや一人席もあるが、裏庭の雑木林を望む窓辺がとびきりの特等席。朝と夕、冬枯れ、新緑など、訪れるたびに風情が変わり、誰もがうっとり。丁寧にゆっくりと淹れたコーヒーを手に、いつまでも眺めていたくなる。
『カフェ&ギャラリー温々』店舗詳細
庭のある日本家屋でパンとコーヒーを『カフェ&ギャラリー サイエスタ』[与野]
古家に目を付けた店主の町田光昭さんは、いろいろなアート系の作家と交流の深い兄と買い取り、改装。縁側をテラスに変え、床柱や欄間を活かしつつ、笠間焼の陶芸家の力を借りて家具を作り、絵画を飾った。こだわりの自家焙煎コーヒーと天然酵母のパンを軸にしたカフェでは、創作パンランチを。メインは時々で変わり、数種のパンはお代わり自由! 秘密基地のような2階は、ギャラリーや教室に不定期活用されている。
『カフェ&ギャラリー サイエスタ』店舗詳細
『珈琲自家焙煎の店 Basket』腹を空かしてフルコースに挑むべし![与野本町]
帝国ホテル勤めの人から教わったハンバーグに、丹精なオムライス、昆布とかつおの和出汁のうどんなど、幅広し。からあげカレードリアなんていうユニーク料理もある。ピーマン入りのカツ丼は「家庭の味だよ」と、マスターの榎本真次さんは笑うが、甘めのつゆを衣と白飯がたっぷり吸って箸が止まらない。13時以降はパフェ系もオーダー可。豪勢なるフルーツの盛りっぷりにも感涙だ。
『珈琲自家焙煎の店 Basket』店舗詳細
『あづま』喫茶店なのに、本気のラーメン![与野本町]
珍しきは、麺類だ。ラーメンを試すと、鶏ガラ、野菜、フルーツで取ったスープはまろみがあり、細麺がシコシコ。チャーシューも噛むほどに旨味があふれる。ママの関口正子さんいわく「マスターはラーメン屋で修業したんです」。そんなマスターが推すみそラーメンは、赤・白をブレンドした味噌にニンニクを利かせる。その味に、病みつき。のどかな風情と併せ、若者客をも虜(とりこ)にする。
『あづま』店舗詳細
木々に囲まれ四季の移ろいを感じる『マールーウ』[さいたま新都心]
駅から徒歩15分、ひっそりとした住宅地にたたずむ、知る人ぞ知る隠れ家だ。木の温もり感じられる店内で、緑豊かな木々と草花に彩られた庭園を眺めて過ごせば、至福のひと時が味わえる。サイフォンで淹れたコーヒーが、季節の食材を存分に活かした手作りケーキにそっと寄り添う。「春先になると、お庭のシダレザクラが綺麗に咲くんです」と店主の町田さん。味覚だけでなく視覚でも四季が感じられて、いつまでも腰かけていたくなる。
『マールーウ』店舗詳細
ポカポカの室内で味わう冬の贅沢『桃月園 Ryan 02』[指扇]
離れの2階、四方にある窓越しに、雑木林、家並みなどが映る。四谷荒木町で夏季限定かき氷店を開く姉妹コンビが、通年営業の店に選んだのがここ。ストーブで温まった部屋で、ほわほわの口どけを味わう幸せといったら。しかも、秋冬限定は凝った味も登場。濃厚黒ゴマ味の氷を掘れば、コーヒー味が現れて刮目する。「食べたい味を姉が考えてくれるんです」と、妹のミクさん。冬ならばこその味だ。
『桃月園 Ryan 02』店舗詳細
取材・文=上原純(Office Ti+)、木谷誠(Office Ti+)、佐藤さゆり(teamまめ)、林さゆり 撮影=木村心保、本野克佳、高野尚人、オカダタカオ、井原淳一