時の流れが作り上げた妙なる空間『異国茶屋 やじろべえ』[浦和]

ブレンドコーヒー400円は源氏(ストロング)と平氏(マイルド)があり、たっぷり注がれる。軽食にはトースト300円を。
ブレンドコーヒー400円は源氏(ストロング)と平氏(マイルド)があり、たっぷり注がれる。軽食にはトースト300円を。

昭和初期のモダンをイメージして作られた店内は、テーブルに松、椅子にブナなどの木材を使った趣のあるしつらえ。夫婦で営むが、現在はもっぱら奥様・並木治子さんがカウンターに立つ。コーヒーはネルドリップ方式でゆっくりと抽出。コーヒーの種類で、淹れるカップの色などを変えており、味や色をしっかり楽しめる。店内に音楽は流れておらず、本を読む人や店主との会話を楽しむ人など、それぞれが自分の時間を過ごせる空間だ。

書棚にはコーヒー関連の書籍がズラリ。
書棚にはコーヒー関連の書籍がズラリ。
作り付けの棚には多くの種類のカップ。
作り付けの棚には多くの種類のカップ。

『異国茶屋 やじろべえ』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町2-17-4/営業時間:11:30~18:00(土・祝は14:00~)/定休日:日(1月1〜3日)/アクセス:JR浦和駅から徒歩7分

異国のダイニングにいる心地『NEST Baking Company』[北浦和]

アップルパイ627円、ホットジンジャーエール、ホットアップルサイダー各550円、キャロットケーキ528円。
アップルパイ627円、ホットジンジャーエール、ホットアップルサイダー各550円、キャロットケーキ528円。

まるで異国で見つけた基地だ。石関夫妻が欧州で入手した雑貨や古道具が妙に安堵感を誘い、見目麗しきアメリカンケーキが出番を待つ。「今、ニューヨークはヘルシー志向。甘くないんですよ」と、妻の尚美さんはきび砂糖などを用い、旬味を際立たせるように焼き上げる。定番はキャロットケーキ。スパイス、ナッツ類などの香りの重なりが、鼻腔へ押し寄せてくる。すりおろしを温めたアップルサイダーやジンジャーエールと味わえば、多幸感ハンパなし。

ケーキ、マフィンなど果実がふんだん。季節ごとに顔ぶれが変化。
ケーキ、マフィンなど果実がふんだん。季節ごとに顔ぶれが変化。
石関夫妻をサポートする島本さん(右端)、片山さん(左端)。
石関夫妻をサポートする島本さん(右端)、片山さん(左端)。
目を引く青壁。
目を引く青壁。

『NEST Baking Company』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市浦和区領家1-6-1/営業時間:12:00~18:00(木・金は~17:00)/定休日:月・火・水/アクセス:JR京浜東北線北浦和駅から徒歩13分

フランス北西部の郊外にトリップ『cafe de lafet』[北浦和]

ランチコースのガレット(自家製厚切りベーコン)2700円は、スープ、ニース風サラダ、デザート、ドリンク付き。仏産シードル3300円と。
ランチコースのガレット(自家製厚切りベーコン)2700円は、スープ、ニース風サラダ、デザート、ドリンク付き。仏産シードル3300円と。

住宅地に現れるのはフランス郊外かと見紛う洋館。ダイニングはアンティーク雑貨で彩られ、おとぎ世界に迷い込んだ心地に。クレープとお茶もいいが、店主の徳永貴臣さんがブルターニュ地方で食べ、感動したガレットは必食だ。もちっとした生地の上に分厚い自家製ベーコン、目玉焼きと仏産チーズ、青菜が満載。「ソバとリンゴの産地で、現地ではガレットとシードルはセット」。現地流に堪能を。

クマやウサギが随所に。
クマやウサギが随所に。
2階に個室が。
2階に個室が。
仏風テラス席にて。
仏風テラス席にて。

『cafe de lafet』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市見沼区御蔵1127-1/営業時間:12:00~16:00(予約で19:00~22:00も可)/定休日:月・火/アクセス:JR京浜東北線北浦和駅から徒歩3分の東武バス乗り場から「岩槻・宮下」行き約9分の「木野下」下車4分

日本家屋に上がり込んでまったり『cafeきのか』[北浦和]

昭和建築に英国が溶け込む。
昭和建築に英国が溶け込む。

昭和10年(1935)築の日本家屋は、思いのほか天井が高い。「祖父母は養蚕が盛んだった熊谷の出。その造りなんです」と、店主の浅見香子さん。元応接間&子供部屋のふた間に、愛用した年代物の家具を配し、そこに英国アンティークのティーカップ、ランプ、ピアノが鎮座。「英国に暮らした友人からの預かりもの」と笑う。ふわふわのシフォンケーキに加え、コーヒーがポットサービスなのもうれしくて、近隣の年配男性客も虜にする。

国産小麦や放し飼いの鶏卵を用いたシフォンケーキ400円、きのかブレンド550円。
国産小麦や放し飼いの鶏卵を用いたシフォンケーキ400円、きのかブレンド550円。
玄関前の看板が目印。
玄関前の看板が目印。
念願の店を実家で開いた浅見さん。
念願の店を実家で開いた浅見さん。

『cafeきのか』店舗詳細

住所:埼玉県浦和区領家7-4-21/営業時間:11:00~17:30LO/定休日:日・月/アクセス:JR京浜東北線北浦和駅から東武バス「岩槻駅」行きなど3分の「領家交番」下車3分

広縁でのほほんと、借景とプリンを味わう『喫茶 花あかり』[東浦和]

カスタードプリン350円と月替わりブレンドコーヒー400円。
カスタードプリン350円と月替わりブレンドコーヒー400円。

「八重桜が多くて、見ごろは4月中旬です」。木野内夫妻が見沼通船堀の桜並木沿いという立地に一目惚(ぼ)れし、2010年に開店した。梁を見せ、障子を立てた慎ましい和情趣でいただけるのは、季節替わりのスイーツ。早春から低温で焼いたプリンが登場し、むっちりとろんとした舌触りの後、甘みとほろ苦さが舌の上で広がっていく。広縁の特等席で味わいつつ、ふかふかの椅子で借景に見とれているとつい、まどろみの世界へと誘われる。

ハンドドリップする木野内さん。
ハンドドリップする木野内さん。
見沼の見どころにも詳しい。
見沼の見どころにも詳しい。
畳敷きと広縁で、長尻必至。
畳敷きと広縁で、長尻必至。
駅から東に延びる見沼通船堀東端の軒先にのぼりとのれんが出ていたら開店の合図。サイクルスポットでもある。
駅から東に延びる見沼通船堀東端の軒先にのぼりとのれんが出ていたら開店の合図。サイクルスポットでもある。

『喫茶 花あかり』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市緑区下山口新田52-3/営業時間:10:00~17:30/定休日:月・火(祝の場合は営業)/アクセス:JR武蔵野線東浦和駅から徒歩15分

陶芸で我を忘れかき氷の冷たさで我に返る『クラフトカフェ』[南浦和]

珈琲キャラメルかき氷990円と本日のコーヒー550円。
珈琲キャラメルかき氷990円と本日のコーヒー550円。

もともと陶芸工房だったところに、「ひと休みできる場所があったら喜んでもらえるのでは」と生まれたカフェ。陶芸教室や焼き物体験にドリンクが付くワークショップを定期的に催している。さらに、同店の目玉はほかにもあると代表の高橋さん。「一年中かき氷が食べられると話題になって、関西からもお客さんが来るんですよ」。クリスマスやお正月など、季節にちなんだ特別メニューがあると聞いたなら、どんなに寒くっても挑戦したくなる。

お得な焼き物体験企画は毎月開催。親子連れのほか、カップルにも好評。
お得な焼き物体験企画は毎月開催。親子連れのほか、カップルにも好評。
陶芸工房とカフェはご家族で切り盛りしている。
陶芸工房とカフェはご家族で切り盛りしている。

『クラフトカフェ』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市南区太田窪1695-1/営業時間:11:00~17:00(土日は10:00~18:00)/定休日:木/アクセス:JR京浜東北線・武蔵野線南浦和駅から徒歩20分

一杯のコーヒーが生みだす極上の時間『珈琲店 蘭豆』[南浦和]

ブレンドコーヒー430円はソフトとストロングの2種。手作りチーズケーキ320円をお供に。
ブレンドコーヒー430円はソフトとストロングの2種。手作りチーズケーキ320円をお供に。

昭和56年に開業。かつてコーヒーの表記が「和蘭豆」であったことが店名の由来で、そのこだわりは相当なもの。レギュラーで仕入れる豆の他、「カップオブエクセレンス」というコーヒーの品評会で高評価だった豆を提供。サイフォンを使い、香り高い一杯に仕上げている。カップには大倉陶園やノリタケ食器のものを使い、カップを口につけた時の感触や香りの鼻腔への流れ方など、コーヒーの風味を堪能できるように選び抜かれている。

店長が丁寧にコーヒーを淹れる姿が安心感を醸し出す。
店長が丁寧にコーヒーを淹れる姿が安心感を醸し出す。
開業以来、店の構えから装飾まで何も変わらない。
開業以来、店の構えから装飾まで何も変わらない。

『珈琲店 蘭豆』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市南区南浦和2-27-14/営業時間:8:30〜21:00(日・祝は〜19:00)/定休日:木(12月31日〜1月2日)/アクセス:JR京浜東北線南浦和駅から徒歩3分

構成=アクトデザインラボ株式会社 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、上原 純(Office Ti+)、木谷誠(Office Ti+) 撮影=木村心保、高野尚人、オカダタカオ、本野克佳