装飾控えめ、楽器としてのギターを追求。『MOGUT』[久須美]
「昔から彫金や革細工などもの作り自体が大好きで」という赤城昌孝さん。少年誌でギター制作の専門学校の広告を見、面白そうだと思い、この道に。工房ではガットギターを主に制作し、ネックの太さなど弾き手の細やかな要望に応えられるのは個人工房ならでは。ハナレグミや小池龍平、飯能の女性シンガー・ミレイさんなどプロの愛用者も多い。「音の太さを感じさせるギター作りを目指していきたいですね」。
『MOGUT』店舗詳細
木造の町工場がクリエイティブ発信基地に。『AKAI Factory』[飯能]
2016年、半導体を作っていた築70年の工場がシェア工房に生まれ変わった。「大量生産とは真逆の、もの作りを発信する場にしたくて。飯能の作家、宮尾真さんに相談したらこの形になりました」と代表の赤井恒平さん。現在8組の作家が入居しており、床や洗面台など作家が自由に改装を続け、工場内はどんどんいい雰囲気に。「入居作家の年代、ジャンルが違うぶん、雑談の中で作品のアイデアをもらえることも多いよね」(宮尾さん)。
『AKAI Factory』店舗詳細
鉄に愛されし男の気合の一打。『江州屋』[飯能]
江州屋で扱う鍛鉄(たんてつ)作品は、飯能郊外の牛小屋を工房に改装した鍛鉄作家、加成幸男さんの手によるもの。「溶接はなるべく使わず、叩いたり割いたり、リベット留めしたりで作るのがこだわり。鍛鉄のことをロートアイアンと呼ぶんだけど、仕事された鉄という意味だからね」。一個の鉄塊がマッチョな肉体によって叩かれ、花びらとなりバラとなる工程を見ると、ほれぼれしてしまう。「自分でいうのもなんだけど、鍛鉄が似合う風体でしょ?」 。
『江州屋』店舗詳細
椅子も作れちゃう!西川材のキットでDIY。『きまま工房 木楽里』[東吾野]
代々、飯能の地で林業を営んできた井上淳治さんの工房。15分もあればできる箸作り体験から、椅子や棚のような本格的な家具まで、西川材を用いてDIYできる。スタッフによる技術サポートもあり、子どもでも気軽に作る喜びと西川材のよさを味わえる。森林ツアーにも注目。森のエキスパートである井上さんから、西川材ができるまでの工程や森の生態系などについての貴重な話を聞くことができる。11月の伐採シーズンは「伐採ライブ」なる見学ツアーも開催。
『きまま工房 木楽里』店舗詳細
カナディアンならぬ、ナグリアンカヌー!『名栗カヌー工房』[飯能]
名栗湖畔に立つこちらの工房では、キットを使って自分だけのカヌーを作ることができる。カヌーの材料は、近隣の森の手入れをした際に出た使い道のない間伐材。「木のカヌーのよさは、木目の美しさと軽さ。乗ってみますか?」とは、代表の山田直行さん。ウッドカヌーはパドルを少し動かしただけですーっと音もなく進み、まるで水面に浮く木の葉のように自然と一体になる感覚を味わえる。ワカサギ釣りや、愛犬と一緒に体験も。
『名栗カヌー工房』店舗詳細
ナチュラル派の心をつかむ空間。『雑貨&カフェ kinoca』[東吾野]
西川材をふんだんに使った空間は、誰もが自然にリラックスしてしまう心地よさ。木の繊維で作ったバッグやヒノキの葉を自社で蒸留した精油やアロマウォーターなど、自然派西川材グッズも豊富に揃い、買い物も楽しい。「西川材をPRする場所がなかったから、自分たちで作ったんです」という若手林業家の萩原信一さんと奥様の栄理さん。食器やカトラリーなども販売中。
『雑貨&カフェ kinoca』店舗詳細
取材・文=鈴木健太、鈴木さや香 撮影=オカダタカオ、高野尚人