焼き鳥屋が昼にはつけ麺店に変身!
お店は、焼鳥『つたや』の昼を間借りして営業しているため、うっかり見逃してしまう。
店主の牛久徹也さんは、実は以前、別の場所にあった広島つけめんの店へお客として通っていて、その味に惚れ込み手伝うようになったのだとか。その店は閉店し、牛久さん自らあらためて2019年8月にオープンした。「オーナーが営業していたころ、この店の広島つけめん美味しさにすっかりハマってしまいました。出店にあたっては、焼き鳥屋のご主人から声をかけていただいて、昼営業をすることにしました。開業してからは、スープも麺も自分なりに研究し、新たに作りだした味です」と牛久さん。
牛久さんを魅了した広島つけめんとは、一体どのようなものなのか、ますます気になる。
麺以外はすべて手作りを徹底
焼き鳥屋ということもあり、厨房の広さに限りがあるため、一部は仕込んだものを持ってきている。
「基本となるスープは昆布出汁なんですけれど、水出してじっくりと旨みを抽出しています。ですので、雑味がなく上品な味に仕上がり、2種類の唐辛子のタレとの相性もいいのです」と牛久さん。
2種類ある唐辛子タレも自家製で、それぞれ5種類の香辛料を組み合わせたものだ。トッピングには豚バラのチャーシューや蒸し鶏、納豆や山芋、茹でキャベツやオニオンスライスなどたっぷり野菜と一緒に味わうのも特徴だ。
「野菜もしっかりとれますし、辛味はありますがあっさりとしたつけ汁なので、ダイエット中や糖質制限中のお客様に評判です」と話す。
爽やかな旨辛さがクセになる、広島つけめんのおいしさに感動!
茹でキャベツやもやし、オニオンスライス、白髪ねぎ、カットレモンは基本のトッピングとなっていて、オーダーシートで苦手な食材があった場合に知らせるようになっている。
今回は蒸し鶏をさらにトッピングに加えた。野菜を崩しつつ、麺をとってみると細ストレート麺が姿を現した。真っ赤なつけ汁と絡めて味わってみると、ビリっとした刺激がかなりあるが、昆布出汁の旨みなのか、旨辛い!
乾麺で150g、茹であがりで約300gあるというが、ツルっとのど越しもよいからあっという間に食べられてしまう。
注文した辛さは中辛なのだが、かなり刺激を感じる。辛いのが苦手な人には、小辛がちょうどよいかもしれない。やや酸味も感じられ、白ごまの風味が少し刺激をやわらげてくれる。
食べれば食べるほど辛さが支配していくので、ここはトッピングの野菜を入れて味をやわらげたいところ。
蒸し鶏や茹でキャベツ、白髪ネギなどをたっぷりとつけ汁へ投入し、麺を一緒に絡めて味わってみると、キャベツの甘みや蒸し鶏が辛さをやわらげて、野菜の歯ごたえがたまらない。
最後はカットレモンを絞って味わってみると、さっぱり!カウンターにある酢や醤油ダシなどを加えれば、さらに酸味やコクが増すから、辛さも気にならない。
冬季限定メニューにも注目を
牛久さんは「体にいいものをおいしく味わっていただきたいと思っています。ですので、自家製にこだわっているんです。オーダーシートでカスタマイズできますでの、自分好みの味を楽しんでいただきたいですね」と話す。
冬になると限定のつけめん900円も登場する。鶏ガラやモミジなどを使った鶏白湯スープで、濃厚でややとろみがあるものだ。まったく異なる味だが、広島つけめんでこのおいしさなら、期待も大きい。ぜひ、期間限定も味わってみたい。
取材・文・撮影=千葉香苗 構成=アド・グリーン