出合ったことのない可愛さとフレーバーのいちご団子

10種類もの団子が並ぶショーケース。どの団子にもいちごがのり、まるでショートケーキを選ぶ気分だ。
10種類もの団子が並ぶショーケース。どの団子にもいちごがのり、まるでショートケーキを選ぶ気分だ。

開店9時前から並ぶお客さんのお目当ては、店頭のショーケースに並ぶたくさんの種類のカラフルな団子たち。どれもまるで魔法をかけられたかのようにいちごとあんで可愛くトッピングされ、見ているだけで心がときめく。今まで地味だった女の子を周りが総力をあげて変身させちゃったかのような……?団子ってここまで進化するんですね。

値段はすべて300円と分かりやすい上、「スイートポテトミックス」「いちご抹茶」「キャラメルミルクほうじ茶」など他ではお目にかからないようなフレーバーばかり。どれにしようか悩む時間も楽しみのひとつということだろう。

店頭のいちご模様ののれんもこころに刺さる。
店頭のいちご模様ののれんもこころに刺さる。

店長の山田さんが教えてくれた。「初めは4〜5種類だけでしたが、いつの間にか増えましたね。全部で10種類あるうちの1種類は日替わりなので、その日の作り手が気分に合わせて作っています」。そんな遊びゴコロがあるのも素敵だ。

筆者もさっそくいただくことにした。ケーキ屋さんにいるような気分でショーケースから選んだのはいちご紅白団子300円。

いちご紅白団子。キラキラのアラザンまであしらわれているのが女子的にポイント高し!
いちご紅白団子。キラキラのアラザンまであしらわれているのが女子的にポイント高し!

折りしも取材に伺ったのは年末で、これからちょうど新年を迎えようというタイミングであった。これは紅白で縁起を担いでおかないとね。見た目の可愛らしさはもちろんのこと、トッピングのいちごあんとミルクあんのやさしい甘さのハーモニーがこれまでのトラディショナルな団子のイメージを覆す。

さてこちらはいちご四色団子300円だ。

いちご四色団子。どのあんが何のフレーバーかは食べてみてのお楽しみ。
いちご四色団子。どのあんが何のフレーバーかは食べてみてのお楽しみ。

カラフルな4種類のあんはどれも違ったフレーバー。あんは全部で9種類あるそうで「キャラメルあん」「ほうじ茶あん」など、どれもここでしか味わえないオリジナルなのだ。

ちなみに四色だんごのうちのひとつは「マンゴーあん」。今まで食べたことも聞いたこともない。一口かじってみると、これがしっかりマンゴー味なのだ。何味なのか考えながら食べると、よりいっそう気持ちも盛り上がってオススメです。

インスタ発信で全国からお客さんが来店

キャラメルミルクほうじ茶とは気になるお味。
キャラメルミルクほうじ茶とは気になるお味。

『浅草そらつき』はもともと2018年にオープンした「いちごドラ焼き専門店」である。『そらつき』は本店である『築地そらつき』のほか、浅草と鎌倉に店を展開している。それぞれが何かに特化した店で『浅草そらつき』は「いちごドラ焼き専門店」というわけだ。

新型コロナウィルスの拡大で客足が落ちたのを機に、『浅草そらつき』のメイン商品をもうひとつつくろうと生まれたのが「いちご団子」だ。片手で気軽に食べられる上、浅草で団子を扱っている店が案外少ないのがその理由だ。

「毎日インスタグラムにあげていたら、いつの間にか口コミで話題になりました。地方からのお客さんもインスタ経由で来てくれる人が多いですね」と山田さん。全国から人が集まる観光地・浅草という立地だからこその強みかもしれない。インスタ恐るべし!

いちごドラ焼きはパッケージも可愛い。
いちごドラ焼きはパッケージも可愛い。

ちなみに今ではいちご団子がすっかり有名になってしまったが、店頭のショーケースには4種類のいちごドラ焼きも一緒に並んでいるので、ぜひそちらもチェックしてほしい。いちごドラ焼きというからには、もちろんどこかにいちごが入っているわけです。しかも丸ごと。思いっきりかぶりついちゃってください。

いちごドラ焼きあんバター500円。見てください、この分厚いバター。この際カロリーは気にせずに。
いちごドラ焼きあんバター500円。見てください、この分厚いバター。この際カロリーは気にせずに。

300円の団子に込めた想いとは

ひとつずつ手作業でトッピングされた団子はまるで芸術品。
ひとつずつ手作業でトッピングされた団子はまるで芸術品。

店頭に並ぶ団子は、どれも食べるのがもったいくらいの可愛いさだ。山田さんをはじめとするスタッフにとって、いちご団子を作るのはとても繊細で気をつかう作業。でもお客さんの喜ぶ顔を見るため、一つ一つ丁寧に仕上げてゆく。

お話を聞かせてくれた店長の山田さん。
お話を聞かせてくれた店長の山田さん。

「わざわざ遠くから買いに来て、おいしいと食べてくれるのは本当にありがたいです」と山田さん。「1本300円という値段ですが、それを食べてどう感じるかは人それぞれ。たかが300円、されど300円です。だからこそ『おいしかった』だけで終わらず、旅のいい思い出として皆さんの心に残ってくれたら嬉しい。そして『また行きたい!』と思ってほかの人にも薦めてもらえるような店でありたいですね」

住所:東京都台東区浅草 1-36-4/営業時間:9:00~18:00/定休日:無/アクセス:地下鉄銀座線浅草駅から徒歩5分

構成=フリート 取材・文・撮影=千葉深雪