国分寺の「木村亭」で豚骨ラーメン。
ずいぶんと前に此処のラーメンが国分寺で一番おいしいと教えて貰ってからずっと気になっていたところ。
国分寺駅北口の西友の横の路地を進むマンションの1階の代々ラーメン屋さんだったところに居抜きで2014年にオープンした豚骨ラーメンの「木村亭」。
当初は昼もやっていたようだけれど、知った頃は夜しか営業していなくなかなかタイミングが合わず今日。
はじめて見る灯りの付く店舗に少し小躍りして店に向かう。よく見たら豚のイラストに包まれて木村亭の看板。
店内の様子が良く見える4枚の並ぶガラスの入るサッシに掛かる朱の暖簾。先客は無し。暖簾をくぐり引き戸を開けてこんにちは。
厨房を囲うカウンター席のみの座る場所とサッシの間がとても狭いお店。券売機で豚骨ラーメン(650円)をポチとして席に着く。
やさしい笑顔の物腰の柔らかな店主に迎えられ、「こなおとし」「はりがね」「ばりかた」「かため」「ふつう」「やわらかめ」の選べる麺の硬さは「ふつう」でとお願いする。
飾り気のない武骨な店内で静かに進む調理。遠くで流れるテレビを眺めぼんやりと待つ。少しして「お熱いので」の言葉と共に豚骨ラーメン。
黒の丼に泡が立つ白濁した汁に沈む細い麺。細切りのキクラゲと緑の輪切の葱に海苔とチャーシューがのる博多の麺顔。おいしそう。
いただきますとスープを啜ると想像とは違うとろみのある獣。ざらざらとした舌触りを感じるしっかりと炊きこんだなどっしりとした豚骨。
感じるのは博多より久留米なほう。おいしい。唇に残るべとつきがしあわせ。やばいレンゲが止まらない。
ダメダメとレンゲを置き、啜る麺は「ふつう」ながらまだ少し硬さの残るぱつんと歯切れの良い小麦を感じる博多から仕入れると云うこってりの汁を吸い喉を滑る麺。
テーブルにあるタレを掛けると引き締まり増す旨み。胡麻をふり紅生姜と辛いので気を付けてと念を押される辛し高菜を遠慮がちに添えて頬張る久留米。うん、おいしい。
これで終うつもりがつい「替玉半分ふつうでくださいー」とお願いしてしまう。ほぼ残りのない汁に麺を放り少しぐりと混ぜ汁をまぶし啜る。
とてもきちんとした福岡なラーメン。屋台のようにここで飲んで締めにラーメンを夢見る。次は「やわらかめ」な麺を食べて見たい。
物腰の柔らかな店主に心地よく丁寧に見送られ店を出る。ごちそうさまでした。