小平の「ラーメン二郎一橋学園店」で麺半分。
ここのところサブリミナル効果のようにあちこちから耳目に触れてくるラーメン二郎。ふつふつと心に沸く二郎な気分。
涼しくなったし、いくらでも並んでやると覚悟を決め、明日の秋分の日は8月にオープンした一橋に行くと決める木曜日。
二郎の中でも麺も野菜も量が多いという神保町の出という店主。小で350g、少なめで300gと噂の麺の量。無理せず麺半分(175g)で挑むとする「ラーメン二郎 一橋学園店」。
朝起きてツイッターの「本日営業致します」を確認し、歯を磨き身支度をして、スペースマウンテンの列に並ぶ気分でチャリを走らせ向かう学園西町。
西部多摩湖線の線路沿いの通りから一橋学園駅前で路地に入るその先の3階建てのアパートの1階に大きく張り出す黄色いテント。
赤字で「ラーメン」、黒字で「二郎」、その横に「一橋学園店」。あの二郎が小平にやって来たと上がるテンション。ようこそ小平。
開店前の10時11分の到着で店舗横の砂利敷きの駐車場の並びは数えたら12人。店内はたしか12席。あそこでサボらなければと少し後悔の13番目。その後もポツポツと勇み訪れる方々で伸びる列。
厨房から漏れる仕込みの物音を耳にしながらほぼ全員ただスマホを眺め潰す静かな時間。二郎の薫りがふわりと流れてお腹が鳴るころ、11時開店を少し早めて10時43分に開店してくれるうれしい店主の気遣い。
動き出す人波。いよいよ店内と待つ扉の向こうに真新しい赤いカウンター。どうぞと声を掛けられて、いらっしゃいませと柔らかな物腰の大柄な店主に迎えられる。
対峙するラーメンオンリーの「小」と「小豚」と「大」と「大豚」のプラカードが並ぶ券売機で「小」を買い、座る12名を羨ましく見つめながら、店内の並びのポールポジションにつく。
見晴らし良く眺める厨房で手際よく暴れる麺を上げる店主。あうんで助手さんが「ニンニクは」と問い、オーダーを聞き、それぞれのラーメンを提供する1ロットめの6人。
一時穏やかに一息つき、再び動く店主と助手。肉を切り、野菜を茹で取り掛かる2ロットめ。麵箱から麺を鍋に放り、かえしとスープで汁を作り、寸胴を長い棒でぐりぐりする。
すこしして手際良く暴れる麺を上げ、あうんで助手さんが「ニンニクは」と問い、オーダーを聞き、それぞれのラーメンが提供される2ロットめの6人。
「はい硬めでーす」と響く店主の声が心地よい。なんとなくおおらかな厨房。その奥に製麺機が鎮座する製麺所を見つける。
席が空き、どうぞと招かれ、水を汲みレンゲを取り高台に麺半分でと伝えプラカードを置いて席に着く。テーブルにはかえしの醤油と唐辛子と胡椒。
5分ほどして助手さんから「ニンニクは」と聞かれ、「無しで」と答え届くラーメン。高台からゆっくりと下ろすと麺半分のはずなのにこんもりのヤサイの山から麺が覗く二郎顔。そそるダイナマイトセクシー。
レンゲをつかみいただきますと啜る汁は豚のエキスが染み出るプカプカと脂の塊が浮く角々しい醤油ながらどことなく円やかで口当たりの良い非乳化と呼ばれる汁。あ、おいし。しばらくレンゲ。喉に沁みるしっかりと熱いのも良い感じ。
一息ついて、程よくしんなりシャキのモヤシとキャベツをつまみ頬張りながら、ぐりっと天地を返し麺を出し、あらわれる汁を吸い少し茶に染まる平打ちの太い麺をぐいと持ち上げ、わしっと啜る。
二郎にしてはすこし細めで食べやすいもっちりデロンとしたエロい麺。噛みしめ頬張り啜るオーション。うん、おいしい。麺半分で丁度良かったと味わい楽しむ時間。
も、立ちはだかる脂みを纏うファイティングポーズで挑む豚。2枚というより2つのブロック。
プルンプルンの脂身とみっちりと身が詰まる赤身。むしゃとかぶり付きやっつけるほんのり塩けが沁みる豚の塊。
豚、ヤサイ。豚、麺。豚、汁。と一緒に食べるととてもおいしいのだけれどもう少し薄いのプリーズと心で求む。
おいしいから始まるのに最後はなんとか闘い平らげられたに安堵するいつもの二郎のルーチン。ここは麺半分、ヤサイ少な目、豚一枚で丁度いいかなと思う50オーバー。
入れ替わりで店に入る旦那さんに連れられた奥さんと中3ぐらいの息子にエールを送る。たぶんとても雰囲気の良い穏やかな店主と助手さんだったのではじめての二郎を楽しめるはず。
ごちそうさま。