日本ジャズ地図

ガラパゴス的かどうかは別として、日本にしかない音楽聴取を目的とした喫茶空間「ジャズ喫茶」。その厳選69軒を取材・紹介した『日本ジャズ地図』が小社から発刊されました。発刊記念として、短期集中連載をお届けします。

最新記事

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【日本ジャズ地図No.10/木馬】初代店主のような大らかなグルーヴ渦巻く、南国土佐の名店
中央分離帯に高く連なるシュロ並木を目にしながら、繁華街の路地を分け入ると、昭和の風情を漂わす赤いネオン看板。創業は1963年、初代店主の故・宇賀土佐男さんが役所を辞めて始めた店は、いまではすっかり高知の音楽好きには「なくてはならない場所になりました」と現店主の吉川里香さんが語る。

この連載の記事一覧

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【日本ジャズ地図No.1/イワシの目】紀州のマンハッタンで、潮風まみれの半屋外グルーヴに酔う
陽光と雨が豊かな植生を育む南紀。熊野灘に注ぐ古座川河口の町に2017年に開店した『イワシの目』は早くもヒップなジャズ好きが集う店となった。
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【日本ジャズ地図No.2/FIVE PENNIES】夕張の赤い煙突屋根の下、好きな事に徹して豊かな日常を送るマスターがいる
夕張唯一のジャズ喫茶の店主は、元夕張市役所職員の大崎雅志さん。ジャズとの出会いは、仙台の大学時代だ。カウント・ベイシー楽団を生で聴き、「その迫力に圧倒され、心地よく自然と体が同調する」瞬間を知って以来、ライブ通いとジャズ喫茶通いの日々。郷里・夕張に戻り、役所に勤めながらもそれは続き、札幌まで週2、3回は通ったほど。
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【日本ジャズ地図No.3/開運橋のジョニー】穐吉敏子に魅せられて45年の主が営む、和ジャズ専科のジャズ喫茶
日本のジャズ・レコードをかける専門店として全国的に有名なジャズ喫茶。店主・照井顯さんは1975年から陸前高田で「ジョニー」という名前で開店し、2001年より、盛岡の開運橋に店を構え直した。高校時代から当時陸前高田にあった金繁レコード店でジャズ・レコードに親しみ、67~74年まで市民会館を借りてレコード・コンサートを繰り広げたことが開店につながった。
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【日本ジャズ地図No.4/GOOD BAIT】圧倒的なレコード数! カフカの世界を思わせる、生粋の知立ジャズ空間
愛知県南部にあるクワガタの鋏を連想させる2つの半島。一方が知多半島で、その根元から少し内陸に位置するのが知立市だ。1974年から営業し、おそらく全国最多のレコードをもつこの店。マスターの神谷年幸さんが23歳で始めた頃は700枚だったのが、現在は4万枚。譲り受けたレコードも合わせるとさらに増えるそう。
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【日本ジャズ地図No.5/DEAR LORD】「ジャズ喫茶」を愛して止まない大阪の主婦が営む音空間
大阪市鶴見区にあるJR放出駅からすぐ、雑居ビル4階でアットホームなジャズ喫茶を営むのは、主婦然として優しげな酒井久代さん。無頼のジャズ喫茶好きという酒井さんが、ご主人から「やめとけ」と言われても実現させた念願の店だ。
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【日本ジャズ地図No.6/OCTET】男が男に惚れる! 一人のジャズマンを愛した主の温もり
山形駅前のメインストリートからすぐの好立地の店。創業は1971年。「表通りにあった十字屋山形店と同じ年だけど、あちらは去年閉業しちゃった」と歳月を振り返るマスター相澤榮さん。店名は「設計者とか保証人になってくれた友達とか、当時の仲間が8人だったから」と笑みをこぼしながら教えてくれた。
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【日本ジャズ地図No.7/Paragon】40年以上続く、サステナブルなジャズ空間
鹿児島県の西部、東シナ海の大海原に面した串木野で1976年に創業。電子工学専攻の大学時代、アンプへの興味からジャズに惹かれていったという店主の須納瀬(すのせ)和久さん。
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【日本ジャズ地図No.8/EONTA】列島のへそ・松本で、現在形のジャズに全身で浴する
黒々とそびえる勇ましき松本城の下、漆黒のファサードに白字のタイポグラフィーで店名を告げる名ジャズ喫茶。1974年、マスターの小林和樹さんが「ジャズが聴ける店を松本に」と、細々と始めた店だが、78年から90年代まで、ジャズ喫茶経営の傍ら、多くの海外ミュージシャンを松本に招聘してコンサートを実現。松本を東京に引けを取らない世界のジャズメンが訪れる街に押し上げた存在である。
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【日本ジャズ地図No.9/どじはうす】いい音は建物造りから。究極のコンクリートホーンが鎮座する土蔵造りの店舗
カーレースで有名な鈴鹿で創業40余年となる老舗。樹齢800年といわれる地蔵松が背後にある見事な土蔵造りの館は、その音響の良さで全国にも知られる。古民家風の白い漆喰壁に、米松梁の吹抜け高天井。中央には2m×1mの大きなコンクリートホーンの開口部が堂々と構える。主人はバイタリティ溢れる小澤幸子さんだ。
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【日本ジャズ地図No.10/木馬】初代店主のような大らかなグルーヴ渦巻く、南国土佐の名店
中央分離帯に高く連なるシュロ並木を目にしながら、繁華街の路地を分け入ると、昭和の風情を漂わす赤いネオン看板。創業は1963年、初代店主の故・宇賀土佐男さんが役所を辞めて始めた店は、いまではすっかり高知の音楽好きには「なくてはならない場所になりました」と現店主の吉川里香さんが語る。
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