こだわりの自家製麺と鶏白湯豚骨魚介系スープ『麺屋 利八』
JR川崎駅東口から徒歩10分、国道15号沿いにある『麺屋 利八』は、自家製麺にこだわったラーメン店。麺は店主が毎日製麺し、1日寝かせて旨味を引き出す。
人気の特らぁめんは、基本のらぁめんにトッピングを豪華に追加したメニュー。丸鶏、鶏ガラ、もみじを使い、煮干し、げんこつを合わせて作る鶏白湯スープは、魚介系の風味と同時に甘みとまろやかさを感じる深みのある味だ。麺はもちもち食感と歯応えが絶妙のバランスで、小麦の旨味を感じることができる。
国産三元豚を店内で吊し焼きした自家製チャーシューは提供する直前にバーナーで炙る。旨味が強い那須御養卵を使った味玉、塩抜きに一週間かけた極太メンマと、トッピングにもこだわりが満載だ。麺、スープ、トッピングがそれぞれの味を引き立てている。
サイドメニューのジンジャーごはんは、ラーメンスープで炊き込んだごはんとジンジャーの辛味と香りが相性抜群。きざみネギの刺激と肉そぼろの旨味とのバランスもよく、ラーメンと一緒にぱくぱくといただける。
『自家製麺 麺屋 利八』店舗詳細
『鶏そば 一文』でつけ麺を。濃厚昆布水に浮かぶ麺と鶏のつけ汁の対比を楽しめ!
JR川崎駅東口を出てアーケードから仲見世通りへ。徒歩7分ほどで『鶏そば 一文』にたどりく。
メニューは醤油、塩、つけ麺、混ぜそばの4つ。券売機の説明に「濃厚昆布水で鶏だしの一歩先へ……」と書いてあるつけ麺は、4種の昆布を水につけて濃厚な昆布だしをとり、それを麺に絡めて提供する。大山鶏と鴨を贅沢に使ったスープに醤油と甘酢、2種のかえしを合わせたつけ汁は、赤玉ねぎと九条ネギがいい香り。
「まずは麺だけを食べてほしいと」店主。昆布水に浸かった麺に炭塩とわさびをつけて食べると、爽やかな磯&わさびの香り、まろやかな旨味とほのかな塩味がいい。つけ汁につけると、滋味深い鶏の清湯を醤油と甘酢の酸味がキリリと引き立ててまた違ったおいしさに。鶏油を合わせた香味油、麺の持つ小麦の旨味と昆布の旨味などいろんな要素が5つも6つも重なり、よりボディの太いガツンとした味わいになっている。
『鶏そば 一文』店舗詳細
『中華そば おかべ』のしょう油ラーメンはとろっと濃厚な魚介豚骨スープが美味!
JR川崎駅西口から徒歩8分ほど。ビジネスホテルの中にある川崎屈指の人気店『中華そば おかべ』は、ホテルのオーナーでもある店主が2006年にオープンした。営業時間は、平日昼時の2時間限定。極上の1杯を求め、ビジネスパーソンが連日列を成す。
実はラーメン屋で修業したことがないという店主。さまざまな店を客として訪れてはラーメンづくりのノウハウを見て学び、ラーメンを題材にしたグルメ漫画から店舗経営の知識を得て、店を盛り立ててきた。
メニューは中華そば、つけ麺、担々麺、担々つけ麺の4種類。今回いただいた名物の中華そばは、ほどよく濃厚な魚介豚骨のしょう油ラーメン。とろっとしたスープは油やや多めで鰹節のパンチが効いており、豚骨の風味はまろやかで味わい深い。濃厚なのに食べ飽きることがなく、最後の1滴までたまらなく旨い。おなかに余裕がある人は締めに半ライスを注文して、スープぶっかけ丼をぜひ召し上がれ。
『中華そば おかべ』店舗詳細
『らーめん勇』の醤油とんこつ。2cmの分厚いチャーシューに食らいつけ
『らーめん勇』はJR川崎駅東口から徒歩10分、繁華街から少し外れた場所にある。店主は学生時代に『らーめん せたが屋』のつけ麺の味に感銘を受けアルバイトとして入店し、卒業後は社員に。最後は本店の店長まで上り詰めた人物だ。『せたが屋』の前島社長を尊敬し、その教えに倣って独立した今でも真心を込めてスープを作っている。
メニューは醤油らーめん、醤油とんこつ、汁なしの3本柱で展開し、なかでも一番人気は醤油とんこつだ。鶏と豚で取るスープは完成までに丸1日以上。分厚い豚バラチャーシューは実に3日もかかる。厚さは1.5~2cmもあるボリュームで、提供直前に表面を炭で炙りパリッとした食感と香りをつけている。チャーシューを目指してやってくるファンもいるというのも納得だ。
プリンプリンの歯応え十分な中太麺は旨味たっぷりで、後味はあっさりとしたスープがよく合う。丼と別に刻みニンニクが小皿で提供され、好みの量を入れられるようにしてくれている心遣いもうれしいところだ。
『らーめん勇』店舗詳細
川崎で家系ラーメンを食べるならここ。あの名店の姉妹店『横浜家系らーめん 雷家』
JR川崎駅から徒歩8分ほど、『横浜家系らーめん 雷家』。家系ラーメンの名店『六角家』で修業した店主が、伝統の味をしっかりと守りつつもマイルドにアレンジされたラーメンを提供する。
今回は家系ラーメンの王道、チャーシューメン+味付玉子+のりを注文。そそりたつのり、たっぷりのほうれん草、中央にはきざみネギ。麺が見えないほどのチャーシューと味付玉子。そしてスープの表面を覆い尽くすように浮かぶ鶏油。これぞ家系ラーメンだ。
しっかりとした豚骨の旨味と甘みを感じるスープ。鶏油がたっぷりと入っているが、意外と油感は少ない。塩味も控えめでマイルド。酒井製麺の中太ストレート麺は適度なもちもち食感で、スープの絡み具合も抜群だ。タレにしっかりと漬け込んだ自家製チャーシューにスープの旨味と鶏油が染み込んで、さらにおいしさが引き立てられている。
サイドメニューで人気なのがキャベチャ。ビールのお供にぴったりな一皿だ。
『横浜家系らーめん 雷家』店舗詳細
『中華料理 天龍』のお野菜モリモリ“天下一いずま”なタンメン
JR川崎駅を出て、東口のにぎやかなアーケードを歩くこと徒歩5分。銀座街の角にある『中華料理 天龍』は、のれんに書かれた“天下一いずま”で知られた名店だ。初代店主がつけたキャッチフレーズは登録商標を取得。「マズイの逆で“うまい”ってシャレですよね」と3代目は笑う。
タンメンは創業以来の看板メニュー。スープはトリガラ、とんこつ、野菜などを煮込んだ清湯。見た目通りの澄んだ味だ。鶏や豚、野菜の旨味もありながら、それらを引き立て合うやさしい塩味。その奥に感じるまろやかさ。
野菜はシャッキシャキで旨味が最大限に引き出されている。たっぷり盛られていて、なかなか麺にたどりつかない。野菜の山から麺を探りあてる。『竹島製麺』の中太平麺は、あっさりとした麺でスープや具材ともよく合う。同じく創業以来変わらぬ味の餃子はその日提供する分を餡から手作りするのがこだわり。川崎名物・餃子みそと相性抜群だ。
『中華料理 天龍』店舗詳細
決め手は鶏スープと和風出汁のバランス! 『まがり鶏』の特製醬油そば
JR川崎駅東口から10分ほどの場所にある穴場的なラーメン&バー『まがり鶏』。おしゃれなカフェのようなスタイリッシュな空間で、鶏ベースのスープと和風スープを合わせた淡麗ラーメンが味わえる。
特製醬油そばのスープは、ブランド鶏・京紅地鶏のスープと、アサリ、シジミ、煮干し、昆布などの和風スープを別々で炊き、提供する直前に合わせたもの。鶏やアサリなどの素材は、同じ量でも気温や湿度、個体差によって味が変わるため、毎日バランスを変えている。
京紅地鶏、貝、煮干し、昆布などの旨味と、醤油ダレの香ばしさが調和したスープは、あっさりとした口当たり。鶏スープと和風スープ、かえしが織り成す奥行きを堪能できる。このスープが、『三河屋製麵』の全粒粉入りストレート細麺にほどよく絡む。
トッピングのチャーシューは、鶏胸肉と豚ロース、豚肩ロースの3種類。鶏チャーシューのしっとり感と香ばしさに驚かされるはず。スープは飲み切らず、和え玉を追加して味の変化を楽しむのがおすすめ。
『まがり鶏』店舗詳細
『RAMENとりが』の鶏濃めん塩Richは、味変が楽しい洋風鶏白湯ラーメン
京急川崎駅から徒歩10分ちょっと。堀之内町の歓楽街を抜けた国道沿いにあるラーメン店『RAMENとりが』のテーマは、洋風の鶏白湯だ。
人気メニュー・鶏濃めん塩Richのスープは、丸鶏、モミジ、香味野菜を10時間以上かけて煮詰めたもの。これに塩ダレと鶏油を加えて仕上げる。とろみのあるスープをひと口すすると、鶏や香味野菜の重厚な旨味とまろやかな甘みが口の中を満たし、塩ダレがスッキリした後味にまとめていく。
菅野製麺所の中太ストレート麺は、小麦粉の香りが豊かで歯切れのいい低加水麺。低温調理された鶏&豚肉チャーシューとの相性も抜群だ。中央に盛られたサラダには、下処理したレタスやタマネギなどを使用。シャクシャク、ザクザクといった心地よい食感が楽しめる。
食べ進めながら、豆乳とレモンのエスプーマをスープに溶かしていけば、徐々に柑橘系の香りが加わって飽きがこない味わいに。また、味付き替玉を追加すると、スープの味がガラリと変わる。
『RAMENとりが』店舗詳細
見出し濃厚豚骨ラーメンからあっさり中華そばまで。『breath food』は麺類のオンパレード!
JR川崎駅の東口から徒歩15分ほどの住宅地に店を構える『breath food』は、おしゃれなたたずまいのラーメン店だ。
看板メニューの黒ラーメン・赤ラーメンは、パンチの効いた濃厚豚骨ラーメン。焦がしニンニク油をプラスした黒ラーメンは、芳醇でやみつきになることまちがいなし! 赤ラーメンはマイルドながらもピリリと辛味が効いていて、スープの旨味がしっかり感じられる。
懐かし中華そばやタンメン、3種類の油そばなど麺類が目白押し。さらに、タンタン麺や五目カタヤキソバ、季節のおすすめ麺類もイロイロあって、客を飽きさせることがない。味のバリエーションもさることながら、ボリューム満点で食べ応えがあり評判を呼んでいる。
一見するとラーメン屋とは思えぬ外観&カフェのような雰囲気の店内なので女性も入りやすく、親しみのある丁寧な接客と居心地のよさもポイントが高い。何度でも足を運びたくなる店だ。
『breath food』店舗詳細
華やかな香りの自家製ラー油が味の決め手『麻婆まぜそば 麻ぜろう』
JR川崎駅から徒歩8分『麻婆まぜそば 麻ぜろう』。麻婆まぜそば・担々麺・塩そばの3本柱で展開するラーメン店だ。
かつて本格的な中華料理店を営んでいた店主が、人気メニューだった麻婆豆腐を「お客さんがもっと気軽に食べられるように」と台湾まぜそばをヒントにアレンジ。旨辛テイストの麻婆まぜそばが誕生した。
艶やかな麻婆豆腐を麺の上にとろ~りとかけて、鶏もも肉の蒸し鶏とチャーシューなどを全部よーく混ぜて麻婆と麺をなじませて食べると、マイルドでフワンと香る中国スパイスたちが鼻に抜けていく。豆腐こそ細かく砕かれて粒状になっているけど、この味は紛れもなく本格派の麻婆豆腐だ。
やや太めで短くカットされたまぜそば用の麺は、もっちりとしていて1本1本に麻婆豆腐をまとっている。麺が短いから麻婆豆腐がよく混ざるし、箸で取りやすい。最後に少しだけ残った麻婆は、無料の半ライスであますことなくいただける。
『麻婆まぜそば 麻ぜろう』店舗詳細
町中華の老舗『狸小路飯店』で神奈川県のご当地グルメ・サンマーメンを堪能
JR川崎駅から徒歩4分ほどのところにある『狸小路飯店』。店頭には“かながわサンマー麺の会”ののぼりとポスターがある。サンマーメンは横浜中華街のまかないからはじまったといわれる、神奈川県のローカルフード。ざっくり言うと、とろみのついたもやしそばだ。
サンマーメンはお店ごとにこだわりがあるという。『狸小路飯店』のサンマーメンは豚挽き肉、ニンニク、ショウガ、豆板醤、さくら味噌(甘みのある味噌)を毎日あおって仕込む肉だねが味のベースだ。
テーブルに運ばれてきたサンマーメンは立ちのぼる湯気とたっぷりの野菜に覆われ、麺の姿はほとんど見えない。もやしのほかに、ニンジン、ニラ、キクラゲなどの具材がモリモリ。なかなか麺までたどりつけない。どんぶりの下のほうを箸で探って麺を持ち上げると、またぶわっと湯気が立つ。あんかけの保温効果ってすごい。
スープが絡みまくった麺はずっしりと重く、すするとズゾゾゾゾーっと音をたてる。スープを飲み干すと、体が芯からポカポカになる。
『狸小路飯店』店舗詳細
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、羽牟克郎、コバヤシヒロミ、上原純