80年以上続く町中華『中華 成喜』で早い、ウマイ、安い日替わり定食
JR川崎駅から徒歩4分、「ラ チッタデッラ」のすぐ近くにある中華料理店『中華 成喜』。創業した昭和12年(1937)当初は割烹だったが、戦後に店の一角で餃子を売り出したのをきっかけに少しずつ中華メニューが増えていき、今では地元に愛される中華料理店として君臨している。
川崎で餃子を提供した最古の店である『成喜』では今も昔ながらの作り方で餃子を提供する。酢醤油で食べるのもよいが、ぜひ同店が発起人となり近隣の中華料理店とともに開発した「かわさき餃子みそ」をつけて食べてみよう。餃子から出てくる豚とキャベツのスープがコクと辛味のある酢味噌のようなたれと混ざり合ってご飯に合う!
早い、安い、ウマイことで、昼時は行列必至。定食は隔週替わりで2種あり、木曜日に切り替わる。豚肉と野菜のカレー炒め定食は、甘い中にもピリリとスパイシーなカレーの味付けされていてご飯がすすむ。横に従える麻婆豆腐はにはひき肉たっぷりで辛さは控えめ。ご飯にデーンとかけてガシガシかき込もう。
『中華 成喜』店舗詳細
自家製ハンバーグが白米に合う!『KITCHEN ラフト』
JR川崎駅から徒歩5分、「ラ チッタデッラ」のそばにある洋食店『KITCHEN ラフト』では、ランチタイムに4種類の定食を提供。その1つ、自家製ハンバーグ おろしポン酢は、フライパンで焼き色をつけてからオーブンで丁寧に火を入れることで、ふっくら焼き上げている。ひき肉には牛、豚を混ぜており、肉の味わいを引き立てるため、素材がシンプルかつスパイス類も控えめだ。
まずは何もかけずに食べてみると、みっちりとした肉質も相まって、口の中が肉の旨味で満たされる。おろしポン酢と大葉を乗せれば、ハンバーグにやさしい酸味が加わり、さっぱりとした和風の味わいに。これがライスとの相性抜群で、とにかくご飯が進む。
定食メニューには、ライスとドリンクのほかに別皿でサラダが付いているのがうれしいところ。なかなかボリュームがあるので、ライス少なめにも対応している。また、料金はそのままでライス大盛りも可能。
『KITCHEN ラフト』店舗詳細
『イタリア料理店 モナリザン』で甘み控えめ大人味のナポリタン
JR川崎駅から徒歩6分、創業以来守り続ける自慢の料理で川崎市民から長年愛され続けている老舗『イタリア料理 モナリザン』。1階は懐かしさを感じる昭和レトロな雰囲気、2階と3階はおしゃれで現代的なレストランスペースとなっている。
ランチメニューのおすすめはナポリタン・スパゲッティ。スパゲッティは細麺で、芯に軽い歯ごたえが残る絶妙な茹で加減だ。大きめのエビやベーコン、玉ねぎは飴色に炒めてあり旨味たっぷり。マッシュルームの代わりにシイタケとシメジが使われているのも老舗ならではの味わいだ。
ソースは、ケチャップ系の甘さを控えた、いわゆる大人の味。トマトソースとトマトペーストをベースにして、ウスターソースで味に深みを加えているそう。
ランチにはミニサラダ、ドリンクバーが付く。ドリンクバーにはスープも。コーンスープやミネストローネも飲み放題なのがうれしい。
『イタリア料理 モナリザン』店舗詳細
満腹必至!『太陸』の名物・タワー硬焼きそばにチャレンジ
JR川崎駅から徒歩7分ほど、仲見世通商店街の国道側に位置する中華料理店『太陸』は、地域で60年以上愛される町中華だ。高さ約20cm、重さ1.1kgというタワー硬焼きそばが、デカ盛りメニューとして話題になっている。
ラードで揚げた麺は、パリパリの食感が心地よく、香ばしい風味も後を引く。この麺に、醬油スープと出汁を効かせた甘めの餡を絡めれば、もっちりとした弾力のある食感に変化する。モヤシやキャベツのシャキシャキ感、キクラゲのコリコリ感など、各具材に存在感があり、食べ飽きない。ちなみに重さ2kgの大盛りタワー硬焼きそばもある。
手作りの焼き餃子は、昔からの味を守りながらグレードアップしてきた一品。豚ひき肉に焼き豚の切れ端を加えてジューシーに仕上げている。またキャベツ、ネギ、ニラなど、野菜たっぷりなのもポイントだ。卓上の「かわさき餃子みそ」、お酢、自家製ラー油を7:2:1の比率でブレンドした味噌ダレに付けて食すと、箸が止まらなくなる。
『太陸』店舗詳細
ボリューム満点コスパ最強の欲張りランチ『四川料理 松の樹』
JR川崎駅から徒歩8分、本格的な中国料理をいただける『四川料理 松の樹』。
ランチメニューは麻婆豆腐のAランチ、牛バラ煮込みのBランチと、この両方がハーフサイズで堪能できて日替わり小鉢にコーンスープ、さらに点心までつくというランチスペシャルの全部で3種類。
店の看板料理とも言える麻婆豆腐は、さっと広がる四川山椒と唐辛子の辛さと香り。そして辛味の後には旨味が広がる。ご飯が進む味だ。
牛バラ煮込みは牛肉の旨味が凝縮され、味付けは濃厚なので、これまたご飯によく合う。
ランチスペシャルのせいろの中には点心が3つ。ぷりぷりのエビの海老ニラ蒸し餃子、中身がポテトサラダの揚げワンタン、粗挽き肉の食感と旨味を楽しめる焼売。「醤油などをつけずにそのままで味わってください」とのことだ。
また、ランチスペシャルにはプラス200円でハーフサイズの担々麺をつけることができるのもうれしい。
『四川料理 松の樹』店舗詳細
毎日通いたくなる! 『台湾家庭料理 茶思味』のいろいろランチ
JR川崎駅を東口方面に出て徒歩10分ほど。稲毛神社の近くに店を構える『台湾家庭料理 茶思味』。
ボリューム満点のランチは全5種類あり、一度食べたらやみつきに。毎日Xで配信されるメニューを見ると、あれもこれも食べたくなる衝動にかられる。麻婆豆腐がセットになっているお得なメニューもあって、すべて1000円以下なのはうれしい限り。日替わり2種はエビチリや回鍋肉などの定番中華からルーロー飯などのTHE台湾料理まで幅広いラインナップで、本場の味をいただけるとあって毎日通いたくなるだろう。
台湾出身のママさんオーナーの存在もまた、この店の魅力。アットホームな空間でほっとひと息つきながら、ママさんの“故郷の味”を存分に堪能できる。夜メニューは50種類以上あり、紹興酒のつまみにもってこい! ママさんお手製のできたてパイナップルケーキも必食だ。
『台湾家庭料理 茶思味』店舗詳細
“天下一いずま”な店『中華料理 天龍』の野菜たっぷりタンメン&餃子
JR川崎駅から市役所通りを5分ほど歩いた銀座街の角に、“天下一いずま”と書かれたのれんで知られる『中華料理 天龍』がある。
その日提供する分を1個ずつ手包みする餃子には、国産の豚ひき肉に自家農園の白菜やキャベツ、ニラを使用。パクッと半分かじってみると、野菜と肉のスープが染み出してくる。川崎名物・餃子みそとの相性も抜群だ。
看板メニューのタンメンにも自家農園の白菜、キャベツを使い、豚肉は国産にこだわる。スープはトリガラ、とんこつ、野菜などを煮込んだ清湯。見た目通りの澄んだ味だ。野菜はシャッキシャキで旨味が最大限に引き出されている。野菜がモリモリすぎてなかなか麺にたどり着かない。ムシャムシャと口いっぱいにほおばる幸せ。
麺類だけでなく、炒めもの、ご飯もののメニューも豊富なので、毎日行っても飽きないだろう。
『中華料理 天龍』店舗詳細
店内にスペイン語が飛び交う『アルコイリス』でペルーの家庭料理を食す
JR川崎駅前の西口から徒歩3分のところにあるペルー料理専門店『アルコイリス』。ペルーに移住した沖縄出身の店主が日本に戻って開いた店だ。現地さながらのボリュームと味でペルー人だけでなく日本人をも虜にしている。
南米にあるペルーは日本でもポピュラーなジャガイモとトマトの原産国。しかも生魚やお米もよく食べられることから案外日本との共通点が多い。
平日ランチは6品プラス日替わりが1品で、ドリンク付き。週末のランチは3品ある。
人気のロモサルタードは曜日に関係なく提供されている。牛ハラミ肉、ポテトフライ、赤玉ねぎ、トマト、わけぎを油で炒め、醤油と酢、塩コショウで味付けて完成だ。食べてみると、最初にきたのは炭火焼きのようなスモーク感。フライドポテトが旨味たっぷりの甘じょっぱく少し酸味もある汁を吸って、おいしさがグンとUPしている。初めて食べたのに母が作ったような温かみを感じる素朴な料理だ。
『アルコイリス』店舗詳細
いろんな組み合わせのセットメニューが豊富! 町中華の老舗『狸小路飯店』
JR川崎駅西口から徒歩4分ほどのところにある1971年創業の老舗『狸小路飯店』。店頭の看板には定食やセットメニューがたくさん。これだけでも1カ月ぐらいは毎日違うメニューが食べられそう。単品も含め、店のメニューは約100種類もあるんだとか。
麺ものと点心のお得なセットメニューもいろんな組み合わせができる。この日注文したのは神奈川のローカルフード・サンマーメンとギョーザ(3個)のセット。
立ち昇る湯気とたっぷりの野菜に覆われ、麺の姿はほとんど見えないサンマーメン。もやし、ニンジン、ニラ、キクラゲなどの具材がたっぷりだ。なかなか麺までたどりつけない。どんぶりの下のほうを箸で探って麺を持ち上げると、またぶわっと湯気が立ち昇る。とろみをまとった麺はいつまでも熱々だ。
創業以来変わらないレシピで毎日手作りしているギョーザは肉汁じゅわっ、野菜多めでさっぱりな味わい。これを川崎名物・かわさき餃子みそで食べるとおいしさが2倍3倍に!
『狸小路飯店』店舗詳細
素材を吟味したそばこそが真骨頂『幸町 満留賀』の鴨せいろ
JR川崎駅西口から徒歩7分。契約農家から仕入れたソバの実を石臼でひき、自家製粉して打つそば店『幸町 満留賀』がある。かつては出前中心のそば屋だったが、現在の2代目店主に代を引き継いでからは“子育ての終わったご夫婦の日常のプチ贅沢”というテーマを掲げる地元の人気店だ。
なかでも自慢は素材を吟味した鴨せいろ。北海道や茨城のソバ農家と直接契約をしている鮮度のよいソバの実を石臼で自家製粉するため、ひきたて、打ちたて、茹でたてのそばが味わえる。
喉越しがよく、ふくよかな香りのそばに合わせるつけ汁には、本鰹と宗田鰹、サバ節で取った出汁を加えて作るかえしを使う。鴨の脂と相性がいいそうだ。
そばを啜ったら口の周りに鴨の脂がまとわりつき、濃厚な旨味の後に爽やかなゆずの香りが追いかけてくる。また、ほどよい火入れ加減でやわらか~い鴨肉と、むっちりとした歯応えで噛み締めるたびに鴨の旨味が染み出してくる肉団子もたまらないおいしさだ。
『幸町 満留賀』店舗詳細
【川崎セメント通りで焼き肉が食べたい!】
4種のお肉を食べ比べ! 『焼肉 東天閣 川崎本店』のスーパー得盛ランチ
川崎区浜町にあるセメント通りの周辺には、老舗の焼き肉店が点在している。その一角として親しまれているのが、1972年創業の『焼肉 東天閣 川崎本店』だ。同店では、創業当時から変わらないタレの味を守り続けている。
ランチのイチオシ、スーパー得盛ランチの特徴は、カルビ、ロース、ハラミに加え、高級銘柄豚・岩中豚の4種類が食べ比べられること。また付け合わせにはキムチ、ナムル、サラダなどが付き、ライスは大盛り無料。
岩中豚の焼き肉は、かんでいるうちに脂身がとろけ、旨味があふれ出す。後味があっさりしているのも印象的だ。濃厚な旨味が楽しめるカルビや、さっぱりとした上品な味わいのロース、弾力のある食感がたまらないハラミも甲乙つけがたい。
醬油ベースのタレには、ゴマ油や果物などのほか、ニオイが残りにくい青森県産のニンニクを使用している。ニンニクでしっかりパンチを効かせた甘めのタレは、とにかくご飯が進む味付けだ。
『焼肉 東天閣 川崎本店』店舗詳細
背徳感すら覚える『焼肉海鮮 山水苑 浜町本店』のA5和牛ランチ
『焼肉海鮮 山水苑 浜町本店』は、1976年の創業以来、地元で親しまれている焼き肉店の一つだ。同店では、芝浦の食肉市場で仕入れた黒毛和牛を惜しみなく使ったランチが食べられる。
イチオシは、1品も外せない見事なバランスで構成されたA5和牛ランチ。ナムルやキムチはご飯のおかず、わかめスープとサラダは箸休めの役割を果たす。和牛の肉質はしっとり柔らかく、かむたびに脂身の甘さと濃厚な旨味が口の中を満たしていく。いずれもライスとの相性が抜群なので、思わず白米をかき込みたくなること請け合い。
焼き肉のタレからキムチ、スープまで、すべて手作りというのも特筆すべき点だ。中でも「焼き肉屋の命」と言われるタレは、もみダレとつけダレが調和することで、パンチがありつつ濃すぎない味わいに。これが上質な和牛の旨味を最大限に引き出している。
『焼肉海鮮 山水苑 浜町本店』店舗詳細
タレの濃さにハマる! 『焼肉レストラン 西の屋』のハラミ1.5倍セット
川崎区浜町のセメント通り、1960年の創業当時からこの地で営業している『焼肉レストラン 西の屋』。アットホームな雰囲気もさることながら、同店の最大の魅力は、焼き肉のタレにある。
ランチメニューのハラミ1.5倍セットには、お肉、ライス、ナムル&キムチ、千切りキャベツ、ミニわかめスープ、韓国のりが付く。パンチの効いたもみダレで味付けされたハラミは、とにかくライスが進む。タレに限らず、ナムル3種やたくあんキムチも自家製だ。
焼き上がったハラミを頬張ると、醬油の甘じょっぱさやニンニクの風味、ピリッとした辛さが、口いっぱいに広がる。つけダレなしでも濃厚&ガツンとくる味わいだ。かめばかむほど、お肉の旨味や甘さに満たされていく。
ライスに盛って食べるだけでなく、特製マヨドレッシングをかけた千切りキャベツを、焼き肉で挟んで食べるのがおすすめ。つけダレを使うかどうかはお好みで。
『焼肉レストラン 西の屋』店舗詳細
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、羽牟克郎、上原純、コバヤシヒロミ