理想の店をつくるため自家製麺にこだわる店で修業

JR川崎駅東口から駅前大通りを国道15号へ向かって歩き、交差点を渡って左に少し歩くと、国道沿いに目的のお店『自家製麺 麺屋 利八』がある。店主こだわりの一杯を楽しみにして入店する。

看板の“自家製麺”の赤い文字がなにやら誇らしげで、期待どおりの一杯をいただけそうだ。
看板の“自家製麺”の赤い文字がなにやら誇らしげで、期待どおりの一杯をいただけそうだ。

店内は厨房を囲むようにL字に席が並ぶ。「開店は2014年です。 自家製麺のラーメン店を開業したくて、自家製麺にこだわりを持つ店で2年ほど修業しました」と教えてくれたのは店主の古田一哉さん。

カウンター席のみ10席。店主のラーメンへの想いとこだわりを聞きながら、できあがりを待つ。
カウンター席のみ10席。店主のラーメンへの想いとこだわりを聞きながら、できあがりを待つ。

店主の古田さんの前職はミュージカル俳優。東日本大震災で公演の仕事が減ったのを機に、ラーメン店を出すことを決意。今でも休日など時間があればミュージカルを観に行くのを楽しみにしているそう。

店主の古田一哉さん。店名の利八は、世話になった祖父の名前からとった。
店主の古田一哉さん。店名の利八は、世話になった祖父の名前からとった。

麺もトッピングも、すべてにこだわりが詰まった一杯

注文したのは特らぁめん1250円。店主こだわりのラーメンにトッピングを追加した豪華バージョンだ。

注文は食券ではなく、直接オーダーするスタイルだ。
注文は食券ではなく、直接オーダーするスタイルだ。
麺は古田さんが自ら毎日製麺し、専用の保冷庫で1日寝かし、麺の旨味を引き出す。ゆで時間は標準で7分。
麺は古田さんが自ら毎日製麺し、専用の保冷庫で1日寝かし、麺の旨味を引き出す。ゆで時間は標準で7分。
国産三元豚の肩ロースを使った自家製チャーシュー。特製の塩で味付けし、スモークチップを使い店内で吊し焼している。
国産三元豚の肩ロースを使った自家製チャーシュー。特製の塩で味付けし、スモークチップを使い店内で吊し焼している。
チャーシューは提供する直前にバーナーで炙る。バーナーの先につけたフィルターがガス臭や焦げを防いでくれる。
チャーシューは提供する直前にバーナーで炙る。バーナーの先につけたフィルターがガス臭や焦げを防いでくれる。

いろいろと店主のこだわりを聞いているうちに、特らぁめんが着丼。それでは、いただきます!

特らぁめんのトッピングはチャーシュー、メンマ、味玉、のりとネギ、水菜。
特らぁめんのトッピングはチャーシュー、メンマ、味玉、のりとネギ、水菜。

まずはスープを一口。丸鶏、鶏ガラ、もみじを使い、数種類の煮干し、げんこつを合わせた鶏白湯スープは魚介系の味もしっかりと味わえ、同時に甘みとまろやかさを感じるほど深みのある味だ。

スープはさまざまな素材の旨味をストレートに味わうことができる。
スープはさまざまな素材の旨味をストレートに味わうことができる。

「今、お出ししているスープにはうま味調味料は使っていないんです。以前は使っていたんですが、うま味調味料を使わなくなって、ひとつひとつの素材の味が引き立ち、味に深みがでるようになりました」と古田さん。

青森産のネバリゴシなど厳選した小麦をブレンドした太麺。
青森産のネバリゴシなど厳選した小麦をブレンドした太麺。

麺はもちもち食感と歯応えが絶妙のバランスで、小麦の旨味も感じることができる。まさに古田さん渾身の太麺だと納得。ゆで具合も申し分ない。

極太メンマも店内で調理している。塩抜きに一週間かけ、スープの旨味を邪魔しないように塩味は控えめ。
極太メンマも店内で調理している。塩抜きに一週間かけ、スープの旨味を邪魔しないように塩味は控えめ。

味玉につかう玉子は、旨味が強い那須御養卵を使っている。特製ダレの味付けと黄身のとろーり具合もほどよい。

素材の旨味を引き出すために、塩味はできるだけ控えめにしているそう。その結果、麺、スープ、トッピングがそれぞれの味を引き立て、おいしさあふれる一杯となっている。おいしいラーメンをありがとう。ごちそうさまでした。

サイドメニューもしっかりおいしい!

こだわりの一杯をいただきながら、ちょっと気になるサイドメニューも追加注文。ちゃーしゅーごはん400円も気になったが、チャーシューはラーメンのトッピングでいただいたので、今回はジンジャーごはん250円を注文。

ごはんはラーメンスープで炊き込んでいる。
ごはんはラーメンスープで炊き込んでいる。

スープの旨味が染み込んだごはんとジンジャーの辛味と香りは相性抜群。きざみネギの刺激と肉そぼろの旨味とのバランスもよく、ラーメンと一緒にぱくぱくといただける。サイドメニューにも、店主の味に対する思いを感じる。

店主こだわりの日本酒も揃っている。特製チャーシューをつまみに銘酒を楽しんでもいいかもしれない。
店主こだわりの日本酒も揃っている。特製チャーシューをつまみに銘酒を楽しんでもいいかもしれない。

古田さんは “こだわること”を楽しんでいるようだ。そして、その楽しさが、ラーメンのおいしさとなって客に伝わってくる。また近いうちに、そんな楽しいこだわり満載の絶品らぁめんを食べに川崎にやってくることになりそうだ。

住所:神奈川県川崎市川崎区宮前町2-4/営業時間:11:00~14:30・18:00~20:00(木は11:00~14:30、土・日・祝は11:00~15:00・18:00~20:00)/定休日:月、第1火/アクセス:JR川崎駅から徒歩12分

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎