自慢の滋味深い香りと味が特徴のアジ煮干しのラーメン『中華そば 梟』
フクロウとラーメンが描かれたピンク色の看板が目を引く。アジの煮干しをきかせたラーメンは化学調味料不使用で、昆布や少量の鶏ガラを合わせている。淡海(たんかい)地鶏の鶏油を使い、全体的にマイルドで、上品な仕上がりだ。コクのあるスープと良く合う特注の細縮れ麺は、歯切れのよさもあり喉ごしもよい。燻(いぶ)しながら焼く「吊るし焼き」の豚チャーシューと低温調理の鶏チャーシューの2種類のチャーシューもそれぞれに食感と旨味の違いを楽しめる。スープをたっぷり含んだ麩のトッピングもアクセントになっている。
『中華そば 梟』店舗詳細
背脂チャッチャの燕三条ラーメン『らーめん潤』
「背脂チャッチャ系」とも称される燕三条背脂ラーメン店。中華そばの丼を覆い尽くす豚の背脂は、水から約3時間煮込んで臭みをなくしているので、見た目ほどしつこくなく、旨味と甘みを感じられる。背脂の量は1.5倍の中油、2倍の大油、4倍の鬼油(120円)、そして少な目の小油と、好みで調整してもらえる。スープは動物系に加えてウルメイワシの煮干しを大量に使い、特有のコクと風味が感じられる。生麺の状態で約250gもある極太麺がしっかりと受け止めてくれる。
『らーめん潤』詳細情報
魚介系であっさりだが、濃厚なラーメン『和風ラーメン 和鉄』
メニューは、中華そば(ラーメン)とつけそば(つけ麺)の2系統。魚介系をベースに動物系のコクが加わったスープは、あっさりだが濃厚な味わいで、歯ごたえのよい中太麺によく絡む。どちらも、200円増しで 「和鉄」にすることができ、大ぶりの焼き豚3枚と味タマゴがトッピングがされる。うれしいのが、麺の大盛りが無料。さらに、平日のランチタイム(11~14時)と、ディナータイム(18時30分~22時)には、ミニチャーシュー丼が無料でサービスされる。
『和風ラーメン 和鉄』店舗詳細
濃厚スープと梅のエスプーマのつけ麺『麺屋 ちょこざい』
一番人気の特製梅と煮干しつけ麺には、レンゲに梅のエスプーマがのっている。エスプーマとは液体を空気のような軽い泡状にしたもので、つけ汁に溶かずに麺に絡めて食べれば梅の味や香りが引き立つ。つけ汁には大量の煮干しを使用しているが、えぐみは感じられず、パンチのある味と香りを楽しめる。麺をエスプーマと絡めて、つけ汁に浸せば濃厚さとさわやかさが一体になる。低温調理したチャーシューは脂身が多い部分と赤身の2種類を味わうことができ、2日間かけて作るトロリとした味玉も旨い。
『麺屋 ちょこざい』店舗詳細
濃厚でありながらすっきりとした二郎インスパイア系『ラーメン宮郎』
超濃厚煮干しつけ麺の行列店『煮干しつけ麺 宮元』のセカンドブランド。スープは、濃厚だが、かえしのキレでスッキリとした後口。豚骨だけでなく昆布をはじめとした食材を加えているので、味に深みが生まれる。力強いスープを受け止める極太の平打ち縮れ麺は、ゴワゴワ・モチモチの食感がたまらない。スープでじっくりと煮込んだ豚(チャーシュー)も旨い。たっぷりの野菜とアブラ、卵黄。さらにフライドオニオンとエビマヨが添えられる汁なしそばもおすすめ。
『ラーメン宮郎』店舗詳細
強力な火力で味噌の旨味と香りを引き出す『らーめん蓮 蒲田本店』
一番人気の味噌らーめんは、中華鍋で野菜を炒めてスープを投入する札幌味噌ラーメンのスタイル。スープは鶏や豚、香味野菜などを約17時間煮込む。ひと口飲んでみると芳ばしい味噌の香りが広がり、野菜の旨味も感じられる。濃厚だが、白髪ネギのシャキシャキ感と、ピリリとしたラー油がアクセントになり、中太の多加水麺によく絡む。アルコールメニューも充実し、1品400円のおつまみもそろうので、飲めるラーメン店としての利用もおすすめ。
『らーめん蓮 蒲田本店』店舗詳細
新定番は牛乳ラーメンと煮干し豚骨ラーメン『蒲田いっ家』
2014年創業の人気家系ラーメン店。濃厚な豚骨醤油ラーメンが看板メニューだが、期間限定で始めた牛乳ラーメンが好評となり、レギュラーメニューになったという。ニンニクの風味が効いた豚骨スープに、バターの香りとチーズのコクが加わり、まろやかなポタージュスープのような優しい味。残ったスープにはご飯に粉チーズがのるリゾットセット200円を入れれば、最後の一滴まで楽しめる。スープに煮干し系のダシと魚粉を入れた煮干し豚骨ラーメンもぜひ食べたい。
『蒲田いっ家』店舗詳細
濃厚煮干し系つけ麺の人気店『煮干しつけ麺 宮元』
蒲田駅から蓮沼方面に延びる多摩堤通り沿いに店はある。つけ麺の名店『麺屋一燈』で腕を磨いた宮元達宏さんが2015年にオープンさせた。全国各地より厳選した煮干しをふんだんに使い、鶏ガラや丸鶏、ゲンコツ、背ガラなどの動物系を合わせたつけ汁は、旨みが凝縮したトロッと濃厚な味わい。小麦の風味豊かな自家製の極太ストレート麺との相性もよい。トッピングには、豚バラ肉の吊るし焼きと、豚肩ロースをオーブンで低温調理した2種類のチャーシューを合わせている。
『煮干しつけ麺 宮元』店舗詳細
魚介とキノコの斬新な塩ラーメンを味わう『麺場 Voyage』
船の錨(いかり)や船室の窓などを飾った店構えが印象的。ホタテや昆布、キノコで出汁をとったスープに、パキスタンのピンクの塩をはじめ、4種の塩をブレンドして作った塩ダレを合わせた塩ラーメンが人気だ。ホタテの形をした最中(もなか)の皮、ホタテ貝柱や岩海苔、チャーシューなどがトッピングもユニーク。残ったスープはお茶漬けセット150円で最後の1滴まで楽しみたい。このほか、メヒカリの唐揚げ、牛すじトリッパ、焼き鶏皮ポン酢といったつまみもあり、種類豊富な酒を合わせて楽しめる「2h制 麺つき飲放」3400円もおすすめ。
『麺場 Voyage』店舗詳細
真鯛の旨みを存分に味わえる塩ラーメンの『狐狸丸』
東京工科大学蒲田キャンパスや日本工学院専門学校奥の小さな商店街にある。宇和島産の真鯛をオーブンで焼き上げて作るスープと、大山鶏のスープを合わせたWスープを使い、やさしい味ながらもコクが感じられる。オーブンで焼いた真鯛の身を提供時に炙りトッピングしたものと、柚子の爽やかな風味が加わり、全体的に上品な仕上がりだ。熟成させた真鯛の刺身、特製のゴマダレがアクセントの鯛お茶漬けセット1300円を頼んで、スープを最後まで楽しみたい。
『狐狸丸』店舗詳細
上品でコク深い豚骨醤油スープがたまらない『らーめん飛粋』
料亭や日本料理店のような重厚感がある店構えが目を引く。豚と鶏を別々の鍋で焚き上げてベストな状態で合わせたスープが絶品で、それぞれの素材の旨味が全面に出たオンリーワンな出来映えだ。一口飲めば口の中に豚骨醤油の風味と鶏油の甘みが広がり、上品で後を引くおいしさ。モチッとして甘みを感じる中太縮れ麺もコクのあるスープの旨みを絡め取る。麺を食べ終えたら、秋田県横手市の小野農園産のあきたこまちは、籾(もみ)のままで貯蔵し、発送する直前に精米するというごはん100円で、残ったスープに入れたり、海苔で巻いたりと楽しみたい。
『らーめん飛粋』店舗詳細
取材・文・撮影=速志 淳、千葉香苗