元寿司職人が提供するフルコースのような定食『階段ノ上ノ食堂』
吉祥寺駅から歩いて1分、公園口からある通りのビルの2階にある。店主の浜名晃さんは元々高級寿司店の職人の経歴をもつ生粋の料理人。祖父の代から吉祥寺で寿司店を営んでおり、継ぐつもりでいたが、全国で食べ歩くうちに、旬の食材を使用した食堂を作りたいと一念発起。『階段ノ上ノ食堂』をオープンさせた。
メニューは日替わりの定食が4種類。浜名さんは鉄板料理店で働いた経歴もあるため、肉料理の腕前も確かだ。そのほか、海鮮丼定食や毎年冬のお楽しみカキフライ定食もおすすめ。定食に必ずついてくる副菜は、少しずつ色んな旬の料理が盛り合わせてある。副菜やサラダを堪能したあとにドン!とメインがやってきて、定食でありながらもコース料理のような喜びがある。
『階段ノ上ノ食堂』店舗詳細
スナックから転身。昭和香る定食屋『コペ』
昭和の雰囲気が漂う『コペ』は店のざわめきが心地よく、夜の定食が似合う店だ。こちらは実は、元スナック。仕事帰りのお客さんに定食を出していたら、評判となり定食屋に転身した異色の経歴をもつ。
毎日の食卓として利用するビジネスマンも多く、ハムエッグ定食やニラ玉定食は、常連の希望で生まれたメニュー。人気はメンチ玉子とじ定食で、スパゲッティサラダ、もやしの和え物、おからとひじきの炒り煮、納豆、漬物などたっぷり副菜がついてくる。どうでしょう、この小さくガッツポーズしたくなる布陣。さらに、ご飯は麦飯と白米が選べ、プラス200円でとろろもつけられるのだ。この良心に頭がさがる。
『コペ』店舗詳細
おばあちゃんの料理をお手本にした定食を『四歩(しっぽ)』
吉祥寺駅から歩いて15分ほどの住宅街に『四歩(しっぽ)』は、どこかに懐かしさやぬくもりを感じる雑貨や家具を集めたセレクトショップ。カフェスペースでは、コーヒーをケーキのほか、ランチやディナーの時間帯に定食が食べられる。
店で出す料理は特別な素材は使わず、家庭の味をつらぬく。おばあちゃんの家で食べられるような料理をコンセプトに、実際におばあちゃんにレシピを聞いた料理もあるそうだ。定食メニューはメインのおかずは2種類から選べ、この日は鶏団子と車麩の煮物をチョイス。やさしい味付けで、じんわり胃があたたまった。
『四歩』店舗詳細
自然食にこだわった定食で本当の美味しさを知る。『もんくすふーず』
吉祥寺駅から徒歩5分ほど。『いせや』を通り過ぎたあたりに『もんくすふーず』がある。自然食にこだわる定食店で、創業以来、添加物や保存料は不使用、米や野菜は無農薬、有機栽培のものを使用。店主の小林さんは、地元の旬の食材や伝統料理が、そこに暮らす人にとって体にいいという考えかたで、なるべく地元の野菜を使うように心がけているという。
定食は日替わりで、野菜が中心のおかず、魚、鶏肉の3種類から選べる。この日の野菜定食のメインは、里芋と野菜五目赤味噌煮。体にいい料理は、心にもしみる。食べ終わったら、きちんと「ごちそうさま」が言いたくなった。
『もんくすふーず』店舗詳細
取材・文・撮影=福井 晶