ロンドン郊外にあるパブをイメージ『The Cat & Cask Tavern』[要町]
カウンター中央、つまり、 この店の中心とも言える場所に鎮座するハンドポンプは、開店時、箕面(みのお)ビールの先代社長が取り付けたもの。「だからこれには、箕面ビールで醸造したエールしかつなぎません」 と、英国人オーナーのウエイン・ビッケルさんと高田侑由子(ゆうこ)さん夫妻が説明する。箕面ビールを筆頭に、 「イギリス風味のビールを醸造する日本のメーカーを応援したい」 との気持ちが深く、志賀高原や伊勢角屋、木曽路ビールなどをラインナップする。ハンドポンプでなくても炭酸ガスは微量、あるいはオフに設定するのは、 「クラフトビールは生きているから、ガスはそんなに必要ない」 と、考えるから。
夜が更けてくると、カウンター越しに、大人っぽい高度なジョークが飛び交う。
『The Cat & Cask Tavern』店舗詳細
ドイツスタイルのスタンド!『bier & imbiss WURST HAUS』[虎ノ門]
ドイツの軽食スタンド“インビス”スタイルの店では樽生7種がほぼ日替わり。イチオシはオーナーが現地で惚(ほ)れたパウラナーだ。「とがってない、毎日飲み続けられる味」とマネージャーの村松亜企子さんは目を輝かす。つまみはもちろんソーセージ。バナナ香がふわーと広がるパウラナーだが、ソーセージの旨味を濃く引き出し、膝を打つ。
『bier & imbiss WURST HAUS』店舗詳細
テラス席で欧州ビストロランチを。『Riverside Café Cielo y Rio』[蔵前]
“天空と川”という名を持つ店だけあって開放感が違う。9卓並ぶテラス席では川面は見えないものの、緑の隙間から川風が吹き込み、空が高い。午後から日陰となり盛夏にもうってつけ。2種ある生ビールのお供にはサラダを。オレンジとレーズンで漬け込んだキャロットラペやキノコマリネ、ラタトゥイユなど7~8種にソーセージがのり、さながら前菜盛り合わせ。旬の野菜も満載でヘルシーながら、男性も納得のボリュームだ。
『Riverside Café Cielo y Rio』店舗詳細
日本人はやっぱ泡が命なのです!『Brasserie Beer Blvd.』[新橋]
佐藤裕介さんは“スーパードライをおいしく飲む”が信条。「注ぎ方で味わいも変わる」と、2014年2月に独立した店では3種類の注ぎ方を実践、味比べも楽しめる。
一般的な“シャープ注ぎ”は、炭酸ガスを抜かないように注ぎ、キレのある喉越し。対して、泡立てて注ぐ“マツオ注ぎ”は麦の甘みに驚く。飲み心地が軽く、何杯でもいける味だ。そして佐藤さん考案の“サトウ注ぎ”は「その中間」。ビールと泡を同時に注ぐため、麦の甘みとキレが生まれる。「提供温度やグラスの厚みでも味は変わるんです」と佐藤さん。いや実に生ビールは奥深い。
ついでに、ウマい生の見極め方も尋ねると「出てきたビールを見ればわかります」と力を込める。グラスに油分やホコリが付着していると、きちんと洗浄していない証拠。ビールへの愛情が足りないという。ウマい生は店の愛あっての賜物なのだ。
『Brasserie Beer Blvd.』店舗詳細
クセになる辛味ソースと豚肉の甘み。『鉄板酒場 鐵一 八重洲地下街店』[東京]
場所は東京駅直結の八重洲地下街。こぢんまりとした立ち飲み屋で、仕事帰りのサラリーマンがふらっと立ち寄れる気さくな店だ。疲れを一気に吹き飛ばしてくれるのは、もちろん冷えた生ビール。アサヒスーパードライのキレのある苦みで喉を潤したら、店自慢の鉄板焼きを。もち豚バラを豆板醤ベースのオリジナルソースで炒めたホットとんは弾力があり、噛めば噛むほど甘みを増す。辛味、甘みが口中で広がり、ビールお代わり!
『鉄板酒場 鐵一 八重洲地下街店』店舗詳細
柔らか肉とスパイスの競演!『鍛冶屋 文蔵 有楽町店』[有楽町]
鶏ももは身が柔らかくなるように丸一日マリネ。10種類のスパイスでじっくり風味をつけ、注文が入ってからオーブンへ投入すれば、手間ひまかけた文蔵焼きの完成だ。口に入れると肉がとろけ、続けてガツンと辛味が襲う。ここで、アサヒスーパードライはじめ大手4社が揃う生ビールをゴグリ。キレのいいビールが味覚を中和し、再び刺激を欲する。これぞヤミツキ! 飲んべえの聖地、有楽町高架下で、100人ほど入れるにぎやかな雰囲気にもテンションが上がる。
『鍛冶屋 文蔵 有楽町店』店舗詳細
牛タンとクラフトビアの夜。『VECTOR BEER』[新宿御苑前]
牛タンはもちろん、メニューには豚タンやラムタンもあります。なかでも不動の人気を誇るのが炭火焼きだ。シンプルな味付けだが、噛めば濃厚な風味が広がり、添えられたワサビで食べれば旨味の奥で一陣の涼風が駆け抜ける。そこで合わせたいのが樽替わりで登場する10種類の国産クラフトビア。ラインナップは毎日どころか、一日の間に変わることも。全種グラスサイズ(約270ml)500円、パイントサイズ(約530ml)850円、アマゾンサイズ2200円(約1500ml)2200円とお値打ち、3種類飲み比べセット(約150ml×3種類)1000円で、多彩な香味を満喫すべし。
『VECTOR BEER』店舗詳細
番台で食券も買ってビアグルメを堪能!『貫井浴場』[中村橋]
番台横にある広々とした宴会場。豊富なメニューは、まんま定食居酒屋! 食券はお風呂と同じカウンターで買い、厨房の窓口に出す、珍しいシステム! 料理の経験がなかった2代目ご主人・野内清さんは、ラーメン屋で働いていた友人に教わりつつ腕を磨いたそうな。家族連れでにぎわう繁忙時は3代目息子さんにも手伝ってもらい、お嫁さんと番台を交代。食事処のみの利用も可。思わず杯を重ねちゃいます~。
『貫井浴場』店舗詳細
黒湯の後に黒ビールジョッキ大!『NU-LAND さがみゆ』[雑色]
黒湯温泉銭湯天国、大田区。飲食処ありの施設も多いけど、ここは規模No.1。2階に圧巻の広さの大宴会場! しかもメニュー約80の圧倒的な品数は大型飲食店並!! 厨房チーフの依田さんは洋食出身、基本メニューをアレンジした品も常時開発。若者、ファミリー、年輩の人などさまざまなお客さんが来るので、焼き鳥から定食メニューまで、幅広い品ぞろえがうれしい。飲んでヨシ、食べてヨシ、幅広く対応できるようになってるんです。
『NU-LAND さがみゆ』店舗詳細
文=teamまめ(佐藤さゆり、信藤舞子、松井一恵)、ラジカル鈴木 撮影=泉田道夫、井原淳一、丸毛透、オカダタカオ