店名のごとくフレッシュな店発見!『あらばしり』
割烹と居酒屋の中間の雰囲気で、気取らずうまい酒と肴を楽しめる。週2で少しずつ入れ替わる日本酒は、例えば「新政」No.6 R-type 780円など左党がワクワクする銘柄を22種用意。吟醸酒に合う甲斐極み鶏の自然塩焼き980円など、肴もツボを押さえている。「でも、この料理にはこれと押しつけたくない」と若き店長・本杉英樹さん。店長も店も、日本酒のあらばしりのようにフレッシュなり。
『あらばしり』店舗詳細
好みの酒で静かに酔えるBAR的空間『酒亭 沿露目』
「店が見つけづらく、店名が読みづらい、でも一度来たら何度も来たくなる。そんなBARのような空間で日本酒を提供したかった」とは、チョウタイでバチッと決めた店主・大野尚人さん。例えば“つめたいのヘビー”という言葉で「不老泉」山廃純吟を紹介するほか、“熟成”“香り”“お燗”など、幅広い日本酒をお客にわかりやすい言葉でカテゴライズ。「オーセンティックバーみたいに、お客さんのさまざまな好みに応えたいんです」。
『酒亭 沿露目』店舗詳細
コの字カウンターに美人姉妹の笑顔咲く『だるま』
昭和46年に先代が開店するも7年前に他界、江家理(あや)さんと真(まさ)さん姉妹が引き継ぐことに。「父の命日に常連さんが花を持ってきてくれたり、今では継いでよかったと思ってるの」(理さん)。先代から続く店のソウルフードが、甘くてこってりとした牛もつにこみ。にこみと手作りつくね、どっちを頼むか迷っていると「ユー、両方頼んじゃいなよ」と理さんの気風のいいセリフ。「父の適当なとこも継いじゃったみたい(笑)」。
『だるま』店舗詳細
常連いわく、モンナカ立ち飲みNo.1!『ますらお』
2014年の開店以来、クチコミで評判が広まり、今や毎晩満員御礼の立ち飲み屋。元寿司職人の西川敦さんが手がける肴の数々は、その技術を活かした握りや、手間隙かけた塩もつ煮378円など、立ち飲み価格にして小料理屋級クオリティ。厨房は1人ゆえ調理に時間がかかることもあるが、着物姿の接客担当、荒鎌麻子さんの素敵な笑顔で「すみません」と言われりゃそれも許せちゃう。隣席の酔客いわく「ここはモンナカ立ち飲みNo.1!」。大繁盛ゆえに予約不可なのでご注意を。
さんサポもイチオシ!
『ますらお』店舗詳細
飲ませるつまみ名人の店。「工夫はしても創作はしない。上質な普通が一番」『酒肆 一村』
「ずいぶん地味な組み合わせですよねえ」と店主の大野尚人さんは笑うが、なんてこった、の相性なのだ。滑らかな旨味の「鷹来屋(たかきや)」と合わせてくれた岩のりワサビは、しょっぱさと辛さが混ざり合って酒に寄り添いながらず~っと引きずるから、余韻でまた飲みたくなる。バッテラ鮨に使う昆布を炙った塩気のあるつまみもほのかに酸っぱいぬか漬けも、猪口を持つ手をちっともゆるめさせてはくれない。「僕の中で鷹来屋は日本酒の味の基準にしている酒。主張はしないけれど上質なおいしさがあるので、普通に旨いつまみを素直に合わせたいです」。
『酒肆 一村』店舗詳細
構成=佐藤宇紘 取材・文=鈴木健太、山内聖子 撮影=井原淳一、金井塚太郎
都内有数の酒場激戦区である門前仲町。老舗の名店がひしめく中、2014年創業という若手、さらに立ち飲みというジャンルでありながら、すでに門前仲町を代表するといっていい酒場です。特筆すべきは、毎日変わる黒板メニューのラインナップ。刺し身類はどれも新鮮、牛すじ煮込みはホロホロと蕩けるようで、焼き物も絶妙な焼き加減でおいしいです。「うざく」や「カツオの角煮」など、変わり種を出すところもセンスを感じられずにはいれません。門前仲町、いや、都内でも屈指の立ち飲み屋です。(味論さん)