宝探し気分でお買い物『GM..』
店主・木本晃子さんは、ここの店のほか、パートナーと共に内装や設計の仕事をしている。「簡単に壁の色は変えられないけど、周りにあるものでいい気分になれて、心地よい空間をつくれたら……」。その言葉通り、店内にはインテリアのアクセントになりそうな個性的なものであふれていて、見ているだけで楽しくなってくる。自分好みの作品に出合えるかも。
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作り手の熱い思いにふれる『もやい工藝』
日本各地に根ざした優れた手仕事を残したいと店を始めて45年以上。現在は、前オーナーの久野恵一さんの思いを息子の民樹さんが受け継ぐ。「各地の手仕事は、土地の生活や歴史との関わりが深くて、知れば知るほどおもしろいです」と、興味深い話が次々出てくる。窯出しに立ち合うなど、1年の約半分は産地をまわっているそう。柄のアレンジや釉(うわぐすり)を変えたオリジナル商品があるのも、長年、民藝のよさを伝え続けているこの店ならでは。
『もやい工藝』店舗詳細
植物の静かなる美しさを引き出す『草花屋 苔丸』
不思議な枝ぶりの観葉植物や、アンティークの品々が点在する店内。この空間の主は、植物を素材にした作品を生み出す職人、赤地光太郎さん。彼のセンスにほれ込んだ方から、庭の施工や花活けをおまかせで依頼されることもあるという。「若いころ、美術館に通いまくってセンスを磨いたのが原点です」と、自らの作品のルーツを語ってくれた。彼の手が加わることによって、植物に新たな生命が吹き込まれる。
『草花屋 苔丸』店舗詳細
コラボレーションの可能性は無限大『WATO』
鍛金の技法をベースに、木工・金属・ガラスのような異素材との組み合わせや、作家・職人とのコラボレーションにチャレンジし続ける小笠原加純さん。最近、力を入れているのは、量産と手仕事のコラボ。機械に任せる工程と、自分の手で仕上げるべき部分を見極めて分担。価格を抑えつつも完成度は高く、というのが目指すところだ。「日常に溶け込むちょっぴり特別な存在のものづくり」を目指し、今日も金鎚を振るっている。
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日本とロシアの美女がズラリ『コケーシカ鎌倉』
明治時代に来日したロシア人修道士が、箱根の七福神組子こけしを自国に持ち帰り、それをもとに製作されたのがマトリョーシカの始まり……。日本で生まれたこけしと、ロシアのマトリョーシカ、どことなく雰囲気が似ていると思ったら、そんな説もあるのだとか。一つひとつ異なる豊かな表情と、美しい模様が目を引く。実際に見て選んでほしいからと、通信販売はやっていない。お気に入りのコを探しに、訪れてみよう。
『コケーシカ鎌倉』店舗詳細
大人の遊び心をちりばめたジュエリー『YYossYY』
ドクロに地蔵に大仏と、吉葉安弘さんの制作するジュエリーには、ユニークなモチーフが多い。デザインの際には「かっこよく、かつおもしろく」ギリギリのラインを狙うのが吉葉さん流。一方で、抽象的な造形の作品も多数あるのも見どころだ。オーダーメイドも受け付けていて、控えめだけれどよく見ると個性的な造形に魅せられて、マリッジリングをオーダーするカップルが急増中。
『YYossYY』店舗詳細
普段遣いもできるアート作品を『At Home Works』
落ち着いた長屋の一室に構えられているのは、陶芸家・林彩子さんのアトリエ兼ギャラリー。庭には、トタン板をあしらった窯小屋が立つ。林さんが作る器には、油絵のような筆あとと、銅版画のようなかすれが表現されているのが特徴。芸術性がありつつも、普段遣いができる優れものだ。アトリエでは年に1~2回展示会を行う。その至芸の一端を学びたいと感じたら、月1回のワークショップ2時間5000円~に参加してみるのもいい。
『At Home Works』店舗詳細
自然から学ぶデザイン『seto』
瀬戸けいた・なおよ夫婦による、デザインレーベル「seto」のアトリエショップ。自然をモチーフに作品づくりをしている。代表作は、「食べる」「しがみつく」などの生き物の行為を取り入れた Creature bag シリーズ。道具と生き物の中間のような不思議な存在。大人からこどもまで、アウトドアでも、タウンユースでも。アトリエでも、工場でも生産できる、無駄なく丁寧なものづくりを目指している。
『seto』店舗詳細
構成=株式会社エスティフ 取材・文=井島加恵、林加奈子・大海渡宏美(風来堂) 撮影=鈴木愛子、金井塚太郎