アットホームで居心地のいい、暖かなビートルズカフェ
「中学生の頃からビートルズが好きで、彼らの音楽や誰もやらないことをやるというセンスに影響を受けてきました。お店を始める際、最初にイメージしたのはジャズ喫茶だったのですが、せっかく自分のお店をやるなら、ずっと好きだったビートルズへの愛をさりげなく感じられるお店にしたいと思って」
店内には、自身のコレクションだというビートルズの本やCD、楽器が大量に飾られており、ファンにはたまらない空間となっているが、この店のもうひとつのこだわりが、ウッディな内装である。床やカウンター、テーブルからイスにいたるまですべて木製で統一されており、さながらログハウスでくつろいでいるような気分にさせてくれる。
「木のぬくもりが感じられる独特な世界観を出したくて、店内はウッディなインテリアにこだわりました。客層は20代から70代まで幅広く、ビートルズ・ファンに限らないので、一日中ビートルズだけを流しているわけではないんです。でも、このお客さんはビートルズ・ファンかなとわかるときは、ビートルズを流します。この仕事をやっていると、だいたいわかるようになってくるんです(笑)」
愛嬌たっぷりな市村さんの話を聞いていると、この店が店主のキャラクターで地元に愛されていることがわかる。東京下町を代表するビートルズ・スポットだが、それ以前に、とっても居心地のいい普通の喫茶なのだ。
取材・文=竹部吉晃 撮影=小野広幸