都立家政の「食堂七彩」で喜多方らーめんの煮干し。
2007年に「七彩」が始まるところ。いつかはいつかはいつかはで今日。各駅停車しか止まらない西武新宿線「都立家政駅」の北口を出て徒歩数分。
ほんの少し前に店舗の改装をされたという半地下のお店。白木の板張りとなりやわらかな雰囲気を醸し出す外観。掛かる小麦が描かれる白の大ぶりの暖簾に「食堂七彩」。
こんばんはと暖簾をくぐり対峙する券売機にずらりと並ぶメニューに目が躍る。自家製麺の喜多方の醤油と塩と煮干に稲庭うどんの製法で作る乾麺を使う稲庭中華の醤油と塩。
担々麺にスタミナらーめんとTOKYO味噌らーめんに辛味噌とはじまりましたの冷がけと冷やし中華たち。
はじまる冷たいのにも心が動くも初志貫徹。「喜多方らーめん」の煮干をポチとしてカウンターの席に着く。
店主に食券を渡し麺の量はと聞かれる同一料金の普通と中盛と大盛。中盛りと頭を過るもとりあえず普通でとお願いする。
オープンなキッチンを囲う7席ほどのL字のカウンター。眺める厨房の取り出す麺に全体重をかけ丁寧に念入りに揉んで揉んで揉んで湯に泳がす店主。
肉を切り、どんぶりにタレと温める小鍋から汁を注ぎ、平ざるで抄う麺を小気味よく湯を切り、そろりと丼へ入れ具をのせる流れる所作。
「お待たせしました」と撒き散らす煮干しの薫りと共に配膳されるらーめんに鼻から浸るしあわせ。
煮干しの細やかな粉の膜がはる泡立つ汁にメンマと葱と肉の合間から僅かに覗く平打ちの畝るポッテリとした麺に上がるテンション。
いただきますとレンゲで啜る汁。ぶわと包まれる煮干し。めちゃめちゃおいしい。止まらないレンゲ。しばらく浸る煮干。無化調の旨みが溢れるやさしい出汁にあばれる煮干。
一息ついてむんずと掴み啜る幅広でぴろぴろな麺。水分多めの弾力あるもっちりもっさりとした食感が心地良いほんのりと甘味を感じる煮干しを纏い喉を滑る小麦。
細切りのメンマのコリとした食感と刻み葱のシャキとした食感とムニとした麺の食感が交じり咀嚼するしあわせな時間。
ここぞと噛み締めるムギュと詰まる肉の旨みに痺れただおいしいと食べ進む。
BGMのように眺める稲庭中華の乾麺を手際良くグラムを測りパラと湯に放るや、喜多方の麺を愛情込めて揉んで揉むに、それぞれをまとめるリズムある手際良い店主の凛とする所作。
ゆっくりと味わい丼を持ちしっかりと最後まで汁を飲み干してごちそうさま。
電車の中でげっぷでみんなにSay helloと湧き上がる煮干に満足し家路につく。