八丁堀2丁目、八丁堀駅付近のバイパスと京橋や八重洲方面のオフィスビル郡の丁度間に位置する「ROAR COFFEEHOUSE&ROASTERY」さん。周辺で働く人達のオアシスのようなお店は、外にも椅子が設置されていることからその人気の高さを伺えます。
無機質な質感で統一されつつも、所々に配された緑や使用感のあるインテリアからは、さっきまで誰かが寛いでいたような雰囲気も漂います。
外とは対照的に、しっとりとしたダウンライトの色彩を吸収するかのような木目で整えられた店内は、8人ほどで満席かなというタイトな空間。煉瓦の重厚感もいい感じ。
壁にずらりと並ぶメニューに、甘味アンテナがびびびっと反応します。
今回は人気のレインボーラテアートが楽しめる「カフェラテ」と「プリン」をオーダー。
たっぷり、そしてエアリーなミルクに刻まれた白鳥(不死鳥?)が、なんともエレガント!このまま眺めていたいけれど、別添えのエスプレッソからは、早く手に取ってと言わんばかりの力強い香り。
意を決して、一点めがけてたらたらと注ぎます。全ていれると飲むとき溢れてしまうので、まずは半分。
ここから呼吸が止まります。
まんまるな匙が特徴的なスプーンをそっと差し込み、ゆっくりとカップの淵に添って動かします。
強すぎず優しすぎず。華やかさを残しつつも乱れていく羽根。毟るわけでも散らすわけでもないのに、こみ上げる背徳感は何なのでしょう。やっと飲める、やっと自分の中に取り込めるという一種の支配欲とでもいいましょうか。
豊かな牛乳そのものの甘味、そしてこみ上げてくるようなエスプレッソのビターな熱、そして再び表れるまろやかさ。
半分ほど飲んだところで、残りのエスプレッソを追加。
より濃厚になったカフェラテは、牛乳のコクをも凌駕する大人の色気を放ちます。
カフェラテの色香からちょっと休憩。
ゼラチンも配合されたプリンは、ぷるるん、ぷりん、とした可愛らしい食感。固めと柔らかめのちょうど間のような、ほっこりとする可愛らしいプリンです。
微かに残るざらつきは満足感にかわり、とアットホームなお店の雰囲気を表しているようなアットホームな味わい。
カラメルもマイルドなので、お子様でも最後まで美味しくいただけること間違いなし。
さて、「ROAR」とは英語で「ガオー!」という意味。そうです、動物の鳴き声です。
その由来をお店の方にお伺いさせていただきました。
「豆を挽くときの大きな音や、ミルクに負けない力強いブレンドという意味を込めました。入口の焙煎機も動きますよ、ちょっと埃っぽいかもしれませんが。この近くのもっと大きな焙煎機を使用しています。」
店内の撮影も快く承諾してくださりました。
ちらりとのぞく「散歩の達人9月号」も一緒にパシャリ。
もし子供なら、あのレインボーラテアートを乱す瞬間は、ただのアトラクションとして楽しいだけで片付いていたかもしれません。
けれど、様々な経験を経て「背徳感」を言語化できるようになった今、新しい楽しみを覚えてしまいました。
平日のみオープンの「ROAR COFFEEHOUSE&ROASTERY」さん。
働く日々に、刺激的でほっとするひとときを。