『定食屋 福幸』小鉢まで愛情満載なロードサイド食堂[本川越]
中心部から離れたロードサイド。「昔、喫茶をやってた母とやるなら食堂」と、店主の西郷義則さんが2019年に開店。玄米ならミルキークイーン、白米ならコシヒカリが山盛りで、ほっこり煮物、サラダ、フルーツなど、小鉢が盆の上にぎっしり。「定番だけだと飽きちゃうから」と、エビマヨやタンドリーチキンなど、変わり種を日替わりに出し、前日仕込みのカレールーを追加する客も絶えない。元バーデンダーの西郷さんが作るハイボールも、やけにうまい。
『定食屋 福幸』店舗詳細
『山田食堂』朗らかな笑顔が花咲く地域の台所[本川越]
お品書きの筆頭に並ぶのは、アコウダイにサバ、サンマなど焼き魚の定食。「川越は魚を出す食堂が少なくて」とは、2代目店主の山田明広さん。なかでも見逃せないのがブリ定食だ。照り焼きの仕上げにつけダレにドボン。1971年の創業以来、ブリの脂を飲んで育ったタレの深いうまみが感動的で、残すまじと、締めにコシヒカリの銀シャリをまぶしてかっこむ人が続出だ。肉系定食に、一品料理も万端。地域の台所として君臨し、日参する常連客が後を絶たない。
『山田食堂』店舗詳細
『大黒屋食堂』料理と催しのWヘッダーでサロンと化す[本川越]
定食の品書きは少ない。が、料理は季節の素材を活かした日替わりで、店内はアート&雑貨がずらずら。営むのは、脚本家の岩澤勝己さんと陶芸家のいわさわひろみさん夫妻。隣の米店がひろみさんの実家で、ふっくらツヤピカごはんが主役級だ。「肉嫌いも食べる」三元豚は外せない味で、昼酒派のための肴も心憎い。また、見逃せないのが数々の催しだ。音楽ライブ、映画上映、狂言公演など、「自分で出かけるのが大変なので、うちでやってもらってるんです」。
『大黒屋食堂』店舗詳細
『中華定食 喜楽』五臓六腑が喜ぶ、町中華の威力[川越]
店主の石橋久芳さんが出前に出れば、妻の和子さんが鍋を振り注文をこなす。二人三脚で営む正統派町中華は、じっくり煮出した豚ガラスープに、昆布と野菜を加えた、昔懐かしいラーメンの滋味深さにほれぼれ。実家で丹精込めて作った魚沼産コシヒカリのごはんをよそった定食ファンも数知れず。なかでも国産豚ロースの生姜焼定食は香りが際立ち、ヌマる人が続出。丼モノ、目玉焼きなど一品料理、夜だけの日替わり魚定食もあり、使い勝手は無限大だ。
『中華定食 喜楽』店舗詳細
取材・文=林さゆり 撮影=佐藤佑治、山出高士