香川一福 神田店
爽やかな酸味、見た目にも涼しげ
のびのある細めの自家製麺とさば節を利かせた香り高いつゆが特徴。かけ(あつかけ、ひやかけ、そのまま)小460 円、中530 円、大600円に、天ぷらなどをトッピングするのが基本。季節替わりのうどんもあり、夏季は宮崎県日向産のヘベスという柑橘類を薄切りにして浮かべたヘベすうどん(小)620 円が登場。出汁が効いた冷たいつゆにヘベスの香りが移り、ほどよい酸味とほんのり感じる甘みに食が進む。ヘベスには酸化を防止する効果があるというフラボノイドがたくさん含まれているので、夏バテ克服にもぴったり。
『香川一福 神田店』店舗詳細
うどん 丸香
貴重な天然物の鳴門ワカメがどっさり入る
店主の谷口春紀さんは香川県出身で、本場にも負けない本格的な讃岐うどんを打つ。朝5時から打ち始めるといううどんは、細身でありながら、口の中で弾むような食感だ。2004年からの定番メニュー・わかめうどんを2017年にリニューアル。「総天然冷やわかめうどん」の丼の表面を覆い隠すのは、少なくなった専門の漁師さんが、箱メガネと鎌で刈り取った希少な鳴門産の天然ワカメ。いりこ出汁のつゆに、天然ワカメの風味が加わり、一層奥深い味わいを生み出している。香川産の青ネギがアクセントになる。
『うどん 丸香』店舗詳細
讃岐うどんいわい
シンプル・イズ・ベストの「ひやひや」
香川県の『宮武うどん』で修業した店主、岩井佑介さんは、自ら打ったうどんを高松まで持っていき、チェックしてもらうほどその味に惚れこんでいる。小麦粉、醤油、酒、みりんなども現地から取り寄せ、いりこを主にした出汁も宮武直伝。メニューは宮武伝統のあつあつ・ひやあつ・ひやひやがいずれも小350円、中450円、大550 円。トマトキーマカレー、鶏天レモンおろししょうゆなど、日替わりうどんも楽しみ。
『讃岐うどんいわい』店舗詳細
自家製麺うどん五葵
噛むほどに味が出る吉田のうどん
吉田のうどんに魅せられた、店主の戸部さんは、讃岐うどんの学校に通った後、さらに富士吉田で修業をした。麺は、ガッシリとして噛み応えのある吉田のうどん(黒)か喉越しのいい讃岐うどん(白)から選べる(温かいうどん520円)。吉田のうどんの上にキャベツやしらす、刻み海苔などがたっぷりとのった「しらすとキャベツのせうどん(冷)」は夏の人気メニュー。紀州梅の風味がいいアクセント。
『自家製麺うどん五葵』店舗詳細
太常うどん
アボカドとうどんの意外な出合い
江戸時代から続く青果卸の5代目、川北晃右さんは、うどん好きが高じて自ら開店。出汁は利尻産昆布、瀬戸内海産いりこ、熊本産さば節とうるめなどを使用し、うどんは香川から取り寄せた小麦粉を使用して自家製麺。この店では九条葱うどんやレタスうどん、野菜天ぷらなど、野菜に注目したい。クリーミーなアボカドがうどんとよく絡むアボカドうどんは、つゆに浮かぶ白いうどんと緑のアボカドが見た目にも涼感たっぷり。
『太常うどん』店舗詳細
神田尾張屋きしめん店
表面ツルツル!薬味とまぜてすするべし
そば屋のきしめんが評判となり、昭和39年に独立。さらに先々代が名古屋で修業し、磨きをかけた。こねた生地を幅広に切り、干しながら熟成させることで、旨味と弾力を生み、表面がつやすべとなる。かえし、たまり醤油を用いるきしころのつゆは、出汁をかつお節一本でいく東京風。甘く炊いた揚げと薬味の食感をアクセントにした、ぴらぴらの麺が涼やか。夏はアサリ、秋は栗など、季節のかやくご飯も付き、ボリューム満載だ。
『神田尾張屋きしめん店』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、塙 広明・速志 淳(アド・グリーン) 撮影=井原淳一、加藤昌人、本野克佳、丸毛 透