ニンニク炸裂の十条ソウルフード『とん八』

からし焼800円、ライス中200円、みそ汁100円、お新香250円。ライスは、少々~大まで用意。酒の締めにライス少々という通客も。
からし焼800円、ライス中200円、みそ汁100円、お新香250円。ライスは、少々~大まで用意。酒の締めにライス少々という通客も。

看板は元祖からし焼。辛いもの好きの先代が作ったまかないに客がそそられ、以来、店のヒットメニューとなった。「最初はとんかつ屋だったんですけどね」と、2代目の伊藤尚人さんは笑う。ラードで豚バラ肉をあおり、すりおろしニンニクやショウガ、唐辛子で味を整えたからし焼は、タレに絡めた一丁の絹豆腐とともに、皿にてんこ盛り。甘みの奥から鮮烈な辛味が押し寄せて、汗が噴き出してくる。風邪も一撃の威力に、誰もが心を鷲(わし)づかみにされる。

火柱を上げて鍋をあおる伊藤さん。
火柱を上げて鍋をあおる伊藤さん。
リニューアルしたが、1964年より営む。
リニューアルしたが、1964年より営む。

『とん八』店舗詳細

住所:東京都北区東十条3-17-9/営業時間:11:30~14:00・17:00~20:00/定休日:木/アクセス:JR京浜東北線東十条駅から徒歩1分

拝みたくなるとんかつ定食『みのや』

ロースとんかつ定食は驚愕の600円!キャベツを直前に投入して甘みと食感を醸す豚汁付きだ。とんかつのお持ち帰り率も高い。
ロースとんかつ定食は驚愕の600円!キャベツを直前に投入して甘みと食感を醸す豚汁付きだ。とんかつのお持ち帰り率も高い。

1960年よりとんかつ界の価格破壊を牽引。1日平均200食は出る人気筆頭がロースとんかつだ。「仕入先にも協力してもらっているから、できるんです」と、2代目店主の原敏郎さんは控えめに話すが、その分厚さには誰もが感嘆。冷めても柔らかな肉質を保つカナダ産三元豚の肉塊を、ていねいに掃除してから切り分ける。常に新しいラードを注ぎ足して揚げるため、甘みとコクはあれど、しつこさなんてない。地元の人が「十条の宝」と口にするのも納得。

昼時は並ぶことも。
昼時は並ぶことも。
初代女将の原チヨさんと2代目の敏郎さん。3代目も店に立つ。
初代女将の原チヨさんと2代目の敏郎さん。3代目も店に立つ。

『みのや』店舗詳細

住所:東京都北区中十条3-17-4 /営業時間:11:00~14:00・17:00~22:00 (昼夜ともに売り切れ次第終了)/定休日:日/アクセス:JR京浜東北線東十条駅から徒歩1分

三度楽しめる、マイルドなレッドカレー『二色カレーの店ユマ・ミーナ』

二色カレー。レギュラー野菜カレー900円に+250円でタイ風レッドカレー(チキン)を組み合わせ二色カレーに。
二色カレー。レギュラー野菜カレー900円に+250円でタイ風レッドカレー(チキン)を組み合わせ二色カレーに。

季節にあわせて種類が変わる14、15種類の素揚げ野菜がのったレギュラーカレーとタイ風レッドカレーを盛り合わせた二色カレーは、混ぜれば三度楽しめる一品。「タイ料理の匂いが苦手」という店主の丸山ミナコさんがあくまでタイ風なのよというとおり、香草や香辛料のくせがなく、ココナッツミルクたっぷりのマイルド風味。言われてうれしい一言は「胃にもたれないカレー」だそう。約20年にわたって愛されてきたやさしいカレーだ。

笑顔が素敵な店主の丸山さん。
笑顔が素敵な店主の丸山さん。

『二色カレーの店ユマ・ミーナ』店舗詳細

住所:東京都北区十条仲原1-10-8/営業時間:11:30~15:30/定休日:不定/アクセス:JR埼京線十条駅から徒歩3分

十条の学生さん御用達のボリュームカレー『Curry&Coffee TIME』

カレー&ドライ 850円。ベースのカレーのスパイスの配合は、カルダモンの香りを少々感じられるようにしている。辛さは10倍まで選択可能。
カレー&ドライ 850円。ベースのカレーのスパイスの配合は、カルダモンの香りを少々感じられるようにしている。辛さは10倍まで選択可能。

“ほっとするカレーを作りたい”と刺激の強くないスパイスを数種類ブレンドしたカレーを、数種のジャムやチャツネで甘みを出したドライカレーにとろりとかけたカレー&ドライ。そこにゴロゴロ転がる豚バラの塊は「学生さんを満足させたい」との思いからだが、煮込んでから1日寝かせ、かなり柔らかく仕上げてあるので年齢に関係なくぺろっといけてしまう。これでも多いなぁという人には、ちょいミニサイズも用意しているからご安心を。

十条銀座西通り商店街脇の路地に立地。
十条銀座西通り商店街脇の路地に立地。
店主の遠藤千種さん。
店主の遠藤千種さん。

『Curry&Coffee TIME』店舗詳細

住所:東京都北区上十条2-24-6/営業時間:11:30~15:30・18:30~20:00/定休日:日/アクセス:JR埼京線十条駅から徒歩3分

シンプル・イズ・ベストの「ひやひや」『讃岐うどん いわい』

ひやひや(中)450円。うどん玉を作って足踏みし、1日寝かせてからのばし、手切りする。やや細めで角が立っているのが特徴。
ひやひや(中)450円。うどん玉を作って足踏みし、1日寝かせてからのばし、手切りする。やや細めで角が立っているのが特徴。

香川県の『宮武うどん』で修業した店主、岩井佑介さんは、自ら打ったうどんを高松まで持っていき、チェックしてもらうほどその味に惚れこんでいる。小麦粉、醤油、酒、みりんなども現地から取り寄せ、いりこを主にした出汁も宮武直伝。メニューは宮武伝統のあつあつ・ひやあつ・ひやひやがいずれも小350円、中450円、大550 円。トマトキーマカレー、鶏天レモンおろししょうゆなど、日替わりうどんも楽しみ。

喉越しを重視するため、冷やしが多い夏は細め、温かいうどんが多い冬は太めに打つ。
喉越しを重視するため、冷やしが多い夏は細め、温かいうどんが多い冬は太めに打つ。

『讃岐うどん いわい』店舗詳細

住所:東京都北区上十条3-28-7/営業時間:11:00~14:30・17:30~21:00(日は10:00~15:00のみ)/定休日:月/アクセス:JR埼京線十条駅から徒歩5分

取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) ・塙広明・速志淳(アド・グリーン)、フリート横田 撮影=山出高士、丸毛透、加藤昌人、井原淳一、市原浩二

東京最北端の繁華街として栄える赤羽。その中心部にあるJR赤羽駅は、1日10万人近い乗降者数を誇る要衝駅として、街のにぎわいを支える。 駅の東口には昔ながらの横丁や商店街がドシンと構え、昼間から酔ったオヤジが管を巻いていたり、威勢のいいお母さんたちが井戸端会議に花を咲かせていたり。かと思えば女子に受けそうなバーやカフェもある。駅の西側にはショッピングモールやスーパーマーケットが並び、学生や子育て世代からも人気のエリアだ。