チャーシューたっぷりでやさしい味が魅力『喜多方ラーメン坂内 高円寺北口店』
「週に2、3回食べに来る女性のお客さんもいますよ。そんなに好きでいてくれるのかと嬉しくなります」と『喜多方ラーメン坂内(きたかたラーメンばんない)高円寺北口店』店長の石丸国宏(いしまるくにひろ)さんは話す。
『喜多方ラーメン坂内』が出しているのは、あっさりした醤油味のラーメン。いちばんシンプルなメニュー、喜多方ラーメンは760円と割安にもかかわらずチャーシューが5枚ものっている。
フランチャイズ展開している『喜多方ラーメン坂内』は2023年3月現在で全国14の都県に64も店がある。フランチャイズというと、本部から食材が送られてきて、調理は最後の部分を行うだけなのかと思えば、そうではなく、スープもチャーシューも、お店で手間暇かけて作っている。
『喜多方ラーメン坂内 高円寺北口店』店舗詳細
秘伝の味噌ダレがポイント。『味噌ラーメン専門店 味噌一 高円寺店』
『味噌ラーメン専門店 味噌一 高円寺店』は1993年にオープンし、2023年には30周年を迎える。月曜日は21時閉店だが、他の曜日は明け方5時まで営業していて、深夜に働く人にも人気だ。
圧倒的な人気メニューは、シンプルな味噌一らーめん800円。オリジナルの味噌ダレがポイントで、レシピは社内でも一部の人だけが知っている。シャキシャキした食感のもやしや豆苗、コーンが彩りよく盛り付けられて、ぱつんと歯切れのいい太麺も食べ応えがあっていい。
『味噌ラーメン専門店 味噌一 高円寺店』では、入り口付近に味付け玉子、火吹きメンマ、火吹きもやしが置かれている。セルフサービスでカンパとして小銭を缶に入れると食べられるメニューだ。集まったお金は交通遺児育英会や埼玉のNPO、松ぼっくりの会に寄付されている。
『味噌ラーメン専門店 味噌一 高円寺店』店舗詳細
シンプルなメニューでも満足感あり『麺処 田ぶし 高円寺本店』
2003年に高円寺に1号店をオープンした『麺処 田ぶし』。今やインドネシアのジャカルタにまで店は広がり、焼き鳥店やビストロ居酒屋などを含む飲食店企業に成長した。
本家 田ぶし らーめんは、チャーシューに卵、メンマとネギ、ノリとラーメンらしい具材がのって、ラーメンを食べるぞという気持ちが盛り上がる。
具材以上に、魚介の旨みと香りで香ばしく仕上がった自慢の香味油と店舗ごとに作るもっちりした麺が決め手。もちろんスープも自慢で、2日かけて完成させている。
さらに腹ペコで訪れた人に嬉しいのが大盛り無料というサービスだ。対象はつけ麺も含む全てのラーメンのメニューだ。「7、8割の人が大盛りを頼みますね」というから、若い人が多い高円寺らしい。
『麺処 田ぶし 高円寺本店』店舗詳細
飲んで食べて締めにラーメンを『二階麺肴酒店 黒黒黒』
『黒黒黒』と書いて“ミクロ”と読ませる『二階麺肴酒店 黒黒黒(にかいめんさかなさけてん ミクロ)』は、「お酒を飲みながら中華料理や懐かしさのある一品料理をつまみ、ラーメンで締める」スタイルの店だ。
豚足は、紹興酒とブランデー、数種類のスパイスを使ったタレを注ぎ足しながら、長時間煮込んで仕上げている。マーラーよだれどりは、鶏胸肉が程よく柔らかい。そして意外な組み合わせのザーサイセロリがさっぱりと箸休めにちょうどいい。
忘れてならない締めのラーメンの代表格、煮干し中華そばは、煮干しと昆布を煮出したスープに、配合にこだわった4種類の醤油をブレンドしたカエシを加えている。スープのストレートな醤油味と、煮干し由来の苦味のコンビネーションは「お酒のあとにいいんですよ」とスタッフさん。
『二階麺肴酒店 黒黒黒』店舗詳細
スパイスたっぷりでオリジナリティあり『混ぜそばみなみ』
『混ぜそばみなみ』の台湾混ぜそばは、スパイス使いが特徴だ。パウダー状の八角、花椒、桂皮、クローブを混ぜた台湾の伝統的なミックススパイス、五香粉をベースとして、別途粗挽きの黒胡椒とコリアンダーシードを加えている。コリアンダーシードは、注文が入ってからカウンターに置かれたミルで挽いて、生のまま加えている。
具として盛り付けられているのは、味をつけたミンチ肉、ニラ、ネギ、ニンニク、魚粉など。表面がツルツルしていて喉越しのいい麺を口に入れると、最初のひと噛みで、粗挽きのスパイスの香りや食感を感じる。その驚きを演出したくて、生のままコリアンダーシードを使っているのだ。具の粗挽き肉、野菜などは混ぜられて渾然一体となっているが、口のなかでそれぞれが程よく主張するのも楽しい。
『混ぜそばみなみ』店舗詳細
辛さとシビレが選べる「赤」ラーメンが名物の『麺昇 神の手』
新高円寺のラーメン店『麺昇 神の手』では、常連さんたちはラーメンを色で注文する。通称「赤」と呼ばれる四川風辛味噌ラーメンのほか、醤油ラーメンは「黒」、味噌ラーメンは「黄」、ホワイトソースを使った「白」と、バラエティが豊富だ。「赤」こと四川風辛味噌ラーメンは、唐辛子と山椒の量を選べる。抜、少、普、増、天国とそれぞれ5段階にカスタマイズ可能だ。
辛さとシビレが魅力の四川風辛味噌ラーメンは、食べ終わった後も特にシビレの余韻がしばらく続いて、心地いい。
店主が長く修業した鉄板焼きのメニューも充実。ラーメンのサイドメニューとして餃子も人気だ。餃子はもっちりとした皮に野菜もたっぷり入った餡がぎっしり詰まっている。鉄板焼きの要領で、じっくり10分ほど、何度か水を垂らしてふっくら仕上げている。
『麺昇 神の手』店舗詳細
取材・文・撮影=野崎さおり