マンガ読み放題、学割もあり。カレーの具は無限の組み合わせ。『蒲田 松家カレー』
かつて蒲田駅東口にあった「松屋カレー」の閉店に伴い、「この味を残したい」と、その店の常連客だったという千垣内さんが、のれん分けという形で1996年に現在地にオープン。店内に入って驚くのは、ぎっしりと並んだマンガ本の数々。客の大半は、カレーが出るまでマンガを読んで待つ。お目当てのカレーは、ポークカレーの松家カレーと、牛すじカレーの2種類。先代から受け継いだスパイスを使っている松家カレーは、塩分・辛さ控えめのマイルドカレーで、玉ネギの甘さを感じるやや甘めのルーだ。温野菜や唐揚げ、豚塩焼カレー、サーロインステーキなど約20種類のトッピングがあり、組み合わせは無限大。ライスの量も中盛・大盛までは無料。超盛(150g)、激盛、鬼盛はプラス100円、勝盛、爆盛(450g)はプラス200円。
『蒲田 松家カレー』店舗詳細
並んでも食べたいとんかつの名店が手がけるカツカレー専門店。『とんかつ檍のカレー屋いっぺこっぺ』
とんかつ屋と並んでカレー屋の入り口がある。とんかつの名店『とんかつ檍(あおき)』が営むカツカレー専門店と聞いて納得。肉の柔らかさと脂の甘みが特徴の千葉県産豚肉・林SPFを使用したとんかつは、高級パン粉を使ったサクサクの食感も評判。カレーは、数種類のスパイスと約5時間かけて野菜と豚から旨み成分を抽出するスープを合わせて作っている。そのため、トロッとしたルーに仕上がっており、スパイスの刺激の奥に、コクが感じられる。中辛の大人向けな味わいだ。とんかつは、カレーとともに食べてもよいが、卓上に用意された岩塩をつけて味わえば、とんかつそのものの旨味を楽しめる。
『とんかつ檍のカレー屋いっぺこっぺ』
黒い濃厚カレーと澄んだスープのラーメンで二刀流!『インディアン本店』
正式な店名は『武田流 古式カレーライス 支那そば インディアン本店』。先代の武田金蔵氏は、カレーライスを看板メニューにした洋食屋を開業。店名に「武田流 古式カレーライス」という冠をつけたところに、現店主の武田氏へのリスペクトする気持ちが表れている。カレーに用いる素材は、小麦粉、玉ねぎ、フルーツ、調合スパイス。ルーが黒いのは、焦げる寸前までじっくり炒めた玉ねぎによるもので、濃厚なコクとほんのり苦みを感じる。もう一つの看板メニューである支那そばは、洋食屋の時代からコンソメ代わりに出していた塩味スープに麺を入れて出したのが始まり。スープは魚介と香味野菜で作り、牛・豚・鶏は使わない。透明感のある黄金色のスープで、焦がしねぎが味のアクセントになっている。客の大半が注文するのが「支那そばと半カレー」1100円。普通サイズのカレーライスの場合は「支那そばとカレー」1300円となり、常連客はこれを「定食」と呼ぶ。
『インディアン本店』店舗詳細
大田区初のスープカレー専門店。『スープカレー ムラカリータ』
札幌で誕生し、全国に広まったスープカレー。『スープカレー ムラカリータ』は、本場・札幌で食べたスープカレーに魅了された店主が、脱サラをして開業した大田区初のスープカレー専門店。基本のメニューはチキンスープカレー。メインの具となるチキンレッグ(骨付き鶏もも肉)は、コンフィをしてからフライパンで皮に焼き目を付け、最後にオーブンで全体をパリッと仕上げている。トッピングする野菜の品数で価格が変わり、基本の野菜6品950円は、じゃがいも、にんじん、なす、ブロッコリー、カボチャ、トマト。野菜10品1200円、野菜14品1500円。トッピングの野菜は大きく、色どりもよいので写真映えする。
『スープカレー ムラカリータ』店舗詳細
取材・文・撮影=塙 広明・千葉香苗