本場・札幌で食べた味に衝撃を受け、脱サラして開業

店内が見えるガラス張り。
店内が見えるガラス張り。

店主の村田知保(ともやす)さんは、IT関連の企業でマーケティングの仕事をしていた。出張で全国を訪れたが、札幌には50回ほど行ったという。ここで出合ったのがスープカレーだった。

今までに食べたことがないカレーに衝撃を受け、出張するたびにスープカレーの店をまわった。やがて起業を決意し、スープカレーの店を営む友人からレシピを学び、2021年3月にオープン。

蒲田は村田さんの地元であることから、地元を盛り上げたいという想いがあり、他地域での開業は最初から考えていなかったという。結果的に大田区初のスープカレー専門店となり、「地元の方々に喜ばれたのが本当に嬉しかった」と村田さんは話す。

おしゃれな店だから女性一人でも気軽に利用できる

スタイリッシュであり、なおかつナチュラル感もある店内。
スタイリッシュであり、なおかつナチュラル感もある店内。

店はJR蒲田駅西口から歩いて2分ほどの一番街すずらん通りにある。外観は黄色い扉とイラストをあしらった看板が印象的で、女性一人でも入りやすそうな雰囲気がある。

村田さんが前職で販売していた建築プレゼンソフトを駆使してデザインしたという店内は、カウンター4席、2人掛けテーブル2卓、4人掛けテーブル1卓というコンパクトな造り。厚みの異なるウッドパネルを貼り合わせたモザイク調の壁と木製のテーブルと椅子がナチュラル感を醸し出す。

店名やSOUP CURRY(スープカレー)の文字が入ったオリジナルグッズ。
店名やSOUP CURRY(スープカレー)の文字が入ったオリジナルグッズ。

店名のロゴやオリジナルTシャツ、キャップ、コースターなどは、友人のデザイナーが手がけたもの。「お客様からの評判もよく、購入したいと言われる方もいらっしゃいます」とのこと。

大きめな鶏肉と野菜をトッピングしたビジュアル効果抜群のスープカレー

野菜は大ぶりのカットで彩りもよく写真映えする。スープカレーの料金はライス込み。
野菜は大ぶりのカットで彩りもよく写真映えする。スープカレーの料金はライス込み。

スープカレーは、文字どおりサラサラとしたスープ状のカレー。通常の煮込んだカレーとは異なり、スープと具は別々に調理する。

基本のメニューはチキンスープカレー。メインの具はチキンレッグ(骨付き鶏もも肉)。コンフィをしてからフライパンで皮に焼き目を付け、最後にオーブンで全体をパリッと仕上げている。

これに、野菜をトッピングするわけだが、野菜の品数で価格が変わる。基本の野菜6品950円は、じゃがいも、にんじん、なす、ブロッコリー、カボチャ、トマト。

追加の野菜は季節や仕入れによって異なるが、この日の野菜10品1200円は、基本の6品にレンコン、パプリカ、ズッキーニ、ヤングコーンが加わる。

野菜14品1500円は、さらに農家から直送された三浦野菜や鎌倉野菜などのブランド野菜4品が追加される。この日は、新ゴボウ、紅くるり大根、青芯大根、冬瓜だった。当日の野菜は、厨房側に「本日のお野菜リスト」が掲示されているので参考にするといい。

このほか、玉子やパクチー、ベーコン、ソーセージ、チーズなどをトッピング100円~することもでき、辛さも5段階から選ぶことができる。

店主・村田さんとともに厨房に立つお母さん。
店主・村田さんとともに厨房に立つお母さん。

最近は、チキン以外の食材を使ったスープカレーにもチャレンジしている。シーフードスープカレー1600円(1日10食限定)は、甘エビの出汁が効いた海老スープに、頭から尻尾まで丸ごと食べられるソフトシェルと、大きめサイズのホタテのバターソテー、ムール貝をトッピング。「お客様からの評判もいいので、新しい店の看板料理になるかもしれませんね」と店主が話す。

ランチタイム限定のお母さんザンギ定食900円は、ニンニクがきいたオリジナルの特製タレに漬け込んだ鶏の唐揚げ定食。一緒に働く店主のお母さん・村田育子さんが考案した料理だ。

住所:東京都大田区西蒲田7-5-2/営業時間:11:30~14:00LO・17:00~19:15LO(日は昼のみ)/定休日:月/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩2分

取材・文・撮影=塙 広明