現存十二天守最北の城、弘前城
先ず一つ目は青森県弘前にある弘前城である!!
この城は現存天守を持つ城で、現存十二天守最北の城である!!
そして東日本で唯一の現存天守を持つ城なのじゃ。
じゃが! この城の見所は天守だけにあらず、三つの櫓と五つの門が現存しておってそれぞれが重要文化財に指定されておる!
それぞれの櫓も門も実に豪壮で、城の構造も入り組んでおらず分かりやすい作りとなっており、築城技術が精錬された江戸時代の城ならではの豊かさがある。起伏も少なく歩きやすい城じゃ!
して、この城は桜も実に美しく毎年春には「弘前さくらまつり」も催され多くの人でにぎわうのじゃ!
本州の北端に位置する故に桜の開花が遅く例年四月の下旬から五月の上旬が見頃だそうだで、花見をしそびれたものにも誂え向きであるわな!!
因みにこの城を築いた津軽家はもともとこの辺りを治めておった南部家の重臣であったのじゃが、秀吉の東北征伐に乗じて独立を果たし弘前を治めるに至っておる。
この経緯から、かつての主家である南部家が治めておった八戸藩とは非常に仲が悪く、江戸幕府が両藩の参勤交代の時期が被らないよう気を配るなど日本で一番戦が起こる恐れがある場所として危険視されておったのじゃ。
更に青森県が誕生し県庁所在地が青森市であることにも、この両家の不仲が関係しておると言われておる!
廃藩置県で両藩が合併された折に、八戸と弘前のどちらかを県庁所在地とすると選ばれなかった側が不服に思い、争いの火種になることを恐れた。
よって弘前と八戸の中間に位置する青森が県庁所在地となって青森県が誕生したというわけじゃ! ……ま、諸説はあるがな。
圧巻の石垣、丸亀城
次に紹介致すのは丸亀城!!
この城の魅力はなんといっても石垣である!!
この城の石垣は四段から成っておるのじゃが、合わせた高さは日本一で城ならでは迫力を感じるにはもってこいの城じゃ!
城の天守にしか関心がない者もこの城を見れば石垣の魅力に気づくのではなかろうか。
城の外からもよく見える石垣はまさに圧巻。
街から眺める姿は非現実的な美しさである。
しかもこの城、現存天守を持つ城であり最も小さい現存天守を見ることができる。
日本一高い石垣と日本一小さい天守が実に良い対比となっておるわな。
この丸亀城には面白い逸話も残っておる。
江戸時代、一国一城令が出された折にこの城は一度廃城となったのじゃが、この城を壊すことを惜しんだ当時の藩主生駒家はなんと、この城の周りに植樹をいたしてこの城を隠したそうじゃ!
その後に讃岐国が分割され、丸亀藩が起こったことでこの城は再び日の目を見ることとなり、今に続いたという次第である、
して、丸亀城がある香川県は皆も知る通りうどんが名物であるわな。
この丸亀城の周りにも多くのうどん屋がある為に食とともに楽しむのが勧めである。
此度紹介した丸亀城の他に、四国には三つの現存天守を持つ城がある。
現存十二天守のうち四つが四国にあるわけじゃ。
現存天守の他にも名城が数多くある故に四国城巡りをしても楽しいであろうな!!
古代日本の大集落、吉野ヶ里遺跡
此度最後に紹介致すのは、吉野ヶ里遺跡である!
城? と思った者もおるであろうが、吉野ヶ里遺跡は「日本100名城(R)」にも選ばれておるでよいであろう!
この地は弥生時代の大規模なムラとクニの後が発掘された古代日本の大集落の跡地である。
世界的にみても誠に貴重な遺跡であるのじゃが、現世においてこの場所は吉野ヶ里歴史公園として整備され、老若男女が楽しめる体験型施設となっておるのじゃ!!
公園の中には弥生時代のムラの様子が復元されておって当時の生活の様子が知れるようになっておる。
弥生時代はムラやクニといった大きな集合体ができ始め、他のムラとの争いが起きるようになった時代、故にムラを守る堀や柵、物見櫓が築かれておった。
我らの時代の城の原型でもあるわな。
どうじゃ! なかなかの迫力であろう。
この公園は実に広く、復元されたムラがいくつもあって櫓から見る景色も弥生時代そのもの。
弥生時代にやってきたかのような感覚が楽しめるようになっておる!!
して、公園内にある『弥生くらし館』や『古代の森体験館』では弥生時代のものづくりを体験できるのじゃ!
勾玉や組紐、銅鐸や鏡など沢山の種類があって大人も子供も楽しめるが故に皆も挑戦してみるが良いぞ!
体験ができるものは時期や曜日によっても異なるで興味が湧いたものはよく調べてから参るがよかろう!!
終いに
此度の戦国がたりはいかがであったか!!
儂の本分とも言える城の話で意気揚々と語って参ったわ。
じゃが、皆に知らしめたい城が多すぎて三つに絞るに難儀した。
今は気候もよく城を巡るにはもってこいだで皆も近くの城に訪れてみるがよかろう!!(名古屋おもてなし武将隊のブログでは儂が百名城を紹介いたしておるで、此度の戦国がたりを読んで他の城にも興味を持ったものは除いてみるが良いぞ!!)
さて、この辺りで此度の戦国がたりは終いといたそう。
次の戦国がたりで会おう!
さらばじゃ!
写真・文=前田利家(名古屋おもてなし武将隊)