気軽にビートルズを弾けるハコ
「幼稚園の頃から好きなんです。テレビ番組『ひらけ! ポンキッキ』で『ラブ・ミー・ドゥー』とか流れていて歌っていました」。そう話すのは店長の諸橋賢さん。新潟出身の彼は小6のときに2つ年上のお兄さんと共同出資でギターを買い、音楽にどっぷり浸かった。上京後はバンド活動をしながら看護士をしていたが、音楽を仕事にしたいと2010年にオープンさせたのがこの店だ。
「店名を考えていたときにオノ・ヨーコの『グレープフルーツ・ジュース』を読んだら、ヨーコが“Breath”ってジョンにいってたんです。それが格好良いって思って。遠くから見ると“BEATLES”っぽいし(笑)」。以来、ビートルズのハコとして知名度を高めている。
「アマチュアバンドに気軽にライブを楽しんでもらうのがうちのスタンス」と諸橋さん。この11月には上野恩賜公園野外ステージで「TOKYOビートルズフェス」を主催するなど、ビートルズを軸に、音楽で人と人とをつないでいる。そんな彼に今後の目標を尋ねると「最終目標は武道館のステージ」と、心躍る答えが返ってきた。「66年のあのステージをアマチュアバンドに再現してほしい。それが僕の夢です」。
『下北沢BREATH』のマジカルミステリーツアーはまだまだ幕を開けたばかりだ。
大学の仲間とビートルズを奏でる
B.B.Brothersは青山学院大学のビートルズサークル出身者によるバンド。今は年に数回、メンバーの結婚式でライブを披露するほか、『下北沢BREATH』などのライブハウスに出演し活動を続けている。それぞれいろんな音楽を聴き、好きな音楽もバラバラ、「バンド仲間というよりも飲み仲間」とメンバーは照れるが、彼らの音楽の核をなすのは間違いなくビートルズだ。大学を卒業した後も、ビートルズの音が彼らの絆をしっかりとつないでいる。
取材・文=半澤則吉 撮影=小野広幸