久高島とは?
久高島は沖縄本島南部、那覇空港から車で約40分の南城市の沖合5㎞に浮かぶ周囲約8㎞の小さな島。南城市の安座間港からは定期船が毎日6便前後出航しており、高速船ならわずか15分、フェリーなら25分程度で到着する。日帰りも可能だが宿泊するなら、数軒ある民宿や宿泊施設「久高島宿泊交流館」を利用しよう。ただし繁忙期には混み合うこともあるので、早めの予約を。
久高島が神の島である理由
琉球の開闢(かいびゃく)神話によると、久高島はアマミキヨという神が、ニライカナイといわれる神の世界から舞い降りて国づくりを始めた最初の場所。島内にはアマミキヨにゆかりの深い場所が点在し、今なお信仰の対象として大切にされている。また『琉球国王由来記』によれば「イシキ浜」に五穀の種が入った壺が流れ着き、そこから農業が始まったという伝説がある。これも久高島全体が神の島、聖なる島とされる所以である。
神事「イザイホー」
琉球王朝時代、最高位の神女だった聞得大君(きこえおおきみ)と国王はこの島での参詣を欠かすことはなかった。のちにノロ(祝女)という神職の女性たちに神事は一任された。「イザイホー」はそのノロたちが取り計らう祭祀で、12年に一度午年に行われていたが、現在では後継者がなく、昭和53年(1978)を最後に途絶えてしまっている。
島でのルール
久高島に残る神聖な御嶽(うたき)や史跡を大切にし、住民の暮らしを尊重する姿勢が何よりも大切だ。普通のリゾート地のように水着のまま出歩くことは控えること。御嶽や拝所(うがんじゅ)の中には、立ち入りが禁じられている場所もあるので気をつけよう。また島の動植物、海の石や砂、サンゴのかけらなどすべての自然物の持ち出しは禁じられている。ルールが多くて大変という印象を受けるかもしれないが、節度を保ち、島にお邪魔するという気持ちを忘れず楽しみたい。
島の名所
久高島の名所といえば数々の聖地。「フボ―御嶽」は、琉球の創世神・アマミキヨがつくったと言われている琉球七大御獄のひとつで、今なお、島の神人以外何人たりともこの地に足を踏み入れることはできない。他にも、アマミキヨが降り立った最初の場所といわれる「カベール岬」、一見すると空き地だが、天と地を結ぶという不思議な場所「はんちゃたい」、ほとんどの祭祀が行われている「外間殿(ふかまどぅん)」や五穀豊穣の伝説が残る「イシキ浜」など、神の島ならではの見所が多い。
おすすめの島の過ごし方
島へ着いたらまずは、港の近くに点在するレンタサイクルショップへ。島の地形は平坦なので、自転車でもラクに島巡りを楽しめるのだ。他にも有料のガイドツアーを利用するのもおすすめ。久高島の歴史と文化をより深く理解できるはずだ。
自転車を借りたら、カベール岬のある北東端を目指そう。昔ながらの風情を残す集落、石垣に囲まれた小さな路地を自転車で進めば、おのずと久高島の緩やかな時間に身も心もシフトしていく。そして島の東側に広がる「イシキ浜」へ。ここから農業が始まったとされる聖なる海は、ただ潮風を浴びながらのんびりと過ごすのに最適。さらに北へ進むと現れるのが「フボー御嶽」。秘祭「イザイホー」が行われていた聖なる御嶽の周辺には木々が鬱蒼と茂り、厳かな雰囲気をたたえている。
フボー御嶽を後にしたら、海岸沿いのロマンスロードを抜けてさらに北へ進み、最終目的地のカベール岬へ。アマミキヨが降臨したという聖地では、海の向こうにあるとされる「ニライカナイ」に思いをはせたり、魚の泳ぐ姿が見られるほど透明な海を眼下に眺めたり。緩やかに流れる島時間に身をゆだねてみよう。
カベール岬から南下したら、島の美味しいものを楽しむのもいい。港から近い島の北西部には飲食店が数軒あり、イラブー(エラブウミヘビ)など久高島ならでは食材を使った料理が食べられる。より充実した食事なら「久高のシマ時間」というデイグランピング施設もおすすめだ。近くには史跡や名所が集中しており、食事をした後でも島巡りをまだまだ満喫できる。
久高島の名物
最も有名な名物がイラブー(エラブウミヘビ)。イラブーは神様の使いとされている神聖な生き物で、島ではイラブー汁を飲むと半年分の元気がもらえるとされている。その他、海ぶどうなどが特産品で、港の待合室でお土産として販売されている。
協力:沖縄県・(一財)沖縄観光コンベンションビューロー
・久高島の魅力についてもっとみる(外部サイト)
https://ritohaku.okinawastory.jp/15islands/kudakajima/
・久高島の観光情報について(外部サイト)
https://kudaka-island.com/