体にいいお総菜がたっぷりのショーウィンドウ。
体にいいお総菜がたっぷりのショーウィンドウ。

昼どきは大わらわ!BIGママは「みんなのお母さん」

大忙しで次から次へと料理を作る。手前が代表の市川さん、奥がマネージャーの宮原さん。
大忙しで次から次へと料理を作る。手前が代表の市川さん、奥がマネージャーの宮原さん。

揚げ物のいい匂いが漂う昼時の店内。カウンターキッチンの中は、息もつけぬほどの慌ただしさだった。テイクアウトの弁当の盛りつけや総菜の仕込みをしながら店内の客に定食を出す。ショーケースの前には総菜を買う人が並んでいる。次から次へと作業をしながら、常連とのおしゃべりも楽しげだ。代表の市川さんが「BIGママ」と呼ばれるのも納得。まさに「みんなのお母さん」だ。

テイクアウトの弁当も人気。日替わり弁当850円。
テイクアウトの弁当も人気。日替わり弁当850円。

仕入れた野菜を見て、その日のメニューを決定

この日は市川さんの知人の八百屋「まる然」が出店。
この日は市川さんの知人の八百屋「まる然」が出店。

「体にいいものを、おいしく食べてほしい」というのが市川さんの強い気持ち。冷凍野菜は一切使わず、有機栽培やオーガニックにこだわった野菜を全国から仕入れている。中でも、農家が多く、都心からも近い狛江市からは、新鮮な朝採れ野菜を毎朝買い付けている。

野菜のラインナップを見て、その日の献立をスタッフと相談。毎日来る常連のために、昨日の献立とかぶらないように、というのもやさしい気遣いだ。

伺った日は、店先で有機野菜のマーケットが開催されていた。宅配やイベント出店の形で無農薬・自然農法の野菜を販売しており、月に1〜2回不定期で高円寺食堂の店先に現れる。サツマイモの品種がさまざまの焼き芋がとてもおいしいと評判だ。

一番人気は唐揚げ。下味もタレも秘密という秘伝の味

肉と野菜のバランスばっちりの唐揚げ定食980円。
肉と野菜のバランスばっちりの唐揚げ定食980円。

唐揚げ定食はレギュラーメニューだが、副菜は毎日献立が変わる。この日は、ラタトゥイユ、大学いも、ほうれん草とキノコのお浸しに、ご飯と味噌汁。「からあげグランプリ」にノミネートされたこともある特製の唐揚げは、定食でもテイクアウトでも大人気だ。塩麹と調味料に漬け込んだ鶏もも肉に、片栗粉をつけてカラリと揚げ、最後に秘伝のタレをかける。

箸で持ち上げると、外側がカリッとしているのがよくわかる。ひと口食べると、サクサクと軽い食感の薄い衣から、ジュワッとジューシーな旨味が飛び出てきた。下味に入っている塩麹の効果だろうか、鶏肉がとてもやわらかく、しっかり味がついていて食べごたえがある。そしてここにかかった甘しょっぱい秘伝のタレが絶妙。焼肉屋のベテラン料理長である市川さんの叔父が、改良に改良を重ねて作ったという醤油ベースの自慢タレは、複雑な味わいで、カラッと揚がった熱々の唐揚げにじんわり染み込んでいる。白いご飯の進む味だ。

ガッツリした唐揚げに対して、副菜は野菜が中心だ。特にお浸しのほうれん草は甘みがあり、味の濃さが感じられた。薄い味付けのラタトゥイユは、カボチャのホクホク感がよく、野菜そのものの味が楽しめた。

客とスタッフ、両方が笑顔になる店でありたい

常連さんから花のプレゼント。
常連さんから花のプレゼント。

「お母さんの笑顔で、みんなが元気になると思ってます」。子育て中のスタッフが多く在籍するこの店では、その人に合わせた働き方を取り入れている。まずはスタッフが笑顔でいることが重要。そしてその笑顔は、客として来てくれる人たちの笑顔の源になる。体にいいものを提供することで、地域や人とつながり、「もう一つの家」のような温かみのある店にするのが目標だ。

毎日来る常連客の帰り際「昨日は肉で今日は煮物だったから、明日は魚でどう?」と聞く市川さん。客の好みはすべて把握しており、日々のバランスも考える市川さんは、本当にお母さんのようだ。「食べることは生きることだから」。そういってBIGママはにっこりと笑った。

看板や屋根に書かれたロゴが目印。
看板や屋根に書かれたロゴが目印。
住所:東京都杉並区高円寺南2-20-9/営業時間:11:00〜21:00(日・祝は11:00〜18:00)/定休日:無/アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩10分、または地下鉄丸ノ内線新高円寺駅から徒歩2分

取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ 画像提供=高円寺食堂