串焼き 炭心

筑波地鶏と備長炭で作る極上焼き鳥

多くの客が注文するレバー290円とつくね370円。
多くの客が注文するレバー290円とつくね370円。

店主の高林正隆さんと奥さんの二人で切り盛りする店は、気取りがなく、すぐに打ち解けられそうなアットホームな雰囲気がある。筑波の広大な飼育場でオーガニック飼料で育てた筑波地鶏を使い、備長炭で焼く焼き鳥は、大きめカットで食べごたえあり。なかでも高林さんが「自信あり!」と力説したのがレバー。ふっくらと焼けたレバーは粒が大きく、臭みもなく、タレとの相性もいい。鶏肉と鴨肉のミンチ、玉ねぎ、ユズ、タレを混ぜ合わせて、手練りする自家製つくねも自信作だ。

「食材と調味料、そして炭にこだわっています」と話す店主の高林正隆さん。
「食材と調味料、そして炭にこだわっています」と話す店主の高林正隆さん。
店内はカウンター7席と4人掛けテーブル3卓。調理はご主人、ホールは奥さんの担当だ。
店内はカウンター7席と4人掛けテーブル3卓。調理はご主人、ホールは奥さんの担当だ。

『串焼き 炭心』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-51-13 小林ビル2F/営業時間:17:00~22:10LO/定休日:月・第1火/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩5分

若鳥焼 鳥樹 蒲田店

注文を受けてから丸鶏を切り分けて調理する鳥焼き

ももたたき1200円(奥)、そぎ身のお造り800円(右)、から揚げ(むね)700円(左)。朝絞めの若鶏だから、いずれもレア状態で提供される。
ももたたき1200円(奥)、そぎ身のお造り800円(右)、から揚げ(むね)700円(左)。朝絞めの若鶏だから、いずれもレア状態で提供される。

この店の焼き鳥は、串に刺して焼くのではなく、注文が入るたびに必要な部位を切り分けて調理するスタイル。看板メニューの「ももたたき」は、まずは皮面を高温でパリッと焼き上げ、続いてひっくり返して身側を焼く。生でも食べられるほど鮮度が良いので焼き加減はレア。自家製のポン酢ダレで味わえば、香ばしい皮や柔らかくジューシーな身は噛むほどに鶏肉本来の旨味が広がる。むね肉をサッと湯通しして、薄くそぎ切りにして、わさび醤油で食べる「そぎ身のお造り」、もも、むね、手羽先、軟骨の4種類が用意されているから揚げも中はレア状態だ。

食鳥処理免許を持つ相原さんは、「鶏肉は鮮度が命」と話す。だから、調理は、注文を受けてから鶏を捌くところから始まる。
食鳥処理免許を持つ相原さんは、「鶏肉は鮮度が命」と話す。だから、調理は、注文を受けてから鶏を捌くところから始まる。
1階はカウンター席と2人掛けのテーブル席。2階は板張りの座敷で、掘りごたつ式のテーブル席となっている。
1階はカウンター席と2人掛けのテーブル席。2階は板張りの座敷で、掘りごたつ式のテーブル席となっている。

『若鳥焼 鳥樹 蒲田店』店舗詳細

梅Q

釜めし、焼き鳥、うなぎを三枚看板に半世紀の老舗

胸の厚い部分を使う皮260円、プリプリ食感のえび塩390円、鶏肉ミンチと玉ねぎで作ったつくね260円。焼き鳥盛合わせ5本1100円。
胸の厚い部分を使う皮260円、プリプリ食感のえび塩390円、鶏肉ミンチと玉ねぎで作ったつくね260円。焼き鳥盛合わせ5本1100円。

昭和45年(1970)、東急プラザ別館の誕生とともに開業。看板料理の釜めしは、秋田県湯沢市産「あきたこまち」を、いりこ出汁を中心にしたオリジナルの魚介スープで炊くので、ふたを開けたときに出汁の香りが鼻をくすぐる。一番人気の特製五目釜めしは、牛肉、エビ、ズワイガニ、ホタテ、ごぼう、しいたけ、錦糸玉子など具だくさん。焼き鳥は1本1本店内で串打ちし、丁寧に焼き上げる。食事中心の店なので、「焼き鳥で一杯」という居酒屋的な客より、食事のサイドメニューとして注文する客が多いそう。もも、ねぎま、レバー、皮、つくね、手羽先など、1本から注文できるのもうれしい。

特製五目釜めし1840円は、通常の五目釜めし1220円とは具の種類や数、質が異なる。
特製五目釜めし1840円は、通常の五目釜めし1220円とは具の種類や数、質が異なる。
飲食店が連なる蒲田東急プラザ別館の1階にあり、純和風の意匠を施した店内は、京風の雅さえ感じさせる上品な造りだ。
飲食店が連なる蒲田東急プラザ別館の1階にあり、純和風の意匠を施した店内は、京風の雅さえ感じさせる上品な造りだ。

『梅Q』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-69-1 蒲田東急プラザ別館1F/営業時間:11:30~14:00LO・17:00~21:00LO/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩3分

鳥万 本店

焼き鳥もいいけど、唐揚げの気分!という日は

蒲田に店を構えて55年以上、飲んべえのランドマークとも言える大衆酒場。酒飲みなら一度は巡礼しておきたい名店だ。どれを食べても“当たり”だが、名物・若鶏の唐揚は食べておきたい。食べ切れるか心配になるボリュームだが、案ずることなかれ。最小限のシンプルな味付けでありながら、正統派なジャンクともいえる味わい。パリッと衣を突き破れば、肉汁が溢れて、唐揚げを持った自分の指まで美味しくなる。常連に愛される刺し身やたくあんなどのつまみも充実しており、〆料理にはオムライスや磯辺もちまである。

300円~500円ほどのリーズナブルな価格。ついつい頼みすぎてしまう。
300円~500円ほどのリーズナブルな価格。ついつい頼みすぎてしまう。
堂々たる風格の4階建ビル。
堂々たる風格の4階建ビル。

『鳥万 本店』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-3-1/営業時間:16:00~23:00(日・祝は15:00~22:00)/定休日:無/アクセス:JR京浜東北線・東急電鉄蒲田駅から徒歩1分

取材・文・撮影=塙 広明、福井 晶

蒲田は、城南を代表する繁華街である。と書くと、それは品川では? いや大井町や中目黒じゃないの? という声が上がるかもしれない。しかし、城南に生まれ育った人間なら知っている。蒲田こそが城南を代表する繁華街であり、城南文化、つまり渋谷や目黒、品川あたりから吹いてくる城南の風の吹き溜まりの街であることを。