「白鷹」の樽酒と楽しむ珠玉の焼き鳥『武ちゃん』【東銀座】
1949年に初代が屋台からスタートし、4年後に現在地へ店を構えて以来、銀座で働く人々の憩いの場として愛され続けている『武ちゃん』。名古屋コーチンを使用した焼き鳥は、備長炭で秒単位まで焼きにこだわっている。タレと塩だけでなく、つくねはカラシ醤油、皮には生醤油と、それぞれの具材に合わせた味付けで食べられる。まずはお得な8本コース4000円、5本コース3000円(各サラダ、大根おろし、スープ付き)を。
『武ちゃん』店舗詳細
職人技の焼き加減。次の1本を考える幸せ『串焼とくり』【千駄木】
焼き鳥に使用するのは、肉質がきめ細やかで旨味が強いつくば茜鷄。空気の流れを考慮して炭の組み方を変え、中火の遠火で脂を落とすことで、臭みのないまろやかな味に仕上げていく。手羽は皮をカリカリに、鴨ネギは埼玉県幸手産合鴨をジュワッとジューシーに焼き上げていく。日本酒からワイン、焼酎まで、全国各地から集めた和洋の酒の品ぞろえは幅広く、自分好みで焼き鳥とのマッチングを探していくのも楽しみだ。
『串焼とくり』店舗詳細
総州古白鶏を使った渾身の1本を味わう『路地裏食堂 たけぞう』【大宮】
赤坂の焼き鳥の名店『ろく助』で研鑽(けんさん)を積んだ、大将の山本充典さんが営む。丁寧な仕込みと卓越した技で仕上げる1本は、弾力のある歯ごたえと旨味、コクが広がる総州古白鶏のささみ串や、自家製生つくねが一押し。焼酎や日本酒、ワインなど季節に応じて取りそろえる酒は、その日のおすすめをスタッフに聞いて注文するといい。総州古白鶏のモモ肉を使った鶏煮込みカレーライス1100円で締めれば、おなかも心も満たされる。
『路地裏食堂 たけぞう』店舗詳細
炭火を操る達人の技。銘柄鶏をコースで贅沢に『とり喜』【錦糸町】
店主自ら串を打ち、備長炭で旨味を逃すことなく一気に焼き上げていく。焼き鳥に使用する赤鶏さつまは、先代と吟味し、鶏肉本来のおいしさと弾力があると意見が一致し、使い続けている。店主が団扇で火力や煙を丁寧にコントロールし、炭の香りをまとわせることで、赤鶏さつま本来の味わいを引き出している。串はアラカルトでの注文も可能だが、旬の野菜を使用した小鉢も楽しめる、おまかせの「鶏懐石」コースで楽しみたい。
『とり喜』店舗詳細
鶏肉のうまさを引き出す焼き鳥や一品料理『焼鶏 Watanabe』【押上】
手ごろな価格帯で上質な串焼きを食べられるのが魅力だ。手羽先には千葉県産水郷赤鶏を、ねぎまは鳥取県産大山(だいせん)どりというように部位ごとに使う銘柄鶏を替え、備長炭で焼き上げていく。一品料理には、白レバー・ムネの鶏刺身2点盛りをはじめ、店主・渡部晃弘さんの出身地・宮崎県から仕入れた親鶏を使った炭火焼きなどが並び、串、刺し、焼きで鶏料理を味わい尽くせる。約5種類をそろえる宮崎の焼酎に、店主の郷土愛を感じる。
『焼鶏 Watanabe』店舗詳細
予約困難な鶏料理店で自家解体のおいしさを『若鳥焼き もばら』【大井町】
食鳥処理場の許認可を受けており、店内で丸鶏を自家解体している。「店内で捌(さば)いているので酸化しにくく、温度帯にも気をつけているのでブロイラーでもおいしい焼き鳥になります」と話すのは、店主の石井正道さん。そのおいしさは、多くの客が注文するもも焼きを食べれば納得。外のロースト感と、中のレア感の焼き加減は絶妙で酒がすすむ。薄い衣のカリッと揚がったから揚げのおいしさもたまらない。
『若鳥焼き もばら』店舗詳細
捌きたてのおいしさ!希少部位の一品に注目『若鳥焼 鳥樹 蒲田店』【蒲田】
朝締めの丸鶏を仕入れ、注文が入るたびに必要な部位を切り分けて調理する。この調理法は、店主・相原卓也さんが、旗の台にある『鳥樹本店』を営む父より教わって踏襲している。焼き鳥も串焼きではなく、部位ごとで網焼きで調理することで、鶏肉本来のおいしさを堪能できるのだ。皮面を高温で焼き上げてから身側を短時間焼いたももたたきや、胸肉をさっと湯通したとり刺身といった料理で、その味わいを堪能できる。
『若鳥焼 鳥樹 蒲田店』店舗詳細
取材・文・撮影=アド・グリーン 撮影=原幹和、丸毛透、逢坂聡、井原淳一、小野広幸
『散歩の達人 東京名酒場』より