浅野屋
商店街に立つ、ほろ酔いを楽しむそば屋
昭和35年創業。環八通りから南に伸びる日の出銀座商店街の一角に立つ店は、コンクリートと白木がつくり出す無機質な外観。かつては出前もする昔ながらのそば屋だったが、2002年にリニューアルし、日本酒とそばを楽しむ店に。日本酒は店主厳選の5種類ほど。酒の肴も多いので、そば前を楽しむ客も多い。そば粉は北海道産、つゆは冷たいそばには本枯節、温かいそばには鯖節を中心にだしを取る。芥子(けし)や柚子(ゆず)など、季節ごとの変わりそばも楽しみだ。
『浅野屋』店舗詳細
寿美吉
店主が惚れ込んだ酒と料理を堪能する
店主の吉田大祐さんは、全国各地の産地を尋ね、生産現場を見て、生産者と話し合い、その人柄に惚れ、納得したものだけを仕入れている。そばは埼玉県三芳町や千葉県成田市、長野県山形村の農家から直接仕入れる。芋焼酎「富乃宝山(とみのほうざん)」のもろみ粕をエサにして育った鹿児島県産「黒宝豚」、横浜の鶏肉専門店から仕入れる鴨肉、富士宮市の北山農園の野菜を使用など、一つひとつの食材に吉田さんの思いがこもっている。ミシュランの三ツ星店などにも卸している焼津の『サスエ鮮魚店』の魚を使った刺し身も自信作だ。
『寿美吉』店舗詳細
酒呑蕎食 〆 TAGURU
酒を飲まない客はお断りのそば酒場
店名に「酒呑」とあるように、この店では、まず酒を注文するのがルール。小さな店なので、そばだけの客と、酒を飲む客が同じ空間を共有することが難しい、というのがその理由だ。日本酒は松美酉(まつみどり/松田町)、泉橋(海老名市)、相模灘(相模原市)など、神奈川県の地酒のみ。季節変わりの酒肴は、なすの揚げひたし385円、板わさ429円など、〆のそばが待っているからボリュームの軽いものが中心。そばは、北海道蘭越町と群馬県赤城の契約農家から送ってもらうソバの実を、その日に使う分だけ製粉し手打ちする。
『酒呑蕎食 〆 TAGURU』店舗詳細
蕎麦ひさ奈
店主のこだわりがうかがえる日本酒でそば前を楽しむ
コンクリート壁に朱色ののれんというおしゃれな外観。少し照明を落とした店内には、タモの一枚板のカウンターがあり、日本料理店のような雰囲気が漂う。「酒を楽しむ店にしたい」と話す店主の青山勝久さん。日本酒は、剣岳(富山)、東北泉(山形)、王禄(島根)など常時5種類ほど。数は少ないが、青山さんが気に入った酒ばかりだ。いたわさやだしまきなど定番の酒肴のほか、揚げたて天ぷらや当日入荷の刺身などもある。そばは、北海道産そば粉を使った細打ちの二八せいろ、荒碾十割生粉打ちのいなかせいろの2種。
『蕎麦ひさ奈』店舗詳細
取材・文・撮影=塙 広明