中華楼
従来の野菜に替えて身構えずメニューに
「チャイナタウンは世界中にあり、各地の野菜で作っているよね」。店主の菊地克己さんの軽やかな説明に、ヨーロッパ野菜で作る中華料理への驚きが吹っ飛んだ。回鍋肉や野菜炒めは、ラディッキオを筆頭に、ゴルゴやケールもどっさり使う。ビーツは赤色を活かして、タンメンのスープをはじめ、炒飯や餃子にも使い、どれも美しい! 「おかげで店としての特徴が生まれ、モチベーションも上がりました」。生産者の顔を浮かべながら考える新作が、続々と誕生する。
『中華楼』店舗詳細
料理処 石屋
築地や小田原のスペシャルな魚を提供
昭和15年(1940)創業の老舗割烹。店内の生簀(いけす)から水揚げしたばかりの活魚を主役にした料理と、イワナを丸ごと燗(かん)でつけた骨酒など、レアなお酒が楽しめる。昼は気軽に食べられる豊富な定食類が評判だが、注目すべきは要予約のランチコース。刺し盛り、煮物、天ぷら盛り合わせなど全6品。「価格は安めに設定しました。お客様が『うわぁ』と喜ぶ様子を見るのがうれしくて」と3代目の今井雅浩さん。その心意気と気遣いがうれしい。
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浜名
蒲焼き発祥の地・浦和ならではの珠玉の味
1977年開店のうなぎ専門店。静岡県焼津市産の共水うなぎは、脂のノリも食感も段違い。そのワケは、ミネラル豊富な地下水で平均15カ月(一般の養殖のおよそ2倍)かけて育てられるから。うな重や蒲焼きは注文を受けてから蒸し、焼き上げるので30分ほどかかる。肝焼き1本770円を肴にお猪口を傾けながら過ごせば、そのうちタレの焼けるかぐわしい香りが。待ち時間もまた、うなぎ屋ならではの贅沢なひとときだ。
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ムラーノ
カニまるごと一杯の贅沢パスタ
シェフの中村誠司さんの料理に、目も舌も満足。ワタリガニをまるごと一杯使ったパスタは、長年愛され続ける一品だ。自家製のトマトクリームソースに、生のカニをそのまま入れてエキスを溶け込ませる。柔らかな身をほぐして食べ進めれば、カニの旨味がソースと絡み合い、さらに深いコクを与える。パスタのお供にはぜひワインを。世界各国100種ほどの中から、お客の好みを伺いつつ、料理との相性を加味した一杯を提案してくれる。
『ムラーノ』店舗詳細
カジュアルフレンチ Les Amis
彩り豊かな欧州野菜、実は全部地場産です
ヨーロッパ原産種の野菜をふんだんに使った、見目麗(みめうるわ)しいフレンチを提供する。普段見かけない食材に、客はみな興味津々。ひと皿ごとに心躍り客が湧く。オーナーシェフの合田友祥さんは「実は、すべての野菜が隣町の岩槻で採れたもの。お客様との会話も自然と盛り上がります」と笑う。グラスワインはフランスを中心に南アフリカやアルゼンチンなど20銘柄をラインナップ。ソムリエに相談しながら、ワインとの組み合わせの妙味も楽しもう。
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ブルチャーク
充実ラインナップがウリのワイン居酒屋
「ワイン居酒屋」と名乗るだけあって、豊富なラインナップと気取らずに飲める雰囲気が魅力。「常に約70種類の銘柄を用意しています」と店主の小林範行さん。ワイン好きが集う店内で、とっておきの一本を見つけたい。
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てまひま料理 和座檜
自家栽培の野菜が彩るおふくろの味
「使用する食材には絶対の自信がある」と話す、女将(おかみ)の高橋町子さん。それもそのはず。野菜は女将自ら土を耕し、種をまき収穫したもの。朝一番に浦和中央市場で魚を仕入れた後は、畑の手入れ。午後に収穫した野菜をふんだんに使用したメニューが評判を呼んでいる。旬の料理を通じて季節の移ろいを堪能できると通い詰めるファンも多いという。体調や体の不安な部分があれば、相談にも応じて料理を提案してくれる、頼もしい店だ。
『てまひま料理 和座檜』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=稲葉美映子、今田 壮(風来堂)、佐久間春奈、本田直子 撮影=井上洋平、井原淳一、金井塚太郎