『COFFEE ritmos』手描きアートに胸キュン![八王子]
「僕自身、カフェで展示することが多くて」と、アーティストのritomarusさんはライブや展示で訪れていた八王子にアーティスト・ラン・カフェを開店。グァテマラベースのリトモスブレンドは山中湖で焙煎する兄製。義姉の作るレモンケーキや作家仲間のケークサレを手に、アート・音楽好きの客同士で話が弾むことも。スリーブの手描きイラストには誰もがニンマリし、その絵がモチーフのぬいぐるみが片隅に座っている。
『COFFEE ritmos』店舗詳細
『喫茶オーレ』ほっこりへ誘う縁側的ベンチの魔力[西八王子]
店主の平岡菜穂子さんは、アトリエを主催する夫が展示場所を探したのをきっかけに、誰もが気兼ねなく入れるカフェを開店。大工さんと共に作った木製ベンチはさながら縁側感覚で、座ると長居必至だ。コーヒー豆やロールパンは地元西八の商店製。フルーツサンドは季節の果実に合わせてカスタードを忍ばせたり、白あんを用いたり。おやつとコーヒーを手に、のどかに話が弾む日だまり空間だ。
『喫茶オーレ』店舗詳細
『ギャラリー&ガーデンカフェ ヤスタケ』ランプと窓辺、どちらがお好み?[八王子]
120年前の仏製アンティークランプが天井からいくつも下がり、色とりどりの灯りが柔らか。廃材活用の長机は、店主の田中康之さんと話せる常連のお気に入り席だ。けれど、「特等席にどうぞ」と勧められ奥へ進めば、サンルームの窓際席が。アンズの大木越しに築70年の洋館がすけて見え、外国を訪れた気分。草原のような香ばしさのコーヒーはグァテマラベースで、手製のチーズケーキと味わいながら、のんびりしたい。
『ギャラリー&ガーデンカフェ ヤスタケ』店舗詳細
『café de la poste』フランス文化が花咲く小さな店[八王子]
「生地をしっかり寝かせるのがコツ」と話すのは、ブルターニュ地方のクレープ大学で伝統技を学んだエリックさんと貴子さん夫妻。小諸産の石挽きソバ粉のガレットは、風味とコク、香ばしさが鼻の奥で膨らむ。また、「薄さが決め手」のクレープは、薄さに反してもっちもち。実家で眠っていたアンティークレプリカの絵皿や黄色いポスト、郵便配達車のミニカーなど、店内を彩る雑貨からもフランス文化が薫る。
『café de la poste』店舗詳細
『カフェ小鹿』心射抜かれるレトロ&ポップな世界[八王子]
玄関先の小鹿に誘われ扉を開くと、まるで親戚の家。「ほとんど私物コレクション」と笑うのは、店主の小宮山やよいさんだ。ビーズカーテンが壁を彩り、80年代のレコード、黒電話、花柄炊飯器が随所に置かれ、廊下に漫画コーナーも潜む。メニューもザ・喫茶店。とはいえ、クリームソーダは好みの色で作ってくれ、ナポリタンはうどんのもちもち具合がかえって新鮮。どっぷりこの世界に浸りたくなる。
『カフェ小鹿』店舗詳細
『cafe 海の塔』季節の花木と鳥の声に囲まれる[高尾]
トンネルのような緑をもぐると別世界。花に彩られ、赤茶のスペイン瓦をいただくギャラリーカフェが現れる。原田泉さん・由紀子さん夫妻が手をかけた庭にも6卓が置かれ、カイドウ、ツタカズラなど、多彩な花木の中、木漏れ日や風を感じてのお茶は至福のひとときだ。手製のランチもまた野菜満載で、コーヒーゼリーと果物のデザートまで付く贅沢さ。なめらかで軽い口当たりのチーズケーキは「ワインとも合いますよ」。
『cafe 海の塔』店舗詳細
取材・文=林さゆり 撮影=井原淳一
『散歩の達人』2023年11月号より