『COFFEE ritmos』手描きアートに胸キュン![八王子]
ギャラリースペースは、展示次第で店の風情が変わるのも楽しみ。
「僕自身、カフェで展示することが多くて」と、アーティストのritomarusさんはライブや展示で訪れていた八王子にアーティスト・ラン・カフェを開店。グァテマラベースのリトモスブレンドは山中湖で焙煎する兄製。義姉の作るレモンケーキや作家仲間のケークサレを手に、アート・音楽好きの客同士で話が弾むことも。スリーブの手描きイラストには誰もがニンマリし、その絵がモチーフのぬいぐるみが片隅に座っている。
カナダの小学校の椅子など、不揃いの家具が低めで落ち着く。ritomarusさんの兄が焙煎するのコーヒー豆100g850円は販売もし、手描き袋もキュート。
注文後にスリーブに描くritomarusさん。リクエスト対応。
キャラメルコーヒーラテ700円。ラテアート&スリーブのWアートも魅力。集めたくなる!
ritomarus原画コーヒー袋1500円〜。
いちじくとくるみのチーズケークサレ650円。
『COFFEE ritmos』店舗詳細
住所:東京都八王子市子安町4-10-10 松屋ビル1F /営業時間:12:00~21:00/定休日:不定/アクセス:JR八王子駅から徒歩2分
『喫茶オーレ』ほっこりへ誘う縁側的ベンチの魔力[西八王子]
白壁をにぎわす作品群は絵画、陶器、ジュエリーなどが随時入れ替わり。展示で雰囲気がガラリと変貌する。「オーレは義母が札幌で営んだ喫茶店の名前です」
店主の平岡菜穂子さんは、アトリエを主催する夫が展示場所を探したのをきっかけに、誰もが気兼ねなく入れるカフェを開店。大工さんと共に作った木製ベンチはさながら縁側感覚で、座ると長居必至だ。コーヒー豆やロールパンは地元西八の商店製。フルーツサンドは季節の果実に合わせてカスタードを忍ばせたり、白あんを用いたり。おやつとコーヒーを手に、のどかに話が弾む日だまり空間だ。
コーヒーはスッキリ抽出できるペーパードリップの浅煎りと、まろやかなコクが出るネルドリップの中煎り、深煎りから選んで。
ハンドドリップ珈琲600円、バターロールクリームサンド(ぶどう)400円。
白のれんが目印。
『喫茶オーレ』店舗詳細
住所:東京都八王子市散田町3-10-12-102 /営業時間:11:00~16:00/定休日:水・土・日・祝/アクセス:JR中央線西八王子駅から徒歩3分
『ギャラリー&ガーデンカフェ ヤスタケ』ランプと窓辺、どちらがお好み?[八王子]
『カザーナコーヒー』特注のオリジナルブレンド。サワークリーム&レモンが効いたチーズケーキと。チーズケーキ+コーヒーセット800円。
120年前の仏製アンティークランプが天井からいくつも下がり、色とりどりの灯りが柔らか。廃材活用の長机は、店主の田中康之さんと話せる常連のお気に入り席だ。けれど、「特等席にどうぞ」と勧められ奥へ進めば、サンルームの窓際席が。アンズの大木越しに築70年の洋館がすけて見え、外国を訪れた気分。草原のような香ばしさのコーヒーはグァテマラベースで、手製のチーズケーキと味わいながら、のんびりしたい。
真空管を通してジャズが響く。長机もいい。
田中さんとポチ店長。「ポチ店長会いたさに通ってくる方も多いですよ」
キュンとするインテリア。
2階はギャラリー。
『ギャラリー&ガーデンカフェ ヤスタケ』店舗詳細
住所:東京都八王子市八幡町12-11 /営業時間:11:00~17:00/定休日:土・日・祝/アクセス:JR八王子駅から「横川町住宅」行き西東京バス約8分の「織物組合前」下車2分
『café de la poste』フランス文化が花咲く小さな店[八王子]
ガレットはリンゴの産地ブルターニュらしくシードルと。ボウルに注いで。
「生地をしっかり寝かせるのがコツ」と話すのは、ブルターニュ地方のクレープ大学で伝統技を学んだエリックさんと貴子さん夫妻。小諸産の石挽きソバ粉のガレットは、風味とコク、香ばしさが鼻の奥で膨らむ。また、「薄さが決め手」のクレープは、薄さに反してもっちもち。実家で眠っていたアンティークレプリカの絵皿や黄色いポスト、郵便配達車のミニカーなど、店内を彩る雑貨からもフランス文化が薫る。
「クレープにマダガスカル産ヴァニラを使ってます」手早く薄く焼くのが職人技で、バターと砂糖で生地本来の風味を楽しむのも手。ガレットとクレープの両方味わいたい。
自家製塩キャラメルジャムのクレープ528円、コーヒー440円。
夫妻で壁や天井を珪藻土で塗った。
目を引く赤の店構え。
『café de la poste』店舗詳細
住所:東京都八王子市本町14-10金子ビル1F/営業時間:11:30~15:15LO(土・日は17:00~20:45LOも営業)/定休日:火・水/アクセス:JR八王子駅から徒歩13分
『カフェ小鹿』心射抜かれるレトロ&ポップな世界[八王子]
畳にちゃぶ台の和室。ビーズカーテンや壁紙がカラフル!
玄関先の小鹿に誘われ扉を開くと、まるで親戚の家。「ほとんど私物コレクション」と笑うのは、店主の小宮山やよいさんだ。ビーズカーテンが壁を彩り、80年代のレコード、黒電話、花柄炊飯器が随所に置かれ、廊下に漫画コーナーも潜む。メニューもザ・喫茶店。とはいえ、クリームソーダは好みの色で作ってくれ、ナポリタンはうどんのもちもち具合がかえって新鮮。どっぷりこの世界に浸りたくなる。
昭和家電が並ぶお会計場所から顔をのぞかせる小宮山さん。
好みの色で作ってくれるクリームソーダ。色はお任せ可。写真は秋色でオーダーした2色700円。単色は600円。太麺がナイスなナポリタンうどん700円と共に。
ナポリタンうどん700円。
玄関先でお出迎え。店のあちこちに小鹿がいます。
『カフェ小鹿』店舗詳細
住所:東京都八王子市万町122-1 /営業時間:11:00~17:30/定休日:水・日
/アクセス:JR八王子駅から徒歩11分
『cafe 海の塔』季節の花木と鳥の声に囲まれる[高尾]
ツバキの木陰席は建物がのぞき見える人気席。手ごねハンバーグはカレーがほんのり香るホワイトソース仕立て。お食事セットのオリジナルハンバーグ1300円(コーヒーか紅茶付き)。
トンネルのような緑をもぐると別世界。花に彩られ、赤茶のスペイン瓦をいただくギャラリーカフェが現れる。原田泉さん・由紀子さん夫妻が手をかけた庭にも6卓が置かれ、カイドウ、ツタカズラなど、多彩な花木の中、木漏れ日や風を感じてのお茶は至福のひとときだ。手製のランチもまた野菜満載で、コーヒーゼリーと果物のデザートまで付く贅沢さ。なめらかで軽い口当たりのチーズケーキは「ワインとも合いますよ」。
花木に覆われた入り口。
「亡き父が描いたスペインの風景画なんですよ」と、原田夫妻。
コーヒーに合う手作りのチーズケーキ。自家製チーズケーキ400円(コーヒーとセットは750円)。
クレマチスのアーチの下に籐製のイス席が。緑に埋もれるよう。
「気が向いたらお散歩します」by 看板猫のすずちゃん。
『cafe 海の塔』店舗詳細
住所:東京都八王子市元八王子町3-2571 /営業時間:11:00~18:00(11~3月は~17:00)/定休日:月~木(祝は営業。3名以上で予約の場合は応相談)/アクセス:JR中央線高尾駅バス乗り場1番から西東京バス約5分の「霊園前」下車5分
取材・文=林さゆり 撮影=井原淳一
『散歩の達人』2023年11月号より