フレンチトーストがカリトロ! 北欧インテリアも魅力の『シマダカフェ』
『シマダカフェ』の看板メニューは神楽坂フレンチトースト。カリトロ食感に仕上げるため何度も何度も試作を繰り返して誕生した。
「何カ月も、配分はもちろん、焼く時間やオーブンの温度を変えて試し尽くしました」と店長の岡田馨(おかだけい)さん。「完全に火が通って固まってしまう前にオーブンから出します。外がカリッとして、内部はプリンみたいに仕上がっています」
『シマダカフェ』があるのは神楽坂途中の見番横丁と呼ばれる脇道に沿って建つビルの中。木材とファブリックを多用した北欧の家庭のようなインテリアが、訪れる人をリラックスさせてくれる。やさしい空気に包まれてフレンチトーストの食感のコントラストを味わいたい。
『シマダカフェ』店舗詳細
かわいいケーキはすべて小さめ。母娘が営む『gallery syrup』
ドアを開けてお店に入った瞬間、ガラスケースに置かれたケーキがかわいらしくて、心をぎゅっと掴まれる。『gallery syrup』は、母娘が2018年10月に近所の人がホッとできる場所をと、オープンした。神楽坂の住宅街に長く住む人は年齢層も高いため、どのケーキも小さめ。甘さは控えめながら、濃厚さがあるので、小さくても満足感がある。
オープンからしばらくした今は、インスタグラムで知った若い世代がケーキを2つ、男性に至っては3つ、一度に食べる人が現れるようになった。
パティシエの娘、弘子さんの自信作はタルトだ。「タルト生地は、固すぎず、しなっとしすぎず、ちょうどいい固さに作るのに時間をかけました」。タルトだけ売って欲しいと言われたこともあるほどだ。
『gallery syrup』店舗詳細
おもちゃとアイスが彩る空間にどっぷり浸れるカフェ『toddlepuft』
『toddlepuft(トドルパフ)』は本業である通販がメインのおもちゃ屋さんがお休みの日に営業しているカフェだ。おもちゃ屋さんがカフェを開くことになった理由は、責任者がアメリカンなアイスクリームの形が好きだから。
アメリカンなアイスの形とは、アイスディッシャーの半球からアイスがムチムチはみ出して、しかもそれがダブルやトリプルに重なっているあの形状のこと。アイスの形のおもちゃに惚れ込んで「アイスクリームを出したい」とカフェを始めたのだ。
そんな理由で『トドルパフ』にはアイスを使ったメニューがいくつもある。自慢のメニューのひとつが、トドルパフフロート。やさしい紫色のドリンクに、ストロベリーアイスがドン。その上にクリームとチェリーがのっていて、かわいさこの上なし。
『toddlepuft』店舗詳細
フランスへの敬意がたっぷり。サロン・ド・テのあるケーキ屋さん『Bon Riviere』
ケーキや焼き菓子をテイクアウトするだけの店ではなく、バラエティ豊かな商品を店内のサロンでも食べられるのは、フランスのきちんとした菓子店のスタイルだ。店主でシェフパティシエの吉川靖浩(よしかわやすひろ)さんはそんな店を目指してきた。
メレンゲ菓子は日本ではまだ親しまれていないと感じながらも、もっと多くの人においしさを知ってほしいと吉川さんがつくり続けている大切なお菓子のひとつだ。
ラズベリー由来のやさしいピンク色がかわいいメレンゲ・フランボワーズ。コクがあってふんわりとした食感の生クリームたっぷり。クリームの水分と、サクッとした食感のメレンゲが口の中で合わさって、ムニッとした食感に変化するのも楽しい。
『Bon Riviere』店舗詳細
執事のいる邸宅レストランでアフタヌーンティー『シャブラン神楽坂』
神楽坂の住宅街にたたずむ『シャブラン神楽坂(シャブランかぐらざか)』では、「おかえりなさいませ、お嬢様」。と執事が迎えてくれる。この場所では、“帰宅する”と女性ならお嬢様、または奥様、男性ならお坊ちゃま、ご主人様と呼ばれる。
建物は、初代の主人だった作家が住居として建てたもの。どの部屋にもテーマに沿ったデザインの家具や調度品が揃えられている。
食事は原則セットメニューで提供される。いちばん人気はランチ限定、主人のアフタヌーンティーだ。執事のホールスタッフが、アフタヌーンティースタンドを運んできてくれる姿のうやうやしいこと! その姿を目の当たりにすると、異世界に入ってしまったような不思議な感覚が改めて湧いてくる。
『シャブラン神楽坂』店舗詳細
レトロな空間で味わうしっとりふんわりフランス式ホットケーキ『熊木ホットケーキ店』
地下鉄神楽坂駅から、徒歩でたったの4分だが、静かな住宅街に『熊木ホットケーキ店(くまきホットケーキてん)』はある。他のお店にはない食感のホットケーキが人気で、必ず食べたいなら予約がおすすめだ。
ホットケーキは見た目はシンプルながら愛らしく、焼き色もうっとりしそうな美しいキツネ色。銅板の上にセルクル型をのせて、やわらかい生地を流し込み、10分以上かけて焼き上げている。2.5センチほどある厚みにもニンマリ。
『熊木ホットケーキ店』があるのは、かつて製本作業のひとつ折本を行う工場だった場所だ。入り口のすぐそばには、レトロなジュークボックス型のスピーカーが置かれているが、よく見ると向かって左手にボタンがある。印刷物を運んでいたエレベーターが残っているのだ。店内にはこの場所で製本作業が行われていた書籍も並ぶ。
『熊木ホットケーキ店』店舗詳細
取材・撮影・文=野崎さおり