ハーブの精鋭たちが作る、オリジナルパンの数々『生活の木 メディカルハーブガーデン 薬香草園ベーカリー』
ここ『メディカルハーブガーデン 薬香草園ベーカリー』は、ハーブの老舗企業「生活の木」が営む総合施設内にあるベーカリーだ。パンはハーブに精通する職人が、オリジナルで考案する唯一のメニュー。そのこだわりはパン生地との相性や、質の良い原材料の厳選にもおよび、価格度外視の情熱をかけていたことも。老若男女誰もが気軽に食べれる「ハーブの香りが立つパン」を目指して、毎日焼菓子含めた40種類を作っている。
『生活の木 メディカルハーブガーデン 薬香草園ベーカリー』店舗詳細
異文化を感じながら、本格クラフトビールで乾杯。『CARVAAN CRAFT BEER & GRIL』
飯能河原沿いで本格クラフトビールを醸造する『CARVAAN』の姉妹店として2019年に開店。「もっと気軽にクラフトビールを」がコンセプト。世界中から厳選された果実やスパイスと、飯能で自家栽培するホップを使い造りあげるビールの数々。今までにない爽やかな薫り、華やか且つ複雑な味わいだ。ブルワーとの交流も楽しいひととき。ビールについて熱心に勉強をする彼らは、各々が感じるビールの魅力を自分の言葉で話す。カウンター越しの会話は、異文化や歴史との媒介になっているようだ。
『CARVAAN CRAFT BEER & GRIL』店舗詳細
果物の目利きが厳選する、宝石のような果実パフェ『蔵カフェ草風庵』
明治時代に建てられた「夫婦蔵(めおとぐら)」を改装した『草風庵』。カフェと古美術商、山野草販売店として開店。店主の粕谷幸平さん、康子さんは家業の青果店を閉じた後、長年の夢だった「カフェ開店」をかなえる。
注目すべきは店の看板メニューである「季節のフルーツパフェ」。元青果店の目利きを生かして、食べ頃の高級果実を、毎日市場から直接仕入れる。客のことを大切に想う、夫婦の温かな人柄も魅力的。そんな夫婦に惹かれ、近所の常連客を始め、遠方からの客も絶えない。
『蔵カフェ草風庵』店舗詳細
創意工夫が詰まった、あっさり風味『と多゛食堂』
開店当初は日替わりのみ。「毎日少しずつ改良して、定番ができました」と、店主の戸田豊文さん。特に人気は、白か黒の2種から選べる煮干しそばだ。全粒粉を練り込んだ「自家製ボソパツ麺」は、プチプチ食感と小麦の芳香が口中で躍る。伊吹いりこの出汁香るスープとの相性たるや。また、和え玉も頼みたい。残ったスープにつけてもいいが、そのまま食べればパスタのようで、新感覚の味わい。
『と多゛食堂』店舗詳細
滋味深いジビエを、とくと堪能すべし!『LOG CAMP』
「この辺りでは、野生動物が身近すぎて、ジビエは敬遠されがちなんです」と、店主の大畑和也さん。品書きにはジビエの魅力を伝えるべく、工夫を凝らした品々が並ぶ。いろいろな肉を楽しむなら、ジビエプレートだ。イノシシのハンバーグは、プリプリの肉とサラサラの脂が口中で混ざり、後を引く。また、エゾ鹿のひき肉が入ったコロッケは、有機のジャガイモがホクホク。ワインと合わせても◎。
『LOG CAMP』店舗詳細
本場ナポリ流のピッツァを味わおう『Pizzeria GECO』
シェフの成田拓磨さんは、気温や湿度に合わせて生地の配合を毎日微調整。「外カリ中フワにするためには、手早く90秒で焼くのがコツなんです」と微笑む。焼きたてのマルゲリータをかじると、こんがり焼かれた小麦の香りがふわり。トロトロのモッツァレラと、自家製トマトソースが絶妙に調和した味わいで、至福。最後に残るバジリコの爽やかな後味で、すぐに次の一枚に手が伸びる。
『Pizzeria GECO』店舗詳細
肉汁あふれるドでかいバーガー『GEORGE’S BARGER』
アメリカへ旅行した時に現地のハンバーガーにハマった店主の鴨下ジョージさんは「地元の人たちに食べさせたい!」と、帰国後に修業を積み、開店した。表面をカリッと焼いた天然酵母のバンズはフワフワの口あたりで、甘い香りが鼻腔を抜ける。さらに、上州牛の赤身のパティから出た濃厚な肉汁もじんわりと染み込んで、味わいがマッチ。新鮮野菜のシャッキリ歯ごたえも気持ちよく、次の一口に誘われる
『GEORGE’S BARGER』店舗詳細
ほっと安心する、コスパ抜群の食堂『Kitchen H105』
都内で中華店を営み、その後、給食の調理をしていた店主の秋山寛さんは、娘の亜維さんに提案され、自宅を改装した中華食堂を開店。品書きは日替わりだが、特に人気は生姜焼き定食だ。柔らかな豚肉に、特製の塩ダレが絡んでごはんが進む。また、寛さんが「自慢の一品」と胸を張る餃子も外せない。口に運ぶと、中から熱々の肉汁が。肉と野菜の甘みが口中を埋め尽くし、食欲はさらに加速する。
『Kitchen H105』店舗詳細
野趣に富む、そばの味にほっこり『草日庵 よりや』
約40年前の開店当初はうどんのみだったが、常連衆から所望され、そばを開始。「みるみる人気が出て、そば屋にしちゃった」と、店主の大矢康雄さんは笑う。本がつおとそうだがつお、さばの出汁を合わせたそばつゆに、炒めた油揚げやキノコ、根菜を加えた汁。そこに石臼碾きの十割そばをつける田舎汁そばが看板だ。野菜の甘みとそばの香ばしさに人心地。さらに、味変の煎胡麻でやみつきに。
『草日庵 よりや』店舗詳細
彩り鮮やかな和食に舌鼓を打つ『御料理 しば田』
店主の柴田毅さんは、「肩ひじ張らない和食を」と、酒のつまみだけでなく、定食メニューも数多く揃える。この日の焼き魚定食は、サワラだ。炭火でじっくり焼かれ、皮がパリパリで身はふっくら。優しい塩味が後を引く。また、飯能産コンニャクの白和えや、アザミの根の味噌漬けなど、付け合わせも乙な味。さらに、刺し身や煮物、揚げ物と、旬の食材を使った肴で飲んべえの心もがっちりつかむ。
『御料理 しば田』店舗詳細
取材・文=高橋健太(teamまめ) 撮影=原 幹和
『散歩の達人』2020年2月号より