東村山にあるマイケルさんの人柄が滲むマイクロブルワリー「Distant Shores Brewing」。
東村山市秋津町3丁目のコヤマドライビングスクールの手前の元縫製工場だった場所で醸造されるビール。2017年の11月にイギリス人のマイケルさんとジェームスさんと日本人の片野さんによる共同のプロジェクトで立ち上げられたマイクロブルワリー。その名は「Distant Shores Brewing(ディスタント・ショアーズ・ブルーイング)」。
その敷地内で日曜日のみ営業しているテイスティングルームがあると知りチャリで向かう2018年の6月。
到着するとお外で気持ち良さげにビールを飲む方々。その一角にプレハブの小屋。こんにちはと中に入ると8タップのビアリスト。すべてハーフパイントの提供で500円。醸し出すビアパブな雰囲気に気持ちが上がる。
お姉さんにおすすめはと聞いてみると「やっぱり『コンニチハマイケルデス!』です」とタップを捻りグラスに注ぎどうぞと頂く。あ、おいしいと浸っていると、どんなビールがお好みですかと聞かれ、「がつんと来るのが」と伝えると「『竜巻IPA』が良いかも」と注ぐグラスを渡されどうですかと。これも良い。そしてとっても大盤振る舞い。
気に入りましたと「コンニチハマイケルデス!」と「竜巻IPA」をお願いしてキャッシュ・オン・デリバリー。店内のテーブルに座りかみさんと乾杯とグラスを交わし乾いた喉に流し込む。IPAな深みのあるがつんの中にバランスの良い苦みと爽快な味わい。幸福。
少しすると隣やあちらのテーブルに座る方々から「それなに?」「これ飲んでみておいしいから」とそれぞれの回し飲みから始まり、クラフトビール談義から痛風の話へと自然と巻き込まれ盛り上がる。
「川越から来てるの。所沢から歩いてね。」「あそこのビール飲みました?」「小川町の雑穀ビール」「うちの亭主は」「痛風は遺伝だから」などなどと弾む楽しい時間。これ食べてと持ち込むおつまみもいただく。
ほろ酔いでそろそろお暇しますと伝えると、もう帰るのと惜しまれる。なんだかとても心地の良いところ。この場所でこのビールと繋がりを楽しめる幸せ。
そんな楽しむ場がやつのせいでお休みになる頃に、オンラインのボトルショップをオープンし、ボトルビールの販売開始のお知らせが届く。すぐさま「コンニチハマイケルデス!」を購入し届く黄色い王冠のマイケルさんが描かれるかわいいイラストのラベルのボトル。
昼から栓抜きでシュポッとしてグラスにゆっくり注ぎ泡立つ琥珀を眺め薫りを嗅ぐ。んでぐび。うん、苦みがきてフルーツ。いわゆるひとつのクラフトビア。幸せなやつ。ゆっくりと味わいほろ酔う良い日曜日。
そしてナウ、日曜日のテイスティングルームは再開されているけれども、まだ不安が重なり行けていない。
そんな中、SNSで流れる軽やかにスノーボードをするマイケルさんのパッケージのボトルビール「Yellow Snow Hazy IPA 黄雪(おうせき)」の発売のお知らせ。
天気の良い天皇の誕生日。買いに行こうと自転車を走らせ向かうはブルワリーの向かいの「セブンイレブン東村山秋津町3丁目店」。ここと八坂の「本多屋酒店」で購入できるボトルビール。
お休みの工場をすこし眺めセブンイレブンに。各メーカーのビールが並ぶ冷蔵庫の中にPOPが躍るDSBの一角に並ぶ押しの「Yellow Snow Hazy IPA 黄雪(おうせき)」。
2本抱えレジに向かい大切にリュックに収めお家に帰りシュポッと栓を抜きトクトクトクとグラスに注ぎぐび。
爽やかで柔らかい苦み。膨らむホップの薫り。軽やかでずっしりと喉に落ちるNE-IPA。おいしい。
ワイドショーを眺めながらゆっくりと楽しむ夕暮れ時。幸せな時間。そろそろテイスティングルームにと頭を巡らせる。
大好きなビール。なにも気にせずにの日を首を長くして待つ。