Trattoria Chicco
余韻の長~い郷土料理とワインを
扉を開くまで張っていた肩肘が、着席してメニューを読むうちに、ほどけていく。食材の宝庫、ピエモンテ州の1つ星レストランで活躍したシェフの渡邉秀和さんいわく、「普段も気軽に通って」。派手さはないが、上品で洗練された州の料理を披露している。素揚げしたカボチャとチーズ、トマトを重ねて焼く前菜は、秋の十八番。縦に切り頬張れば、ほくっ、とろっ~の後に、砕き散らしたアマレットが弾ける。じわっと記憶に残るお皿が続く。
『Trattoria Chicco』店舗詳細
Trattoria il Regalo
日替わりのレパートリーが圧巻!
「毎日違うメニューを作れば、お客さんが楽しめると思って」とは、シェフの折原卓矢さん。日替わりのメニューは30種にも及ぶ。この日のメインは牛ウチモモのロースト。添えられた炭塩で、炭火焼きのような薫香がふわり。また、定番メニューではバーニャカウダが外せない。自家菜園の有機野菜を富山産ホタルイカで作ったソースにつけると、シャキシャキの野菜にイカの芳醇な甘みがベストマッチ。次へと伸ばす手が止まらない。
『Trattoria il Regalo』店舗詳細
Pizzeria Tintarella
味わうほどに痛感するナポリへの心意気
どんと薪窯を構えるピッツェリアは真のナポリピッツァ協会認定店。マルゲリータが評判だが、ラードで揚げたピッツァが珍しい。「ナポリはラードもよく使うんです」と店主の遠藤秀雄さん。中から燻製モッツァレラとリコッタチーズがとろけだし、直前に切ったパルマ産生ハムとルッコラが旨味を増幅。デカさにたじろぐが、生地は軽やかだ。柏野菜も使うタパス、現地で惚れたドルチェも揃え、腹がいくつあっても足りない!
『Pizzeria Tintarella』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり・松井一恵・高橋健太(teamまめ) 撮影=井上洋平、井原淳一