圧巻のアイテム数にいい出合いがありそう!『WHISTLER』
店の前にずらりと革靴が並ぶ店『WHISTLER(ウィスラー)』。靴は店の中にもさらに壁一面にディスプレイ。ジャケット類は天井からも吊り下げられているし、シャツ、ネクタイ、スカーフ、セーター……とびっしりだ。店長さん曰く「この店に来たら何かあるだろうと思って来る方も多いので、少しでも探しやすいように置いています」とのこと。
2001年にオープンした『WHISTLER』だが、のちに同じビル内に『chart(チャート)』という名前の店を開いて、実質的に拡張。
最近は、パートナーの男性に連れられてきたことをきっかけに、自分用にビンテージアイテムを購入する女性も増えているという。高円寺でビンテージを探すなら、必ず訪れたい店のひとつだ。
『WHISTLER』店舗詳細
デザイン重視で大人向けのアイテムをセレクト『川』
オーナーにとっては独立後の3店舗目で、「大人が楽しめる古着屋を作りたい」と開いた。買い付け先は、主にアメリカの西海岸にあるフリーマーケット、アンティークショップ、リサイクルショップなど。デザインを重視した仕入れを行っているため、ブランド名などはほとんど気にせずに仕入れているという。
オーナーは取材中、チャイナドレスのようなワンピースを出してきて「『さんたつ』の読者は、こういうのが好きなんじゃないですか?」と声をかけてくれた。確かに街をワクワクしながら散歩する人の姿が目に浮かぶようなアイテムだ。人の好みやまちの空気を的確に把握していることが伺える。
店名のイメージにあったオリジナルのTシャツやエコバッグ、ラグも売られている。
『川』店舗詳細
ミリタリーアイテムをファッションとして提案『militaria』
オープンした2016年当時、高円寺でミリタリーといえば米軍アイテムばかりだった。そのなかで『militaria』は、ヨーロッパのミリタリーアイテムを広く認知させた店だ。現在は、ヨーロッパのミリタリーアイテムを扱う店が増えたこともあり、機能や目的を重視したブランドのアイテムを加えるようにしている。
オーナーはミリタリーウェアの魅力を「すべてのデザインに目的があって、プロダクトデザインとして無駄がない」と話す。例えば、空軍パイロット向けに作られたレザージャケットには、ペンやトランシーバーなど入れるものに応じたポケットがあり、フロントのファスナーは座ったときに邪魔にならないよう上下から開閉可能になっている。ひとつひとつが人の動作を考えて作られているのだ。
レザーアイテムは洗濯のあと、オイルを加えるなど、手入れしてから店頭に並べられる。長く愛せる憧れのミリタリーアイテムを見つけるにはぴったりの店だ。
『militaria』店舗詳細
手頃なレギュラー古着から細部に希少性が宿るレアものまで『Slat本店』
高円寺パル商店街の角で星条旗を掲げ、質のいい古着をリーズナブルな価格で販売する古着店。高円寺を中心に系列店が7店舗もあり、レギュラー古着と呼ばれる1980年代以降のスウェットやシャツ、チノパンなどが3000円台から揃う。
通路もしっかり確保された店内には、アイテムが整然と並んでいるので、好みのアイテムを探しやすいのもありがたい。入り口正面奥や、レジカウンターの後ろには、古着好きが眼の色を変えそうなビンテージアイテムも並んでいる。
映画界やロック界のスターが愛用した革のジャケット『Schott』は、ベルトのバックルの形や、肩についているストラップ、エポーレットの装飾にも注目。100年近く前に作られたデッドストックのバンダナなど、マニアにはたまらないアイテムが並ぶことも。
『Slat本店』 店舗詳細
愛情伝わるラブリーでアメリカンな古着の数々『AiLeen by GROGGROG』
店名の “アイリーン”は、アメリカのハリケーンに由来していて、大宮で1号店を開いたあと、2つ目の店として高円寺にインパクトをもたらしたいと名付けられた。レースのついたワンピースや、ギャザーたっぷりのロングスカート、動物や花のモチーフのセーターに、白い小ぶりのエプロン。アメリカンでガーリーなアイテムが揃う。
店内のビンテージアイテムは、1970年代のアメリカ製またはヨーロッパ製が中心。世界中に愛好家がいるビンテージブランドのアイテムをはじめとして、ずいぶんたくさんのアイテムが置かれている。
それでも店長をはじめとするスタッフは、「古着は、ひとつひとつに個性がある」と、どんなものがどこにあるのか、把握しているそう。海の向こうから高円寺に辿り着いたアイテムへの愛情が感じられる古着店だ。
『AiLeen by GROGGROG』店舗詳細
あと一歩自分を印象付けるアイテムを『Frescade』
『Frescade(フレスケード)』はルック商店街に入ってすぐのところにある。2013年にオープンして以来、高円寺で2度の引っ越しをした。
コンセプトは“大人が楽しいビンテージショップ”。誰もが知る有名ブランドからカジュアルブランドの1960年代から90年代のものをメインに幅広く取り揃えている。
レディースとメンズは、ほぼ半々の割合。素材がカラフルで華やかなデザインのものもあれば、表面はシンプルでも裏地のプリントが凝っているものもあって、洋服がしっかり作られていた時代の余裕と上品さが感じられる。コレクターズアイテムというよりも、身に付ける楽しみを感じられるものばかりだ。
『Frescade』店舗詳細
今すぐ取り入れたくなる大人向けアイテムが並ぶ『Anthony』
高円寺のエトアール通りにある『Anthony(アンソニー)』。高円寺で長く古着店を営んできたオーナーの小山さん夫妻が2020年にオープンした。『Anthony』に並ぶのは大人が日常的な着こなしに取り入れられそうなアイテムだ。
そこにはアパレルメーカーでレディースブランドのデザイン・企画を担当していた妻・佑美さんの考えが反映されている。「全身のスタイルをイメージして、自分たちが、今、いいと思うものを買い付けています」と佑美さんは話す。
新品のブランドで行われるように、「古着も誰かが着て、スタイリングが成立している状態をSNSで見せると、リアルに感じてもらえる」とスタイリングをSNSで発信することも心がけている。
『Anthony』店舗詳細
ハイクオリティなヨーロッパのブランドアイテムの虜(とりこ)に『anemone』
メンズ・レディース共に、季節を問わず、コートやジャケット、セーター、バッグや靴と、幅広いアイテムがディスプレイされる。
多くがヨーロッパのブランドアイテムで、状態のいいアイテムを扱うことでも定評があり、ファッション好きが開店前から行列を作ることも少なくない。靴やバッグなど皮革製品は、磨き抜かれてどれもピカピカだ。
英国ブランド「バーバリー」によるトレンチコートの品揃えが豊富なことでも知られている。中には今はもう製造されていない、袖を1枚の布で仕立てた1枚袖と呼ばれるアイテムが置かれていることもある。肩から袖にかけて美しいシルエットをつくる1枚袖のトレンチコートは探している人が多いアイテムだ。
『anemone』 店舗詳細
世界に誇る異世界ブティック! 作家の個性が光る1点ものも『はやとちり』
2008年にオープン。店主の後藤慶光(ごとうよしひこ)さんは、最初将棋の駒を使ったピアスなどを作っていたところ、将棋の勉強を初めてどハマり。熱心な勉強の結果、初段まで獲得し、将棋の駒をデザインしたオリジナルのMA1ブルゾンまで作るという熱中っぷりだ。
現在『はやとちり』で販売されている商品は、日本の古着が半分。残りは後藤さんのオリジナルブランド「ラッキー大吉」と国内の作家7人、シンガポールとイギリスに住む作家3名ほどが手がける服や帽子、バッグなどがある。特に作家ものは、唯一無二のデザインや色使いに心を奪われる。
「服の作り方が独特なものが好きなんですよ。作る人のおもしろさが出ていると思います」と店主の後藤さん。異空間のような店内で、ふと手にしたアイテムが、作り手の思いや素材の背景に共感できる出合いになる。そんなことを期待して訪れてみたい。
『はやとちり』店舗詳細
世界のプロも認める希少性! アメリカ1930~60年代のアイテムが揃う『Suntrap』
1998年のオープン当時から高円寺の古着文化の一端を担ってきた『Suntrap』。奥行きのある店内に足を踏み入れると、たくさんのシャツやジャケットがハンガーにかけられ、棚にはセーターにパンツ、ピカピカに磨かれた革靴などが整然と並んでいる。
引き出しやガラスケースにはデッドストックの靴紐、洋服と同年代に作られたボタン、マグカップなどの雑貨も。1930年代から1960年代に作られた、主に東海岸から買い付けてきた服は洗濯したり、ボタンをつけたりなど丁寧に直してから店に出している。
有名なファッションブランドのデザイナーたちが、洋服のアイデアを見つけようと訪れることもある、高円寺にありながら世界が認める古着店だ。
『Suntrap』店舗詳細
ポップな品揃えとナチュラルな店内『SHINTO』
『SHINTO』の品揃えは1990年代から2000年代のメンズ古着が中心。よくファッションのトレンドは繰り返されると言われるが、今若い世代は90年代から2000年代のファッションを取り入れている。
ミッキーマウスやトムとジェリーなど、懐かしさもあるキャラクターのプリントTシャツや、独特な色合いが興味深いヨーロッパのミリタリーアイテムなど、ポップなアイテムの品揃えも『SHINTO』の特徴だ。
天井から吊り下げられたドライフラワーも存在感を放っている。このドライフラワーはただのディスプレイではなく、オープンから1年ほど経ってから扱い始めた商品でもある。ドライフラワーがあることで店内にはやさしいナチュラルな雰囲気も漂い、足を踏み入れやすい。
『SHINTO』店舗詳細
大人の女性が長く着られるアイテムをゆっくり選んで『SPOT』
『SPOT』を営むのは元エステティシャンの山口美穂さん。長く趣味として古着を愛用し、ときめくアイテムをコレクションしてきた。古着を買い集めるための海外旅行にも何度も出かけ、かつての同僚たちから「変わった服を着ているね」と言われることもあったそう。
店の前は人通りがそれほど多くない。なぜこの場所を選んだのかと聞くと「ゆっくり話しながら、服を見て、触って選んでもらいたいから」とのこと。
ディテールや質感はもちろん、体形をきれいに見せてくれるものを勧めたいと、女性の体に寄り添ってきた山口さんは考えている。流行のデザインよりも長く着られることを重視するのも方針のひとつだ。
『SPOT』店舗詳細
オーナーの愛が詰まったカラフルな古着でハッピー!『古着屋 深緑』
『深緑』があるのは高円寺駅南口から徒歩3分ほどの小さな店あかりがいくつもある通りの2階。目印はオーナーのshogoさんが段ボールに緑のマジックで手書きした“看板”だ。
オープンしたときに貼り付けて以来、もう何年もこのスタイルのまま。自由でワイルドなDIYを横目に階段を上がってドアを開けると色の洪水のような古着の数々が視界に入ってくる。
店のオリジナルアイテムにはオーナーがハマっている銭湯通いを反映。オリジナルの銭湯Tシャツ、TOTONOU(トトノウ)Tシャツは12のカラーバリエーション。フロントにプリントされた写真は「外国人観光客が銭湯でほっこりしている姿をイメージ」とのこと。
『古着屋 深緑』店舗詳細
安く流行を取り入れたいならここ。高円寺で20年以上の老舗『BoobyTRAP』
ルック商店街にある古着店『BoobyTRAP』は緑色のテントが目印。現在高円寺に3店舗を展開する古着店グループ「グラスホッパー」の1号店で、安く古着が買える店として知られている。代表の飯塚敏雄さん、通称サクさんが1998年に独立したときは新品の衣類を扱う店だったが、数年後に古着ばかりを扱うように。
バンドTシャツやスーツのセットアップ、たった100円のネクタイなど、品揃えの幅広さ、価格の安さのおかげか、店にはさまざまな年代の人が立ち寄っていく。昼間は年齢層が高く、夕方になると若い世代が多いというのもこの店の特徴だ。
「高円寺は古いけどいいもの、安いけどいいものを欲しがる土壌があります。お金がない分、知識のある厳しいお客さんが多いんです」と街を長く見てきたサクさんは話してくれた。
『BoobyTRAP』店舗詳細
取材・文・撮影=野崎さおり







