オーナーが作り上げた世界観が充満

『Frescade』のコンセプトは”大人が楽しいヴィンテージショップ”。シックさとゴージャスさを合わせ持った大人のモードといった印象だ。店内に足を踏み入れる前から、一貫したその世界観を感じることができる。

豊富に並ぶ商品の仕入れ先はアメリカ。誰もが知る有名ブランドからカジュアルブランドの1960年代から90年代のものをメインに、幅広く取り揃える。コレクターズアイテムというよりも、身に付ける楽しみを感じられるものばかりだ。レディースとメンズのほぼ半々の割合だが、男性がレディースのアイテムから選んで買っていくことも少なくないのだとか。

店内はアンティーク什器で飾られ、毎月選曲するというジャジーなBGMとともに、シックで重厚さのある世界観が作られている。

買い付けを担当しているオーナーのKAORIさんは、1990年から主に高円寺で古着や家具などを扱っている。『Frescade』は2013年。スタート以来、店舗の中でもモードを意識したテイストを追求している。

ビビッドカラーも得意。印象的でモードなアイテムを楽しむ提案

店に入ってパッと目に付くのは、素材がカラフルで凝ったデザインのもの。一見すると派手な印象で、グッと心を掴まれる。しかし着慣れない人にとっては、尻込みしてしまうこともあるだろう。ところが、じっくりひとつひとつ見てみると、シンプルで上質なアイテムが隠れている。表面はシンプルでも、裏地のプリントが凝っているものもあって、洋服がしっかり作られていた時代の余裕と上品さが感じられる。

店の定番でもあるバーバリーのトレンチコート。
店の定番でもあるバーバリーのトレンチコート。

インポートバーバリーのトレンチコートの品揃えが豊富なことも『Frescade』の特徴のひとつ。状態のいいものが複数準備されている。冬に活躍するコート類は、ハイブランドのものからカジュアルなコートまで揃っていて、2万円台というお手頃なものもある。やはりそこはヴィンテージだからこそ。時間をかけて宝物を探しだす楽しさを味わえる。

どれも"推し"アイテム。身につけて感じて欲しい、上質さ

店長の木村さん。
店長の木村さん。

店長を務めるのは木村さん。「他の古着屋さんよりも、お客様とお話しすることが多いと思います。私たちが話好きという理由もありますが、アイテムを見ながらお客様と『おしゃれですね』『素敵!』と言い合うのも楽しい時間です」と話す。『Frescade』ではどうやら目の前のアイテムが、共通の”推し”かのような会話が繰り広げられているようだ。

主な客層は、30代から上は70代までと幅広い。もちろん、写真映え、舞台映えする衣装を求めるプロのスタイリストやミュージシャンからの信頼も厚い。

「若い世代では服飾系の学生さんが多いです。大学の卒業式や、結婚式の2次会のようなパーティーに出るための洋服を探しにくる方もいます」と、特別な日におめかしする洋服を探し求める人も多いようだ。店長の木村さん自身も卒業式にはヴィンテージの洋服で出席したのだとか。

「『Frescade』は体験型のお店だと思っています。お店の雰囲気を感じていただくのはもちろんですが、興味を持ったアイテムは、試着していただくと良さがわかっていただけることがよくあります。試着したら買わなければ申し訳ないなんて、思わなくても大丈夫ですよ」

アメリカやヨーロッパで買い付けられたものなので、珍しい色柄物などのアイテムもあるが、うまく着こなす方法も提案してくれる。

ピエール・カルダンのブルゾン。「レザージャケットの下にシャツの代わりに着たらかっこいいですよね」と木村さん。
ピエール・カルダンのブルゾン。「レザージャケットの下にシャツの代わりに着たらかっこいいですよね」と木村さん。

もちろん通販にも力を入れている。手に取ったり試着したりすることができない分、モデルが着用している動画を配信することにも力を入れている。身につけたときにどんな風に見えるかイメージして、新しい着こなしのヒントになればという思いが込めているようだ。

アクセサリーやジュエリーも充実。
アクセサリーやジュエリーも充実。

「自分のスタイルが決まりさえすれば、ヴィンテージの洋服は長く着られることもメリットだと思います」と木村さん。お店を訪れる年上の女性たちの着こなしに感心し、学ぶことも多いのだとか。

店内を回遊していると、はっと気になるアイテムがあり、これを身につけた自分はどんな風に見えるだろうかと想像したくなる。パーティーの予定があるときなど、少し背伸びしたお洒落がしたいときに訪れてみると、またとない出会いがあるかもしれない。

住所:東京都杉並区高円寺南3-45-1永和ビル1F/営業時間:13:00~20:00/定休日:不定/アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩5分

取材・撮影・文=野崎さおり