郵便ポストにクリスマス装飾が施されていたわけ
そんな中、ここ数年、街中でふと目に留まるようになってきたのが「クリスマス装飾が施された郵便ポスト」である。確かにポストはもともと赤色であるし、クリスマス装飾と親和性が高い。しかし、公共物であるポストをそのように派手に飾ってもよいものなのだろうか。そう思って郵便局のホームページを見てみたところ、この装飾は「郵便局サンタ47」という企画の一環であることがわかった。
2021年のお知らせ(※注1)によれば、全国6611の郵便局で、各局社員が独自に工夫を凝らしてポストや郵便車を装飾する取り組みであるという。どうりで、各地の郵便局で異なるデザインの装飾がなされていたわけである。
装飾の傾向を見ていこう
装飾の傾向としては、この企画向けに用意されたと思われるサンタ帽やヒゲなどを貼り、ポスト自体をサンタに見立てたたものが多かった。
しかし、お知らせに「独自に工夫を凝らし」とあるように、デザインはある程度各局社員に任されているのだろう。面白い装飾がされていた郵便局は、恐らく工作好きの社員がいたのだと思われる。
これまで見てきた中では、クリスマス風のシールが貼られたもの、
オーナメントが飾られてクリスマスツリー風の装飾が施されたものなどがあった。
2019年、調布の住宅街にある郵便局で、過去最大規模の装飾ポストを発見した。
サンタの巨大なヒゲに投函口が飲み込まれている。ここまで盛大にポストからはみ出している装飾を初めて見た私は、このポストを定期的に見ていくことにした。すると2週間後、今度は装飾がトナカイとそりに変わっていたのだった。
サンタ装飾が破損したのか、あるいは当初からお色直しをする予定であったのか。恐らくは同じ作者の手によると思われる、かわいらしいタッチの装飾である。
2023年の「郵便局サンタ47」の行方は
その後も作品が見られることを楽しみに、毎年この郵便局を観察することにした。2020年にはペンギンやシロクマなどもあしらわれたクリスマスリース風のデザイン、
2021年には年賀状を配達するサンタとトナカイのデザインでポストは装飾されていた。
年々縮小傾向にあるのは、あまり盛大にはみ出すと集荷等に支障をきたすからなのだろうか。
今年、2023年も12月を迎えた。しかし郵便局からは「郵便局サンタ47」のお知らせは発表されておらず、各地の郵便ポストも装飾はまだ見られない。もしかするとこの企画は終了してしまったのだろうか。もしそうだとしても、各局社員の工作魂に溢れたクリスマスポストをまた見てみたいと思うこの頃であった。
イラスト・文・写真=オギリマサホ
※注1:郵便局ホームぺージ(https://www.post.japanpost.jp/notification/productinformation/2021/1130_02_01.pdf)