城東電気軌道砂町線
大正10年(1921)~昭和2年(1927)にかけて開通。区間は水神森~東陽公園前の間に最大15ほどの停留場があり(年により変動あり)、軌間は1372㎜。昭和17年(1942)に東京市営、翌年に都営の運営となり、38系統(錦糸堀車庫前~日本橋)の一部に。1972年に廃止。
都電跡のスポットで必ず挙がるのが38系統。特に城東電気軌道砂町線の部分は、廃線後も専用軌道が整備され、3つの緑道公園に変身。大通りを間に挟みつつポンポンと緑道のリレーみたいにつながって行けるのが魅力だ。
亀戸緑道公園はビルが立ち並ぶせいか都会のオアシス的存在。開けた広場に出たと思えば堅川専用橋跡地。レールの交差や車輪やレリーフが、軌道の歴史を伝えてくれる。大島緑道公園は商店や学校、団地が並び、庶民的な雰囲気。新大橋通りの先の急カーブにもぐっとくる。そしてアンカーは南砂緑道公園。越中島貨物線がアーチのように横切りオーバークロスするポイントが待っている。ここで貨物列車と合えたらラッキーだ。
1 小松川線とアクセスできた起点
亀戸駅東口から京葉道路を渡るとスタート地点の水神森。写真中央の亀戸緑道公園(950m)をまっすぐ進んで南下する。同じ城東電気軌道の小松川線(錦糸堀~西荒川)とここで接続していた。
2 29 系統と38系統レールが交わる広場
レールの奥にこそっといる車輪がかわいいモニュメント。地面にもレールが交差。これは都電29系統(須田町~葛西橋)と砂町線が水神森~境川まで共に走っていたことを表す。亀戸緑道公園の堅川専用橋の広場にて。
3 緑のトンネルと続くよ、どこまでも
約750mある大島緑道公園。首都高7号線をくぐった先から始まり、新大橋通りまではほっそりとした道が木々と一緒にまっすぐ続く。植物がつたうガーデンアーチもあり、まるで緑のトンネルのよう。
取材・文=下里康子 撮影=米屋こうじ
『散歩の達人』2021年9月号より