華やかな山車や屋台が目を引く

千葉県を代表する名刹・成田山新勝寺では、300年以上前から、本尊である大日如来に五穀豊穣・所願成就などを祈願する「成田山祇園会(ぎおんえ)」という行事がある。それに合わせて町民が開催するようになったのが「成田祇園祭」だ。成田山祇園会期間中の7月7~9日に近い金・土・日曜に開催され、成田山新勝寺周辺の町内が一体となって盛り上がる。

「見どころはなんといっても豪華絢爛な10台の山車(だし)と屋台の引き回しです」と教えてくれたのは成田市観光協会の寺内さん。見事な彫刻や装飾で彩られた山車や屋台が、3日間にわたり、にぎやかなお囃子や威勢のいい掛け声に合わせて成田山表参道を中心に巡行する。山車の上には、初代天皇とされる神武天皇をはじめとした歴史上の人物や、神話をモチーフにした人形が載っていて、間近で見るとその大きさに驚く。また、夜の帳が下りる頃には、山車や屋台がライトアップされ、昼間とはまた違った雰囲気を楽しむことができる。

迫力満点の総引き!

さらに、1・2日目の「総踊り」、3日目の「総引き」にも注目だ。総踊りでは、各町内の山車や屋台が一堂に集まって、お囃子に合わせて町内ごとに異なる踊りを披露する。そして、しばらく踊ったら、山車や屋台は再び町内へと繰り出していく。また、最終日に行われる総引きでは、成田山表参道仲町の急な坂道を山車と屋台が威勢よく駆け上がる姿を観覧できる。「成田の山車は動きが速いのが特徴。坂道を一気に駆け上がる総引きは迫力満点です」。

大本堂前で行われる1日目の総踊り。
大本堂前で行われる1日目の総踊り。

昔ながらの風情あふれる参道で、屋根ほどの高さのある大きな山車が曳かれる様子は見応えたっぷりだ。7月5日の総踊りは13時30分からの安全祈願、鏡開き後に大本堂にて、7月6日は9時からJR成田駅前広場にて、7月7日の総引きは13時から成田山表参道(門前~薬師堂)にて行われるので、時間をチェックして出かけよう。

開催概要

「成田祇園祭」

開催日:2024年7月5日(金)~7日(日)
開催時間:~21:00頃(最終日は~22:00頃)
会場:成田山表参道周辺、成田山新勝寺大本堂前、JR成田駅前広場(千葉県成田市)
アクセス:JR成田線成田駅・京成本線京成成田駅から徒歩10分

【問い合わせ先】
成田市観光協会☎0476-22-2102
公式HP:https://www.nrtk.jp/enjoy/shikisaisai/gion-festival.html

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は成田市観光協会より提供