香辛料や果皮がスパイシー『サワースタンドエイト』
カウンター上には、スパイスや果実などを入れウォッカに風味を付けるランドルフィルターが2台。そう、こちらは多様なボタニカルを用いた自家製漬け込み酒で作るサワー専門店。メニューには漬け込み酒一覧があり、例えば寝不足なら安眠効果のあるベルガモットミント、0次会利用なら食欲を増進する花山椒の漬け込み酒のサワーなど、その日の気分や体調に合った最適な一杯をオーダーしたい。
『サワースタンドエイト』店舗詳細
注ぎ分けの神業にビールのうまさ開眼『麦酒大学』
うまいビールの飲み方を20年追求してきた山本祥三さん。最新式の平成サーバーと、それと比べ流量3倍という昭和8年(1933)の復刻サーバーを用い、キリンラガーを20種以上の注ぎ分けで提供。「例えば三度注ぎは昭和サーバーでいっぱい泡を立てて麦の苦みを泡に吸着、そのぶん液体部分には苦みの奥に隠れた麦の甘みを感じられます」。1杯目はシャープな味わいの麦酒大学注ぎ、さて2杯目は――と、次はどの注ぎ方を頼むか悩む!
『麦酒大学』店舗詳細
毎日通いたくなる庶民的雰囲気と肴『大衆酒場コグマヤ』
レンガ坂には珍しい、カウンターのみの大衆酒場。「この坂で一番おしゃれじゃない店を目指したくて(笑)」と店長・夏井玲央さん。品書きには分厚い絹豆腐などを赤味噌で2時間煮込んだ煮込みや、朝びきの豚レバを低温調理し、生に近いプリトロ食感を実現したレバネギなど庶民派飲んべえもニンマリのつまみが並ぶ。しかも中野では希少な三冷のシャリキンホッピー495円も! 開店して3年、2階という立地ながらすでに人気店なのも納得。
『大衆酒場コグマヤ』店舗詳細
地方出身者が憩う、アットホーム酒場『パニパニ』
店主の長谷部智明さんは中野チャンプルーフェスタの実行委員長。シークワーサーサワーにザクロシロップを足したパニパニサワー360円や各種泡盛、沖縄の家庭料理・ポークたまご焼き390円など海人テイストの品書きも多い。「中野は地方出身の単身者が多いから、大分のとり天など各地方の味を取り入れるようにしてます」。客同士の仲が良く、ここで知り合って昨年は結婚するカップルが3組も!
『パニパニ』店舗詳細
新道の奥に潜む、極ゆる酒場『BA CAFE』
店の前には猛犬注意の文字、中に入ると社長室のプレート、メニューに目をやればチンザノをグレープフルーツジュースで割った酒・フルチンの文字……。店名って、この馬鹿っぽさから?「よく言われるけど(笑)、俺の愛称がバさんだから」とマスターの椎葉和彦さん。バさんの飄々とした人柄に引かれ、夜も深くなると映画や音楽好きが集まり、狭い店内は楽しい空気に満ちる。「お客さん次第で早朝まで店を開けることもあるよ~」。
看板メニューのビーフタコス400円とフルチン600円。
ディープ路地で感じるパリの風『PEP』
「目指すはパリの裏路地にあるような大衆酒場。新仲見世はまさに裏路地でイメージに合いました」と店長の伊藤酉太さん。つまみはフランスの大衆食がベース。例えば赤ワインとベーコンのポーチドエッグは638円と良心的価格ながら、実はシェフ歴22年の村田圭さんが粒子状にした野菜や牛骨、鶏ガラからしっかり出汁をとっており丁寧な技が光る。フランスワインも50~60種揃うが、大衆感に浸るなら1杯目はコップワイン275円を。
『PEP』店舗詳細
階段を上った勇者のみ味わえる、絶品洋食『中野 洋食酒場カラフル』
2階の元スナックを改装しており少し怪しい雰囲気だが、扉を開ければ店主・宮下功子さんが笑顔で迎えてくれる。「しゃれたカフェよりレトロ感が好きで、スナック時代の止まり木もあえて残してます」。ランチのコンビメニュー5種で一番人気が自家製ハンバーグ&ナポリタン。ブラックペッパーの効いたややスパイシーなハンバーグは180g、ナポリタンは200gと男心をつかむ特盛り。「老若男女、客層もカラフルになってほしくて」。
『中野 洋食酒場カラフル』店舗詳細
希少な地鶏・シャモロックの伝道師『中野鳥聖』
看板は、青森・大鰐町産シャモロック。横斑シャモと横斑プリマスロックを交配した地鶏で、「キレのある弾力と旨みが魅力」と、店主・松橋聖代さんが語る。炭であぶると、ねぎ間はハリのある肉に力強い旨みがあふれ、レバーは濃厚さが口中を支配。修業先の渋谷『森本』を踏襲したつくねも自慢で、大山鶏の様々な部位の味、食感を生かした一本だ。ほのかに香るユズがたまらない。
『中野鳥聖』店舗詳細
誰もが愛するマグロを唯一無二のメニューで!『マグロマート』
マグロ専門店として10年以上、中野の街に愛されてきた『マグロマート』。2019年に古民家をベースに改装した現店舗に移転して3年が経過した今も「中野でマグロと言えばここ!」という不動の地位を築いている。
人気の秘訣は何といってもその豊富なメニューの数々。「同じ本マグロでも味が変わるので、季節によって産地を替える」というお店のこだわりに他の店では食べられないちょっと変わった部位の刺身や煮物など、マグロをこれでもかというほどに食べ尽くすことができるのだ。もちろん、お酒のラインナップも抜かりがなく、日本酒ならば個性的な古酒からフルーティーな味わいのものなど常に20種類が店頭に並ぶんだとか。ここで日本酒デビューをするのも一興!
『マグロマート』店舗詳細情報
福岡名物かわ焼きでホッピーをぐいぐいやる『かわ焼きまいける』
鶏の皮を串に刺し、タレに漬け込んだものを何度も何度も焼いていってできるのが福岡の居酒屋には必ずあるといってもいい人気メニューの「かわ焼き」。これを中野の街でも楽しめると評判になっているのが『かわ焼きまいける』だ。居酒屋が並ぶ北口とは違い、住宅が多い南口に店を構えたからこそ、この街の住人に根付いて、気が付けば人気店に。
かわ焼きの魅力は何といってもその食感。パリッパリに焼かれた鶏皮はお酒との相性も抜群だが、このお店ではホッピーがかわ焼きのベストパートナー。パリパリのかわ焼きを片手に氷をたっぷりと入れてキンキンに冷えたホッピーを片手にグイグイと飲み干せば、中野が“中州”に見えてくるかも。
『かわ焼きまいける中野五差路店』店舗詳細
中野唯一の醸造所『中野ビール工房』
中野オリジナルビールの発信基地!
「以前あった、クラフトビールは高いわりに味はイマイチみたいなイメージを変えたい!」と、中野の街にオープンしたのが『中野ビール工房』。その名の通り、このお店でしか飲めないオリジナルのビールが一番のウリだ。季節ごとに替わるオリジナルビールの数々は、飲みやすい軽い味わいからビール通をうならせるほど麦の味を濃厚に感じさせるものまで実に様々。気が付けば中野のビール党たちの隠れ家のようなお店になっていった。
そしてビールに欠かせないおつまみもハイクオリティ。フレンチ出身のシェフが考案したメニューの数々はどれもSNS映えするうえに絶品。そのせいか女性のファンも増えてきたとか。細い路地の裏にあるというお店のロケーションも超隠れ家感満載で、知っているだけでも“中野ツウ”だと言われそう。
『中野ビール工房』店舗詳細
(クレジット)
取材=鈴木健太・teamまめ・福嶌弘 構成協力=フリート 撮影=本野克佳・須田卓馬・井上洋平・井原淳一・オカダタカオ・福嶌弘