気仙沼の魚や地酒で和気あいあい『炭火家おだづもっこ』
高円寺駅北口から徒歩4分。芸術会館通りをまっすぐ進み、環七通りを渡ってすぐの『炭火家おだづもっこ』。2013年8月12日創業、宮城の地酒と気仙沼漁港直送の魚が自慢の居酒屋だ。“おだづもっこ”とは宮城の方言でひょうきん者という意味。宮城県気仙沼出身のおだづもっこなオーナーが、地元を盛り上げようと始めた店。
店のイチ押しは炭火で焼き上げる焼き鳥。生の国産鶏を使うので、鮮度のよさは折り紙付き。とくに、店長考案の自家製つくねは、串に刺さっているのが不思議なくらいふわっふわ。創業から継ぎ足しの秘伝のタレもあっさりと、口の中でとろける食感。
気仙沼漁港から届く塩辛を使った塩辛焼きそばは、創業から人気のオーナー考案メニューだ。味付けは、塩辛と生クリームのみととてもシンプル。海鮮のクリームパスタ風の味わい。ご当地グルメ、気仙沼ホルモンも都内で食べられる店はなかなかない稀少な一品。
『炭火家おだづもっこ』店舗詳細
日本酒50種類と旨い肴の大衆酒場『区民酒場 左利き』
2018年の開店以来、すでに地元の人気店となっている『区民酒場 左利き』。その秘密は酒飲み心をくすぐる多彩な創作メニューと豊富な品ぞろえの日本酒だ。
店内に入ると、木製のがっしりしたテーブルがいくつも並び、カウンター越しには日本酒がぎっしり並んだ冷蔵庫が見える。日本酒は常時50種類をそろえ、沢山の種類を飲んでみたいという人には「1時間利き酒し放題」がおすすめ。どのお酒も一杯ずついただくことができる。
肴もとても充実しており壁や柱のいたるところに魅力のメニューが張り出されている。
その日その日の良い素材を仕入れているので、グランドメニューはない。定番っぽいものも毎日何品か入れ替わるので、メニューは毎日プリントアウトされている。
『区民酒場 左利き』店舗詳細
調味料まで山形産にこだわる『山形料理と地酒 まら』
中央線高円寺駅南口から徒歩3分。古着屋が並ぶ通りの並びに、ひときわ目立つ「芋煮」の看板が見える。2018年にオープンした『山形料理と地酒 まら』は、その名の通り調味料にまで地元産にこだわった山形の郷土料理と、常時20種以上揃う地酒が自慢。
店長の笹谷健悟さんは「山形には内陸と海側で微妙に食文化が違います。同じ地域の酒とペアリングすると最高にうまいですよ!」と語る。ちなみに看板メニューの「芋煮」は内陸出身の料理長によるもので、牛肉、里芋、ゴボウ、きのこなどが入ったカツオ出汁ベースの醤油味だ。3人前分が入った鉄鍋を注文すれば、地元の芋煮会さながらのシメのカレーうどん440円~も満喫できる。
地元出身者は懐かしい味に親しみ、山形に縁のない人でも地元の食材にまつわる話を聞きながら味わうのも楽しい。なかなか気軽に旅に出かけられなくなった昨今。ちょい旅気分で、山形の大地の幸に舌鼓を打とう。
『山形料理と地酒 まら』店舗詳細
本好きにはたまらない古書店酒場『コクテイル書房』
『コクテイル書房』は古本屋でありながら酒場でもあるとてもユニークなお店。一歩店内に足を踏み入れると、本棚はもちろん、鴨居の上などにも棚が設置され、カウンターの目の前にもぎっしりと文庫本が並べられている。
本はもちろんすべて購入が可能。本のラインナップは文学を始め、哲学やカルチャーまで幅広い。もちろん目の前の本を読みながら飲むこともできる。飲みながら読んだ読みかけの本となれば、それは買っていくだろうな、とその購入の情景まで浮かぶ。
本棚のある自分の部屋で酒を飲みながら読書。こんな幸せな時間をお店で味わえる。しかも頼めばおいしい料理が出てくる。その文学にちなんだ“文士料理”も絶品。
本を読みながら酒を飲み、本を眺めながら酒を飲む。まさに本好きにとっての理想の空間。その落ち着いた空間は、時に流れを忘れさえ忘れてしまいそうだ。
『コクテイル書房』店舗詳細
兵庫県のローカルフードを味わいながら日本酒で一献『播州酒場 うぶ』
高円寺駅北口の中通り商店街にある『播州酒場 うぶ』は、淡路島の玉ねぎや播州百日鶏など、兵庫県産の食材を中心としたおいしいものに出合える居酒屋さん。
淡路島産のブランド玉ねぎ“蜜玉”を使ったたまねぎのまんま焼きは、まるのままの蜜玉に自家製のバルサ味噌(バルサミコ酢と味噌、醤油、みりんなどを合わせた店のオリジナル味噌)をかけ、チーズをのせてオーブンで焼いた一品。
播州の居酒屋では客のほとんどが最初に注文するというローカルフード・ひねぽんは、ぷりっぷりの歯ごたえに鶏肉の旨み、ポン酢のさっぱり感が合わさった、お酒が進む味わい。
兵庫県産にこだわらず、居酒屋の定番メニューも充実しており、だれを誘って来てもみんなが満足できるお店だ。
『播州酒場 うぶ』店舗詳細
意外となかった讃岐うどん+酒場『うどん酒場 でべそ』
うどん激戦区の高円寺に彗星のごとく現れた讃岐うどん酒場。店主の大島泰幸さんは「讃岐うどんと酒場を組み合わせるという、じつはなかなかないコンセプトの店を出したかった」と語る。3種類の小麦粉を独自にブレンドした手打ち自家製麺を使用し、さらに3日間熟成させた麺はツルツルモチモチの食感。出汁は香川直送のいりこを使って毎日手作りするというこだわりよう。『でべそ』というかわいい店名もインパクト抜群だ。
『うどん酒場 でべそ』店舗詳細
高円寺の達人が創り出す、ロックな憩い『ROCK BAR MAGIC V』
あらゆるジャンルのライブハウスが点在する街、高円寺。そんな街の『ROCK BAR MAGIC Ⅴ』の店長、立花さんも80年代に日本のロック・バンドのマネージャーとして音楽に携わっていた人物だ。「ウチは庶民的」と人懐っこい笑顔で迎えてくれる店長おすすめの一杯は、祖母の手作り梅干しで作る梅酎。梅の旨味があふれる人気の一杯で女性にも大人気。ジョニー・ウィンターからプログレまでと、幅広いジャンルの3000枚ものLPやCDを、サンスイとJBLのシステムで聴くことができる。リクエストはLPを片面ずつ一枚聴かせてくれて、中でもジャニス・ジョプリンの「パール」が一番人気。次いでレッド・ツェッペリン。1982 年に『ROCK BAR MAGIC』をスタートし現在の『MAGIC V(5代目)』は南口高架下からすぐの地下にある。高円寺を知り尽くした庶民のバーだ。
『ROCK BAR MAGIC V』店舗詳細
人間も失格人間もいらっしゃい『人間失格』
言わずと知れた太宰治の代表作が店名。店の前では「しっかくさん、いらっしゃい」という怪しげな看板が待ち受ける。恐る恐る扉を開けると、拍子抜けするほどカジュアルな禁煙バーだった。店長の土田拓生さんは、「高円寺らしい店名かなと思って。お客さんからは『禁煙でどこが人間失格なんだよ』と突っ込まれますが」と笑う。ちなみに、土田さんは作家志望。いつか、『人間失格』を超える名作を書いてくれるかもしれない。